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傷のタイプや時期に応じたアプローチで
患者が望む傷痕の治療を

冨士森形成外科医院

(京都市下京区/京都駅)

最終更新日:2023/07/14

冨士森形成外科医院 傷のタイプや時期に応じたアプローチで 患者が望む傷痕の治療を 冨士森形成外科医院 傷のタイプや時期に応じたアプローチで 患者が望む傷痕の治療を
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誰にでも「ケガや手術で傷ができた」、あるいは「昔の傷痕が残っている」という経験はあるだろう。傷や傷痕が人目につきやすい位置にあったり、傷痕が膨らんでかゆみや痛みがある場合、形成外科では傷痕そのものに対する治療を行っている。「冨士森形成外科医院」でも、新たにできた傷を小さく目立ちにくい傷痕にするための処置や、以前にできた傷痕をより目立たない状態にするための手術を実施。近年では「リストカットの傷痕をなんとかしたい」という相談もあるという。そこで今回は、傷がどのように治っていくのか、目立つ傷痕はなぜできるのか、傷ができたらどの診療科を受診すれば良いのか、さらに形成外科で受けられる傷痕のさまざまな治療法について、冨士森英之院長に詳しく解説してもらった。

(取材日2023年6月28日)

古い傷でも相談を。小さく目立ちにくい傷痕をめざす、形成外科で行う傷痕の治療

Q傷にはどのような種類があるのでしょうか?
A
冨士森形成外科医院 傷痕の原因はさまざまあるため症状によって治療法を変える

▲傷痕の原因はさまざまあるため症状によって治療法を変える

傷ができる原因として多いのは転倒や事故などでの外傷で、傷口自体が傷痕になるほか、縫合した糸の痕が傷痕と一緒に残ってしまうこともあります。帝王切開や開胸手術、腹腔鏡手術などでも目立つ傷痕が残ることも。やけども傷痕になりやすく、部位によっては動かしにくさにつながりますし、最近ではリストカットのような自傷での傷も見られます。そして、傷の回復には大きく3つの段階があります。傷ついてすぐのまだ傷がふさがっていない状態、徐々に傷口がふさがって炎症の赤みや硬い膨らみが続く状態、そして傷口から赤みが落ち着き、肌の色や周囲よりも少し濃い色になった、つまり「傷痕が成熟化」したという状態です。

Q傷は、クリニックを受診して治療したほうが良いのですか?
A
冨士森形成外科医院 傷痕が残ったり、不安な場合は形成外科に相談すると良い

▲傷痕が残ったり、不安な場合は形成外科に相談すると良い

小さな傷であれば、何もしなくても自然に治まるかもしれません。しかし、傷口の汚れをきれいに落とせているか、傷の断面と断面がぴったりとくっついているかでどうかで、回復がめざせるスピードや傷痕の見た目は大きく変わります。なぜなら、異物があると傷口はそれも取り込んでふさがりますし、傷口が以前と異なる形状でくっついても、そのままふさがって傷痕になってしまうからです。ですから傷痕をなるべく小さくするためには、傷口をよく清掃し、なるべく受傷前と同じ状態になるようにくっつけることが理想です。目立つ場所にできたケガや汚れた場所でのケガ、傷口が乱れているようなケガであれば、形成外科への受診を考えると良いでしょう。

Q傷を「きれいに治療する」ことをめざすのが形成外科なのですね。
A
冨士森形成外科医院 傷をきれいに治療することをめざす

▲傷をきれいに治療することをめざす

はい、形成外科では「傷痕をできるだけ目立たなくする」ための診療を行っています。ですから傷を縫合する際には傷口を極力元の状態に合わせて皮下組織から何層にも分けて縫合します。また抜糸後は医療用テープなどで傷口を固定。必要に応じて圧迫して回復を待つこともあります。後に残る傷痕を見越して材料や方法を選択し、さまざまな方法で傷の修復にあたるのです。なお、よく似た名称の「整形外科」もありますが、整形外科では骨や筋肉、関節、神経などを治療して、運動機能の回復・改善をめざします。

Qでは、傷痕の治療方法を教えてください。
A
冨士森形成外科医院 患者の希望や生活環境に合わせて治療方法を提案

▲患者の希望や生活環境に合わせて治療方法を提案

傷痕に対しては、いくつかのアプローチがあります。1つ目は、傷痕の幅や面積を小さくするための方法で、切開して傷口を寄せて縫合する手術になります。2つ目は、傷痕に凹凸があるとより目立つので、膨らみを削ったりへこんだ部分に材料を補填したりして、全体を平坦にするための方法です。治療で傷痕を完全に消してしまうことは困難ですが、極力目立ちにくい傷痕をめざしています。

Q手術と聞くと、怖いイメージもあります。
A
冨士森形成外科医院 治療のゴールは人それぞれのため、患者の希望や話を聞き診療する

▲治療のゴールは人それぞれのため、患者の希望や話を聞き診療する

手術を提案する際には、具体的な方法や治療期間、費用等を説明して、「手術は嫌かもしれませんが、今の状態と手術とどちらが嫌ですか」と天秤にかけていただき、手術を頑張るかどうか考えてもらいます。説明を聞いて「そこまでしなくても良いわ」と判断する方もいますし、こちらが手術を無理に勧めることもありません。また、仕事や学校などの都合で、時期を先延ばしにする方もいらっしゃいます。なお、日帰りの手術はすべて院内で行います。局所麻酔では手術中にも患者さんの意識があるので、私からもいろいろとお話をしたり、好きな音楽をかけたりスマホを見たり本を読んだりすることもできますよ。

ドクターからのメッセージ

冨士森 英之院長

日本の保険診療では「傷を治す」という項目がなく、多くの治療は自費診療になるのですが、症状によっては保険診療になることもありますし、費用についても事前に説明や相談をしています。傷痕を目立ちにくくするためには、傷ができた直後からの対応が大切です。ただ、ケガをしてすぐに形成外科に来られる方はさほど多くなく、実際には成熟した傷痕になってからのご相談が多いです。古い傷痕でもさまざまなアプローチで治療を試みます。傷痕が気になって人目を避けていたり、かゆみやひきつれでの動かしにくさといった不快な症状にお困りであれば、何かしらできる治療がありますので、受傷した時期や傷の種類を問わず、まずはご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

傷痕の治療/約3万円~(保険診療で対応できる場合もあります)

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