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内田 安司 院長の独自取材記事

内田クリニック

(三重郡菰野町/北勢中央公園口駅)

最終更新日:2024/04/19

内田安司院長 内田クリニック main

豊かな自然に囲まれた菰野町にある「内田クリニック」。院長の内田安司先生は名古屋大学、国立がん研究センター中央病院、国立名古屋病院(現・国立病院機構名古屋医療センター)で約20年にわたり外科分野の研鑽を積んできたドクター。1998年に同院を開業してからは地域密着で、患者の心情に配慮しながら寄り添った診療を行っている。2021年夏には、内田院長の娘である日本皮膚科学会皮膚科専門医の内田理美先生が合流し、診療をスタートする。理美先生の合流に合わせ、同年5月に院内をリフォーム。優しい色遣いが印象的な外観と、白を基調とした清潔な院内は患者からも好評なのだとか。40年以上医療に携わってきた内田院長にめざす医療やその変化について話を聞いた。

(取材日2021年6月10日)

求められる医療の変化に対応

医師をめざしたきっかけを教えてください。

内田安司院長 内田クリニック1

高校時代に進路を考える際、私は理系でしたので、大まかにいうと機械、コンピューター、医療の3つが選択肢としてありました。その中で一番、私に合っていると考えたのが医療だったんです。今思えば、小さな頃から漠然と抱いていた「人を助けるようなことがしたい」という気持ちが後押ししてくれたのかもしれませんね。

外科を選ばれたのはなぜですか?

母校である名古屋大学医学部は当時、研修医制度がありませんでしたので、5年生になると他の病院へ実習に行くことになっていました。実習先を選ぶ際に参考になるのが先輩のアドバイスだったんです。私は大学でバスケットボール部に所属していましたので、その先輩からアドバイスを受けて行った勤務先が、外科系の病院だったんです。よく外科医というと「手先が器用なんですね」と言われるのですが、特にそういうわけではないと思いますよ。実際には手先の器用さよりも考え方のほうが大切なんです。勤務医時代は、胃がん手術などの一般外科から始め、最終的には呼吸器外科を専門としました。日々、知識や技術が深まっていき、手術や治療の際に生かせるようになっていくのが自覚できて楽しかったですね。でも今振り返ってみると、外科の医師の目の前には死というものが常にあり、緊張感のある毎日だったと思います。

開院した時のエピソードを教えてください。

内田安司院長 内田クリニック2

医師になった当初から、いつかは生まれ育った地元で地域に貢献したいという想いがありました。私は地元育ちなので、医者はかかりつけ医のような先生ばかりで、医者とはそういうものだと思っていたたため、「なんでも屋」になろうと思いました。いろいろな症状に対応していくのが開業医の役割ですからね。この地には医療機関が少なかったため、開業したことに感謝してくださる方が多くいらっしゃったのが印象的でした。また、自分の祖父母のような年齢の方や、友人の親御さんなど、患者さんの多くは人生の大先輩でした。そんな患者さん方が、若輩者だった私に地域医療の本質を教えてくださいました。現在、同級生も近くで開業していまして、同じ志を持って地域のために働けるのはうれしく思います。

長年のご経験から地域性や医療の変化を感じることはありますか?

時代の変化は感じますね。例えば、昔は徒歩圏内の病院に行くことが多かったと思いますが、現在は交通インフラの発達により病院の選択肢が増えました。さらに、ここ10年で変わったのは情報の充実度ですね。インターネットで医療情報を得られるようになったので、「自分の行きたい病院を選んで行ける」時代になったと思います。これに伴い医療の世界はより専門性が進みましたし、この先もより細分化が進むのではないでしょうか。患者さんにとっても、医療界にとっても良い変化ですね。私はかかりつけ医として、求められる変化に対応しつつも、この地域に適した医療を追及していきたいと思っています。

ニーズに応え皮膚科診療を強化

医師としてのモットーや診療時に心がけていることは?

内田安司院長 内田クリニック3

まずは患者さんの不安や苦痛を取り除くことを最優先に考えています。外科の勤務医だった頃は、悪い部分を切ることで治していこうという考え方でしたが、時代も違えば立場も違う。医療技術も飛躍的に進歩しましたしね。今はかかりつけ医としてQOL(クオリティ・オブ・ライフ)、つまり患者さん一人ひとりの「生活の質」に重点を置いています。ですが患者さんによって、求めるものは異なりますし、ご家族のお考えも含めると本当に難しいですね。QOLを上げるにはコミュニケーションが大切だと考えています。診察では、相手の気持ちを理解するよう努めています。

今後、注力していきたい分野はありますか?

ニーズが増えてきた皮膚科の分野ですね。現在も皮膚科診療を行っていますが、この夏からは娘も加えた二診制を導入します。娘は慶應義塾大学病院、愛知医科大学病院で経験を積んできた皮膚科専門の医師です。一般的な皮膚科診療はもちろんのこと、美容皮膚科の分野など皮膚科全般に精通していますので、将来的には自由診療も視野に入れていこうと考えています。これに伴い、診察室の増設など今年5月に施設をリニューアルしました。より地域の皆さまのお役に立てるクリニックになっていけるのでは、と考えています。

娘さんと一緒に診療するお気持ちは?

内田安司院長 内田クリニック4

やはり親としてはうれしいものですね。「皮膚科も外科も同じような手術だな」と思うこともあれば、皮膚科の専門家による、新しい医療技術を見て「こういう治療もあるのか」という気づきもあります。初心に帰るといいますか、勉強させられることも多いですね。一方で医療の世界に長く身を置いてきた者として、私は私でできあがっている考え方もあり、意見がぶつかるときもあります。ですが、できるだけ口を出さないように気をつけています。いずれにせよ、お互いの長所を引き出すことが、良いクリニックを作り上げることになると思いますので、協力しながらやっていきたいですね。

かかりつけ医としての役割を果たしていきたい

医師として喜びを感じるのはどんな時ですか?

内田安司院長 内田クリニック5

勤務医だった頃は、私が求められていたのは手術などでがん治療を行うことでした。ですので積み重ねてきた知識や技術などを発揮して、外科の医師として治療を良い方向にもっていくことに、やりがいや喜びを感じていました。一方で、開業してかかりつけ医となった現在は、当時とは役割が大きく変わりました。この地域では、高齢になって天寿を全うされる方が多く、そういった方の最期にご本人やご家族からお礼を言っていただいた時など、医師になって良かったと感じますよね。これこそが地域医療の魅力なのではないかと思っています。

こちらのクリニックならではの強みがありましたら教えてください。

常勤スタッフの3人は開院した時から働いてもらっています。20年以上同じメンバーで、気心も知れていますのでチームワークは抜群ですよ。絶対的に信頼していますし、診療以外のことはすべて任せています。やはりクリニックというのはスタッフの支えがあってこそだと思いますね。ただ私も含めて、皆いい年になりましたので、老眼との戦いがあることも事実です。例えばインフルエンザの判定キットは反応すると色が出るのですが、この色が薄くて見にくい場合、若いスタッフがお休みの時などは、悪戦苦闘することがあるんですよ(笑)。そんな時には患者さんも協力してくれたりして、こんなアットホームな雰囲気も当院ならではではないでしょうか。

読者にメッセージをお願いします。

内田安司院長 内田クリニック6

のどかな地域で、患者さんの名前を見れば住所までもがわかるような土地柄でしたが、近年はそんなシーンが減りつつあります。他の地域から来られた方が増えて、人口構成も変ってきていますし、求められる医療の変化も感じています。かかりつけ医として時代の変化に対応し、皆さんに頼っていただけるクリニックでいられるよう努めています。どんなに小さなことでも困ったことがあれば、どうぞお気軽にお越しください。

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