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鈴木 勝雄 院長の独自取材記事

鈴木内科

(名古屋市昭和区/川名駅)

最終更新日:2021/10/12

鈴木勝雄院長 鈴木内科 main

地下鉄鶴舞線・川名駅から徒歩5分、閑静な住宅街の一角にある「鈴木内科」。1967年に開業し、現在2代目となる鈴木勝雄先生が院長を務める歴史あるクリニックだ。内科一般はもちろん、鈴木院長が専門とする呼吸器内科や胃腸内科、アレルギー科を標榜し、腹痛、食欲不振などの体の異変や、生活習慣病など、あらゆる病状に対応している。「患者さんの話をよく聞くことを大切にしています。その人の普段を知っていれば、異変に気付き、大きな病気の早期発見にもつながる」と語る鈴木院長に、日々の診療で心がけていることや今後の展望について話を聞いた。

(取材日2017年6月6日)

患者の話を聞き、その人を知る大切さ

医院を継がれるまでの経緯や、お父さまから学ばれたことがあれば教えてください。

鈴木勝雄院長 鈴木内科1

当院は父が1967年に開業した診療所です。私は大学卒業後、複数の病院で経験を積んだ後に当院で勤務し、2009年に院長となりました。父は患者さんの話をよく聞き、親しみを持って接する人で、皆さんからの信頼を得ていたと思います。ただ、父と一緒に診療していた頃は、父の患者さんへかける言葉がなかなか理解できないこともありました。当時は「父は父なりにやっているんだな」くらいに思っていましたが、この年齢になってようやく父の言葉の意味がわかってきましたね。病気はどこに隠れているかわからない中で、患者さんをよく理解した父の明るい言葉が、その人が毎日を楽しく過ごす励みになっていたんだろうと思います。話をよく聞き、深く知ることの大切さは当院に来て痛感したことで、父から学び、受け継いだことだと思います。

先生が専門とされている分野は何ですか?

大学での専門は呼吸器内科です。呼吸器系の検査では多くの場合レントゲン写真を撮影するのですが、レントゲン写真1枚からどれほどのことに気づき、理論的に語り、患者を助けることができるか。その奥深さに感銘を受け、呼吸器内科の医師を志しました。そして、将来的に開業を考えたときに、呼吸器内科に特化した形で開業するのか、それとも父の後を継いで、いわゆる「町医者」として幅広く診療し、地域の方々のために力を尽くす医師になるのか、どちらか悩んだ末、私はやはり父を継ぎたいと思ったんです。そう決断した以上、町医者であればあらゆる疾患に対応しなければいけませんから、大学で呼吸器内科を学びながらも、時間があれば他の科の先生の話を聞いたり、見学したりさせていただきましたね。

診療科目について教えていただけますか?

鈴木勝雄院長 鈴木内科2

診療科目は内科一般、呼吸器内科、胃腸内科、アレルギー科で、患者さんのお悩みに幅広く応じています。父は胃腸科が専門だったのですが、呼吸器内科を専門とする私も当然、町のかかりつけ医として胃腸科に対応しなければならず、当時は苦労もありました。胃腸科に限らず専門でない分野においては特に、話を聞いて、変化を見ながら学ばせていただいたことが多いです。患者さんによって感じ方も症状も異なりますから、毎回が勉強でした。医師はよく「患者から学ぶ」と言いますが、大学病院にいた頃よりも、当院で診療を始めてからそれを痛切に感じましたね。

普段を知っているからこそ、変化に気づける

日々の診療で心がけていることは?

鈴木勝雄院長 鈴木内科3

話をよく聞くことです。「いつから調子が悪いのか、どうして今日来たのか」など何げないことでも大切ですから、細かく尋ねるようにしています。また、患者さんごとの特徴を理解していれば異変に気づくことができ、疾患の早期発見にもつながるんです。実際に当院であった出来事ですが、いつも元気な方がある日「風邪を引いたから薬だけ欲しい。待っているのがつらいから」とおっしゃったんです。今までなら風邪を引いてもそんなことを言わない人なのに、今日は様子がおかしい。そう思い心電図を撮ったところ、心筋梗塞が発見されました。どんな病気を抱えているかわかりませんから、普段と違うことを察しないといけないんです。そのためにも、患者さんの話を毎回よく聞き、様子をしっかり見ることが医師として大切だと思いますね。また、私は西洋薬の他に漢方薬も使用しますので、どんなふうに調子が悪いのか、話をよく聞かなければなりません。

漢方薬を使用されるのですね。

「町医者として患者さんのために何をしてあげられるか」という思いから試行錯誤し、漢方薬を使用するようになりました。多様な症状に対応するには、多彩な漢方薬が想像以上に役立つんです。例えば、漢方薬はよく胃腸の症状に使用するのですが、胃潰瘍などの疾患の場合は西洋薬が効果的な一方で、食欲不振など胃の機能を回復させるためには、漢方薬のほうが使いやすいのです。他にも便秘の場合は、下剤を使用すると腹痛は生じながらも便秘は改善する、といったところですが、漢方薬を用いれば、便秘も改善し同時に腹痛も緩和することができる。このように、西洋薬ではうまくいかなかった症状が、漢方薬で改善することもあるんです。患者さんの状態をよく理解した上で、西洋薬、漢方薬それぞれの効果的な使用法を見極めながら、処方しています。

どのような症状で来院される方が多いですか?

鈴木勝雄院長 鈴木内科4

風邪、腹痛、吐き気、食欲不振、咳、喘息、花粉症など、あらゆるお悩みに応じています。あと高齢者には、糖尿病の方も多いです。糖尿病治療の場合、薬の処方と併せて生活指導を行いますので、その人の食事や趣味趣向を尋ね、生活背景を理解した上でその人に合った方法を提案します。誰にでも同じ指導が当てはまるわけではありませんから、その人が楽しく生活しながら継続できる方法を見つけるように努めていますね。他の疾患の治療ではここまで患者さんを深く知ることはありませんし、また効果が数値に現れるという点でも、医師としてやりがいを感じる治療です。

「話を聞きますから、一緒に考えましょう」という考え

患者層について教えてください。

鈴木勝雄院長 鈴木内科5

高校生くらいの若い方からご高齢の方まで幅広くおみえになります。父の頃から通ってくださっている患者さんも多く、その方々は恐らく、最初の頃の私と父の診療スタンスの違いに違和感を感じておられたのではないかと思います。きっと当時は皆さんが私に合わせてくれていたんでしょうね。勝手がわからないときもありましたが、お一人お一人の話をよく聞き、少しずつ人間関係を構築していくうちに、違和感がお互いの信頼へと変わっていったように感じています。以前、診察の後になって気づいたことがあり患者さんのご自宅までお尋ねしたことがあるのですが、そのときに患者さんがとても喜んでくださり、「信頼されているんだな」と感じましたね。ちょっとしたことで患者さんが信頼してくださっていることに気づかされ、感謝や喜びを感じると同時に、それを自覚して診療に向き合わなければいけないと考えさせられます。

学生の頃の思い出深い体験はありますか?

大学生の頃は山岳診療班に属し、責任者を任されていました。学生が運営する山の診療所に医師を迎え、医師と学生で登山客を診療するという活動でしたが、高山病など多様な症状の患者さんがいらっしゃり、貴重な体験だったと思います。心に残っているのは、診療所まで来てくれれば助けられたのに、辿り着けず助からなかった方がいらっしゃったことですね。霧で隠れてしまい、道で人が倒れていても気づかれないということが山では時々ありました。そのために発見が遅れて重症化してしまったときには、もっと早く発見できていればと悔やみましたね。

今後の展望をお聞かせいただけますか?

鈴木勝雄院長 鈴木内科6

できるだけ多くの患者さんの力になりたいと思っていますので気軽に来てもらえる診療所でありたいです。患者さんが困ったときにいつでも診療することが町のかかりつけ医として大切だという思いから、当院は予約制ではなく「調子が悪ければ今日でも明日でも来てください」と伝えています。お悩みがあれば時間が許す限り話をお聞きして、その人が納得する答えを見つけ出したいですね。また、患者さんに話してもらうためには、安心して相談できる相手にならなければなりません。そのためには患者さんへの心配りや誠意が必要。ここに勤めてからそれをより痛感しました。今でも日々反省し改善に努めています。「話を聞くので一緒に答えを探しましょう」という思いで向き合っていますので、何かあれば気軽にいらしてください。総合内科とはまた違う「町医者としての役割」を果たすため、地域の皆さまのためにここで私にできることを精一杯尽くしていきたいと思います。

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