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めまいや頭痛、パーキンソン病など
脳神経内科の治療とは

蘇春館 藤掛内科

(可児市/顔戸駅)

最終更新日:2024/02/19

蘇春館 藤掛内科 めまいや頭痛、パーキンソン病など 脳神経内科の治療とは 蘇春館 藤掛内科 めまいや頭痛、パーキンソン病など 脳神経内科の治療とは
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脳神経内科と聞いても、どのような病気を診るのかよくわからないという人も多いだろう。手術を行う脳神経外科や、精神的な事柄が原因で体に不調を来した状態を診る心療内科との区別に戸惑うこともあるのではないだろうか。「脳神経内科は、脳や脊髄、神経、筋肉に生じた病気を診る科であり、患者さんのお話を丁寧に聞くことが大切になります」と話すのは「蘇春館 藤掛内科」の藤掛彰史先生だ。愛知医科大学病院脳神経内科にて長年病気の診断、治療に携わってきた。完治をめざすというより生涯付き合っていく病気が多いため、いかに生活の質を長く保つかが鍵となる。脳神経内科の病気の症状や、必要となる診断・治療について藤掛先生に聞いた。

(取材日2022年3月30日)

気になる症状は早めに相談し、専門の医師による診断で適切な治療を続けることが肝心

Q脳神経内科とはどのような病気を診る科ですか?
A
蘇春館 藤掛内科 かつては神経内科とも呼ばれていた

▲かつては神経内科とも呼ばれていた

脳、脊髄、中枢神経から末梢神経、筋肉に生じる病気を診ます。具体的には脳梗塞、脳出血、くも膜下出血といった脳卒中、アルツハイマー型、レビー小体型といった認知症、てんかん、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎などです。頻度が多いのは脳血管障害ですが、認知症、パーキンソン病などもよくある病気です。脳神経内科の診察では、まずは問診し身体所見をとって、必要な場合は確定診断のために病院で検査を受けていただくという流れになります。検査は疑われる病気で変わりますが、代表的なものはMRIやCT、放射性同位元素を用いた検査、脳脊髄液検査、末梢神経伝道速度検査などです。

Q具体的にどのような症状があれば受診するべきですか?
A
蘇春館 藤掛内科 脳神経内科のカバーする症状は非常に多い

▲脳神経内科のカバーする症状は非常に多い

頭痛やめまい、しゃべりにくい、物忘れがひどいといった症状から、手足のまひやしびれなど感覚の低下、ふるえ、立ち上がりにくい、歩きにくいといった運動障害の症状が見られるときは受診してください。血液検査やCT、MRIの検査でも異常がなく原因がわからないことがあり、患者さんの中には複数の科を回られた末に病院の脳神経内科で病名が判明する方もいらっしゃいます。ただ、急激に起きた激しい頭痛やめまい、手足のしびれ、ろれつが回らないなどは、脳血管障害である可能性があるため、当院に相談するのではなく、一刻も早く救急車を呼ぶことが必要です。

Q頭痛にもいろいろな種類があるようですね。
A
蘇春館 藤掛内科 必要に応じて漢方薬も処方

▲必要に応じて漢方薬も処方

圧迫されたような痛みを感じる緊張型頭痛、視覚性の前兆がみられることがあり強い痛みを伴う片頭痛、連続して鋭い痛みが生じる群発的頭痛などが知られていますね。頭痛の頻度が少なく市販薬で対処できる程度ならいいのですが、毎日服薬しているような状況ですと、逆に薬物乱用性頭痛といって頭痛が続いてしまう病態もあります。鎮痛薬の服用回数が多い場合や市販薬では症状のコントロールが不十分であると感じた場合は、違ったアプローチで治療したほうが改善が望めることがありますのでご相談ください。いわゆる肩凝り頭痛は、加齢や姿勢不良、頸椎の問題で首や肩の緊張が強いために起きていることが多く、漢方薬で軽減をめざすことも可能です。

Q先生のご専門はパーキンソン病だそうですね。
A
蘇春館 藤掛内科 パーキンソン病を専門としている藤掛先生

▲パーキンソン病を専門としている藤掛先生

はい。現在も特に勉強を続けている分野です。パーキンソン病は中高年の方に多く、脳の神経伝達物質であるドーパミンが減ることにより、手足のふるえや、肩や肘、指などの筋肉のこわばり、動作や歩行の緩慢といった症状を生じます。運動障害以外にも、においがわかりにくい、便秘、頻尿なども起きてきます。内服治療により、多くの場合は発症5~10年は今までと変わらない生活を送ることが見込めますし、その後も支障はありつつも、自宅で生活していくことが期待できます。一般の医師と専門の医師が治療したのでは、生活の質を保てる期間に2年近くの差が出るという海外のデータが出ており、専門医師による治療介入の重要性を感じています。

Q検査や治療について教えてください。
A
蘇春館 藤掛内科 病院とも連携し適切な治療を行っていくという

▲病院とも連携し適切な治療を行っていくという

問診や身体所見を行い、パーキンソン病の可能性があるか判断します。確定診断のためには病院でMRIや脳内のドーパミンの減少を調べる検査、心臓交感神経機能の検査などを行います。早期診断し適切な薬を選択すること、リハビリテーションを続けることが大事で、それが生活の質をより良く長く保つことにつながります。当院では自宅でできる運動をお勧めしたり、デイサービスの導入をして運動機会を増やしたりするようにしています。基本は薬物治療になりますが、デバイス治療といって頭に電極を入れる脳深部刺激療法(DBS)や、胃ろうを作って持続的に薬剤を投与する治療法(LCIG)などもあり、それらは大きな病院で導入を行います。

ドクターからのメッセージ

藤掛 彰史先生

頭痛やめまい、体の痛みなど、何科にかかったら良いかわからないときにも気軽に相談していただきたいと思います。実際に拝見させていただき、他の診療科が適しているならすぐにご紹介いたします。開業医ではまずその振り分けの正確性が大切だと考えており、そのためにきちんとお話を聞くようにしています。脳神経内科の病気の予防としては、例えば認知症であれば、運動習慣、糖尿病や歯周病予防など、よく健康診断でも言われる基本的なことを心がけていただければ良いと思います。パーキンソン病に限っていえば、定期的なカフェインの摂取も予防につながるといわれており、1日3杯程度のコーヒーを飲むとよいとされています。

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