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石田 孝雄 院長の独自取材記事

いしだ内科外科クリニック

(川崎市宮前区/宮前平駅)

最終更新日:2021/10/12

石田孝雄院長 いしだ内科外科クリニック main

石田孝雄院長の30年以上にわたる豊富な臨床・教育の経験を生かし、患者の全身状態を診る総合的な診療が特色の「いしだ内科外科クリニック」。「体調が悪いなと思った時、気軽に相談に来ていただけるよう、内科、外科、皮膚科と診療科を幅広く設けています」と話す石田院長。「町の小さな総合病院」のような役割をめざし、胃や大腸の内視鏡検査、超音波検査、動脈硬化検査など、病気の早期発見のため検査にも力を入れている。丁寧な問診と先進的な機器を用いた適切な診療を行い、必要があれば病院を紹介すると話す石田院長に、地域のかかりつけ医としての自負や日々の診療について話を聞いた。

(取材日2021年7月1日)

総合的な診療を通じ、地域の医療の窓口をめざす

内科、外科、消化器外科、皮膚科と、幅広い診療科を標榜されていますね。

石田孝雄院長 いしだ内科外科クリニック1

私は消化器外科を専門として、血管外科・乳腺外科でも経験を積み、術前術後管理で常に患者さんの全身状態を診てきました。そのため、開業時はこうした経験を生かして、外科はもちろん、内科や皮膚科まで何でも相談に乗りたいと思ったのです。「何となく調子が悪いけれど、どこに行ったらいいかわからない」と悩んだ時に、まずは「あそこに行ってみよう」と気軽に思えるような「地域の医療の窓口」をめざしたわけです。というのも、開業前、私は大規模病院の病院長をしていて、そこは専門に特化した医師が多かったんです。専門性が高いことは良い点も多いのですが、初期段階で診療科によって区切ることで、かえって病気が見えなくなる危険性もあると感じていました。そこで、開業時は幅広い診療科を掲げ、総合的な診療を行うことで、全身の健康維持と病気の予防につなげたいと考えました。

どのような患者さんが多いのでしょうか?

子どもから高齢者まで幅広いですが、一番多いのは40~50代の方ですね。駐車場を用意しているので、近隣の方はもちろん、少し離れた地域からもいらっしゃいます。風邪や生活習慣病の方、内視鏡検査が必要な方をはじめ、やけどやけがで飛び込んでくる方、長年気になっていた皮膚のしこりの除去を希望する方もいます。巻き爪や水虫の治療、思春期のお子さんのニキビの治療も多いですね。家族みんなで来られることが多いのも当院の特徴だと思います。あと、最近は心の病のある方も増えてきました。最初から自覚している方は少なく、「胸が痛い」といった体の異常を訴えて来られるんですが、じっくり話を聞くうちにこれは違うなと判断し、薬の処方や場合によっては専門の病院を紹介することで、症状の改善につなげています。

総合的に診ているからこそわかるのですね。ほかに、総合的に診療することでどんなことがわかるのでしょう?

石田孝雄院長 いしだ内科外科クリニック2

例えば、「足が痛む」と外科を受診された場合でも、糖尿病が原因だったというケースもあります。そのため、「外科だから他科の病気には関知しない」ではなく、さまざまな可能性を考慮して総合的に診療し、病気の早期発見につなげることが大切です。問診や検査の段階で、膵臓や胆嚢のがん、大腸がんや胃がんなどが見つかった患者さんも多く、頭痛を訴える患者さんに脳腫瘍が見つかったこともありました。ほとんどの方は体調不良で受診され、そこまで深刻な状況だとは思っていなかったようです。すぐに適切な医療機関を紹介し、事なきを得ました。ほかにも、褐色細胞腫やレックリングハウゼン病など、発見が難しいとされている疾患も発見しています。

長年の勘と先進の機器による検査で病気の早期発見を

病気の早期発見のために、どのような工夫をされていますか?

石田孝雄院長 いしだ内科外科クリニック3

患者さんの話をよく聞き、丁寧に触診して、疑わしいところは検査する、という基本を忠実に行うだけです。がんでさえ、多くの場合見つかるきっかけはおなかの張りや吐き気程度の症状。そうした訴えを「よくあること」と片づけずに診ていくと、やはり気になるところが見つかるんです。それが可能なのは、30年外科医として鍛えた勘があってこそと実感しています。以前、「背中が痛い」と相談にいらした患者さんに検査をしたところ「変だな」と感じ、より詳しい検査のためにその日のうちに専門の医療機関を紹介したところ、解離性動脈瘤だったことが判明したということもありました。当院では検査時の診断結果を画像で患者さんにお見せして、状態をわかりやすく説明し、納得して紹介先に行っていただけるようにしています。

検査に非常に力を入れていらっしゃるのですね。

病気の早期発見のためには、適切な診査・診断が不可欠ですから、院内の検査機器はできるだけ先進のものを取り入れ、患者さんが検査を受けやすい環境づくりを心がけています。中でも、内視鏡はごく初期の頃から扱ってきました。内視鏡検査は苦しいと思っている方もいらっしゃいますが、胃・大腸ともに、今は内視鏡の管がずいぶん細くなり、経験豊富な医師が行えば痛みの少ない検査と言えるでしょう。また、動脈の硬さや詰まりの程度を測定できる動脈硬化測定装置を、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病の診療に活用しています。どちらもとても有用な検査ですので、気になることがあれば気軽にご相談いただければと思います。

診療にあたって心がけていることを教えてください。

石田孝雄院長 いしだ内科外科クリニック4

自分ができないことは患者さんに押しつけない。これが私のモットーです。当院では生活習慣病の治療・食事指導にも注力していますが、生活スタイルや食事の内容を急に変えるのは難しいことです。その気持ちは私もよくわかります。ですから、糖尿病なら間食や飲酒量を減らしたり、高血圧なら減塩調味料で味つけを工夫したりと、ご本人とよく話し合って妥協点を見つけて指導しています。何歳になっても食事は大きな楽しみですから、そこはしっかり残すのが大切。患者さんやご家族といつも話しているからこそ、こういったきめ細かな対応ができるのだと思います。最終的に「薬に頼らなくて済む医療」をめざしているので、患者さんには「徐々にこれくらいに減らしましょう」と今後の見込みまでお伝えします。目標を持っていただくと、ご本人のやる気も続くように感じます。

患者の視点を大切に地域のニーズに応える

しっかりと地域に根づいたクリニックですね。

石田孝雄院長 いしだ内科外科クリニック5

開院してそろそろ10年になろうかというところですが、自分の専門の消化器だけでなく、全体的に幅広く診られるようになったと、やっと思えるようになりました。わからなかったところを少しずつ勉強しながら、ここまで来たという印象です。本当に、日々勉強ですね。今回の新型コロナウイルス感染症の流行では、免疫学も学ばせていただきました。院内の感染症対策としては、発熱の外来を設け、風邪症状のある患者さんとそれ以外の患者さんの診療時間と診療場所を分離して対応しています。

コロナ禍において注意しておきたいことがあれば教えてください。

当院では、全スタッフが新型コロナウイルスワクチンを接種した際の副反応についてデータを取り、グラフを作成。接種に不安を感じている患者さんにモニターでお見せして説明しています。これはかなり説得力があり、安心して接種を受けていただくことにつながるようです。私が診ている患者さんに関しては、きちんとワクチン接種を行いたいという義務感が強くあります。そのため、週末も接種を行っています。また、感染防止のため推奨されるマスクに関してですが、長時間の着用が、体内酸素飽和度を下げ、体が酸性に傾くアシドーシスという状態を引き起こす懸念もあります。特に幼稚園児や小学生など、小さな子どもが低い酸素飽和度で過ごすことは、脳の発達に影響を及ぼす可能性もあるので、マスク着用のデメリットにも目を向ける必要があると思っています。

最後に、今後の抱負をお願いします。

石田孝雄院長 いしだ内科外科クリニック6

地域医療のレベルアップを目的とした勉強会を開けたらいいですね。大学病院のような専門的な勉強をするのではなく、どうしたら地域の医療を活性化できるかを、地域の気の合う先生方とお話ししていけたらと考えています。専門性が高くなることは良いことですが、患者さんが「どこで診てもらったらよいかわからない」ということがないよう、適切な医療機関へ結びつける総合的な診療を今後も提供していきたいと思います。

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