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中西 茂則 院長の独自取材記事

なかにし小児科クリニック

(江戸川区/西葛西駅)

最終更新日:2021/10/12

中西茂則院長 なかにし小児科クリニック main

西葛西駅から徒歩3分。人通りの多いにぎやかな駅周辺。少し歩くと、落ち着いた雰囲気の街並みが見えてくる。その一角にある「なかにし小児科クリニック」は、新生児と腎臓を専門に小児科医療に携わってきたベテラン医師の中西茂則先生が院長を務めるクリニックだ。中西先生は、子どもたちの症状を適切に診断することはもちろん、保護者とのコミュニケーションにじっくり時間をかける診療を行う「町のかかりつけ医」だ。「思いも寄らないきっかけから開院した」というクリニックの歴史から、診療の特徴や、子どもの親たちとのコミュニケーションで大切にしていること、今後の展望に至るまで……、余すことなく語ってもらった。

(取材日2015年1月14日)

保護者の良き相談相手としてわかりやすく丁寧な診療を

開院までの経緯を教えてください。

中西茂則院長 なかにし小児科クリニック1

産業医科大学医学部卒業後、同大学病院小児科や、北九州総合病院小児科・横浜労災病院小児科で勤めた後、2000年にこのクリニックを開院しました。よく患者さんからは江戸川区出身だからこの地で開業したのかと聞かれるのですが、そうではないんです。実は、以前こちらで小児科を開業されていた先生がご病気を患ったため、「後を継いでくれる先生を探しているから、やってみる気はないか?」と弁護士をしている親族から連絡を受けたことが開院のきっかけでした。その先生は、1978年頃からこの近辺で開業されていて、1991年にこの場所に移られたそうで、地域の患者さんも多く通っておられたようです。私としては、開院するなら一つずつゆっくりと進めていきたいと思っていましたが、「患者さんもお待ちになられているから、できるだけ早く」と、その方たちを引き継ぐかたちで、お話をいただいてから約4ヵ月後に開院することになりました。

診療の特徴や患者の傾向について教えてください。

小児科専門のクリニックですので、やはり感染症が多いです。冬場ならインフルエンザというように、季節によって流行は違いますし、お子さんによってもさまざまですので、一緒に来院されるお母さんやお父さんのお話をじっくりお聞きした上で、適切な治療を行っていきます。乳児から親御さんまで、さまざまな方が来院されますが、基本的には徒歩圏内にお住まいの患者さんが多いですね。今年で開院15年になりますが、最近では、かつて患者さんだった方がお母さんになり、お子さんを連れて来られることもあります。ちなみに、大学病院時代、新生児と腎臓を専門に診療していました。今でもごくまれに、別の症状でかかられていたお子さんに腎臓の疾患が見つかったケースもあります。このように精密検査や入院が必要と判断した場合は、連携している大学病院や関連病院に責任を持ってご紹介しています。

日々患者さんと接する上で大切にしていることは何ですか?

中西茂則院長 なかにし小児科クリニック2

お子さんの状態を正しく把握し、ご家族の方を不安にさせない診療を心がけています。先ほども少しふれたとおり、診療で大切なのは、お母さん、お父さんとのコミュニケーションです。しっかりとお話をお聞きした上で、症状や治療の内容についてご説明し、安心してお帰りいただけるよう尽力しています。また、子育て奮闘中の親御さんは皆それぞれに悩みを抱えていらっしゃいます。医療面だけでなく、子育ての悩みについても、良き相談相手となれるように、日々心を配っています。

子どものためにも、わからないことは躊躇せず質問を

診療の際、お母さん方から多く相談される質問があれば、教えてください。

中西茂則院長 なかにし小児科クリニック3

お子さんの数だけ、お母さんの悩みもあり、ケースバイケースですが、共通しているのは、お子さんが風邪をひいたときに「お子さんを遊びに連れて行ってあげたい」「なるだけ早く、通常どおりの生活をさせてあげたい」という気持ちです。「お風呂に入れてもいいですか?」「プールに入っても大丈夫ですか?」「明日から保育園に行かせても、いいでしょうか?」「お友だちに会わせても大丈夫ですか?」といった日常生活におけるご質問を受けることが多いです。やはりそれだけお子さん心配なのでしょうね。ですが、お母さんが焦ったりしてしまうとお子さんにも伝わってしまいますので、あまり気負わずに気持ちに余裕を持つと、お母さん自身も楽になると思います。最初は難しいと思いますから、不安になった時には気軽に相談してください。

最近、インターネットで情報収集してからクリニックに行くお母さん方も多いと聞きます。

そうですね、最近は多いと感じています。ただ、今という時代は情報であふれ返っています。そして、それらの情報もすべてが正しいとは限らないので、選択して、見極めていく必要があると思います。クリニックでも、「これ、合っていますか?」「先生はこれについて、どう思いますか?」といったご相談を受けることがよくあります。お母さんがご自身の基準を持ち、選び取ることができれば理想的ですが、何せ情報があり過ぎるので、それらに振り回されて困っている方も少なくありません。間違った選択をしないためにも、ご相談していただいたほうが、結果的にお子さんのためにもなりますし、私としてもありがたく思います。

小児科の医師になって良かったと思うのは、どんな時ですか?

中西茂則院長 なかにし小児科クリニック4

やはり、お子さんの症状が良くなって、ご家族の方など周りの方に喜んでいただける時ですね。私としては、診察の1分1秒が“癒やし”なんです。診療しながら、子どもたちに癒やされて、心が穏やかになるんです。心に残る患者さんはたくさんいますが、特に想い出深いのは、勤務医時代に接したお子さんたちとの時間です。慢性疾患で入院しているお子さんの中には、ゲームが上手な子もいて、彼らに攻略法を教えてもらったりしていましたね。当直の時などは、救急の患者さんたちの対応に追われていましたが、空いた時間があれば、子どもたちが眠りにつくまで、一緒にゲームをしていたくらい、多くの時間をともに過ごしました。

大らかな気持ちで子どもを見守ってほしい

医療の道をめざされたきっかけは何だったのですか?

中西茂則院長 なかにし小児科クリニック5

冒頭でも少し話に出てきた弁護士をしている親族の存在が大きかったかもしれません。彼は、当クリニックを開院するきっかけをつくってくれた人なのですが、大学卒業後は就職して、普通に会社員をしていたんです。ところが、「弁護士になるから、これから勉強しようと思うんだ」と言って会社を辞め、その後、30歳くらいの時に、本当に弁護士になったんですね。私よりひと回りくらい上の年齢なのですが、「こういう生き方もあるんだな、すごいな」と思いました。ならば、自分も興味のあることにチャレンジしてみようと思い立ち、この道に進みました。臨床実習の時に、小児科の雰囲気が自分には合っているなと思い、小児科を専門に学び、現在に至ります。ちなみに、私も会社員の家系ですので、開院当初はいろいろ苦心しました。親が医師だったわけでもなく、経営者でもなかったので、すべてが手探り状態。いろんな方たちの支えのおかげで今日があります。

休日はどのようにリフレッシュされていますか?

人並みにゴルフですね(笑)。当院は水曜が休診日ですので、月2回ほど、あとは日曜に時間があれば、行くこともあります。千葉に行くことが多いです。普段より早起きしなくてはいけませんが、プレーが終わるのも午後1時くらいと、比較的早い時間なので、ゆっくり過ごすことができています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

中西茂則院長 なかにし小児科クリニック6

展望というような大きなことは言えませんが、これからも初心を忘れずに、これまで継続してきたことを積み重ねていきたいと思います。特に初めてのお子さんの場合、ちょっとしたことでも不安になるのが親心というものですが、多くの場合、ほとんどのことは解決できると思います。お子さんは、最も多くの時間を一緒に過ごすお母さんの焦りや心配を敏感に感じ取ってしまうので、慌てずに、落ち着いて、気持ちを大らかに持って、お子さんと接してほしいと願います。そしてそのサポートはしていきたいと思いますので、何かあったら相談しにいらしてください。

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