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古市 彰吾 院長の独自取材記事

古市歯科医院

(千代田区/溜池山王駅)

最終更新日:2024/05/10

古市彰吾院長 古市歯科医院 main

溜池山王駅7番出口直結のオフィスビル内にある「古市歯科医院」は、2001年の開業以来、一貫して予防歯科に注力してきた。古市彰吾院長は「歯科医院は治療をしないために通う場所」というコンセプトを掲げ、歯科衛生士と協力して診療を続けている。診療台の大半をメンテナンス専用として活用し、ベテランの歯科衛生士たちが患者の状態に応じて効率的な虫歯・歯周病の予防方法を伝える。また、歯の病気を予防するためには噛み合わせの調整も重要として、同院では古市院長自らがマウスピース型装置を用いた矯正に対応。「患者さんの大切な歯を守りたい」と話す古市院長に、診療への思いや取り組みについて聞いた。

(取材日2023年4月3日)

歯科医師として、患者の健康のために良いことをしたい

予防歯科に力を入れているそうですが、何か関心を持つきっかけがあったのでしょうか?

古市彰吾院長 古市歯科医院1

28年前、予防歯科のパイオニア的存在である、山形の「日吉歯科診療所」の熊谷崇先生のお話を伺ったことがきっかけです。当時の私が学んでいた技術は、虫歯を削ったり詰めたりする対症療法でした。虫歯を一度削ると再生することはなく、1本の歯に対する治療回数が5回を超えると歯を抜かざるを得ないことが多いため、治療を繰り返す歯科医療の状況に以前から疑問を感じていたのです。そんな時に熊谷先生の取り組みや思い、そして予防歯科を通した具体的な診療の話を聞く中で、自身の方向性をあらためて確信することとなりました。真に患者さんのためになるのはこれだと思い、予防歯科に注力する歯科医院を2001年に立ち上げました。

予防歯科に注力することは簡単ではないと聞きます。なぜ徹底できたのでしょうか?

確かに、治療に保険が適用される対症療法に重きを置いた日本の制度だと、予防の普及は簡単ではありません。患者さんとしても「虫歯になったら歯科医院へ行く」という意識をお持ちの方が多いですから、開業当初は苦労もしました。当院のスタイルに戸惑う患者さんもいましたね。ですが、だからといって諦めて生きていたくはないのです。自分に納得して死にたい。例えば死期が迫っているときに病院にいたとして、天井を見ながら過去を振り返って「自分なりにそこそこ人の役に立てたんじゃないか。喜んでくれた人がいたんじゃないか」と、そんなふうに思いたいですね。そうした最期を迎えるためにも、患者さんの健康のために最も良いことをしたいと考えています。

歯科衛生士の指導にも力を入れているそうですね。

古市彰吾院長 古市歯科医院2

ベテランの歯科衛生士には知識もあり、矯正の患者さんをメインで担当する者もいます。ですが新人の場合はそうではありません。一人前になるためには7、8年の期間が必要だと考えていますから、当院ではじっくりと指導するようにしています。具体的には3年間をアシスタントについて学ぶ期間と位置づけて、当院での診療の流れを覚えてもらうとともに、口腔内写真やエックス線写真の撮り方、唾液検査の行い方、虫歯リスクの判定とその内容に応じたメンテナンス方法の習得、患者さんの状態を踏まえた治療介入の必要性の見極め、患者さんへのマナーや説明などを、実践を通して学んでもらうわけです。スタッフを雇用するというのは、その人の人生に関わること。経営者として、その人の人生がより豊かになるためにはどうすればいいかを考えて、彼女たちに接するようにしています。

矯正は予防歯科にとって重要な一つの手段

虫歯や歯周病を防ぐためには何が重要なのですか?

古市彰吾院長 古市歯科医院3

細菌による炎症と歯にかかる負担をコントロールすることです。虫歯菌や歯周病菌が炎症を起こさない程度の量を保ち、一定の歯に負担がかかりすぎないバランスの良い噛み合わせをつくることで、ある程度の予防ができると私は考えています。そしてそれは、全身疾患の予防にもつながるでしょう。そのためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが必要になるわけですが、患者さんによって口の中の状況は異なり、また年齢や生活習慣によっても虫歯や歯周病の発症リスクは変わります。ですから、一人ひとりに合った予防計画をつくることが重要です。

予防をする上で、ほかに工夫していることがあればお聞かせください。

当院では、歯周病の進行度や虫歯の発症リスク、唾液の質、歯垢のつき具合などをデータで示し、なるべく目に見えるかたちでお伝えするようにしています。こうしたデータはクラウドサービスを使って患者さん自身がいつでも確認できるようにしており、ご自身のお口の中に対する関心や理解を深めることに役立っているのではないでしょうか。また、例えば患者さんが長期出張中に口の中にトラブルが起きても、このデータがあれば、出張先で受診した歯科医院との情報共有がスムーズにいきますし、過剰に治療がなされることもないでしょう。

矯正も先生自ら行っているそうですね。

古市彰吾院長 古市歯科医院4

はい。私はマウスピース型装置を使った矯正に対応し、ほかにワイヤー矯正を担当する歯科医師が在籍しています。虫歯と歯周病を防ぐためには歯並びの調整も大切ですから、当院のコンセプトを実現する上で矯正は必須の分野です。マウスピース型装置を使った矯正は、適応範囲が広く、奥歯にもアプローチできますから抜歯も少なくて済みますし、自分で取り外せるので歯磨きに影響が出ないのも利点ですね。今はマウスピース型装置を選ぶ方が増えていますが、症状やご希望に合わせて適した矯正法を提案いたします。

矯正に伴う抜歯や噛み合わせもこちらで診ていただけるのでしょうか?

もちろんです。矯正専門の歯科医院だと矯正以外の治療は他院で行う必要がありますが、当院ではすべて院内で対応可能です。親知らずの抜歯も可能ですし、虫歯や歯周病があれば事前に治療し、噛み合わせの左右差も考えた上で矯正を行っていきます。歯並びだけでなくお口の状態をトータルで改善につなげることで、あちこちの歯科医院に通わずに済むので、費用を抑えることにもつながると思います。

歯を削らなくて済む患者をさらに増やしたい

こちらはオフィスビルの中だけに、患者さんは会社勤めの人が多いのでしょうか?

古市彰吾院長 古市歯科医院5

そうですね。こちらのビルには多くのビジネスパーソンが訪れますので、患者さんは20代から50代の会社員の方が中心です。患者さんが結婚してパートナーやお子さんを連れて来てくださることもあります。会社が近くにあったとしても、お子さんを連れて来るときは離れたご自宅から通うことが多いわけですから、うれしいことです。クチコミなどで当院の特徴をお知りになって受診する方々も増えてきました。四国や九州など遠方からの患者さんも多いですね。ありがたいことではありますが、それだけ予防歯科に本気で取り組んでいる歯科医院が少ないのだと感じています。

今後の展望をお聞かせください。

歯科で最も重要なのは「治療」ではなく「予防」です。当院では当たり前の予防歯科中心の取り組みが、どうすれば全国の歯科医院にも浸透するかを考えています。予防の重要性に気づいた歯科医師が1人でも2人でも増え、徹底した予防歯科で口腔内を良い状態に保てれば、歯を削るという治療は不要になるでしょう。そしてその歯科医師が引退する際に、若い歯科医師が理念を引き継げるようなシステムづくりが必要です。これらの実現のために尽力していきたいですね。その第一歩として、今は経営学修士の取得をめざしています。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

古市彰吾院長 古市歯科医院6

予防のために「定期検診に行こう」とは歯科医院側がよく言うことですが、検診を機に削ったり詰めたりするのは真の意味での予防ではありません。本来、定期的なメンテナンスを通じて健康な状態を維持できていれば、99%問題は起こらないはずだと考えています。ですから、悪いところを探すために行う定期検診ではなく、悪くならないようにケアをする予防メンテナンスを、皆さんには受けていただきたいですね。歯は一度削ると元に戻りませんから、当院は「治療をしないために通う場所」として、削らなくて済む患者さんをさらに増やしていきたいと考えています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

PMTC/4400円~、唾液検査/4100円、マウスピース型装置を用いた矯正/55万円~、ワイヤー矯正/66万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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