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秋野 邦彦 副院長の独自取材記事

秋野眼科医院

(豊島区/千川駅)

最終更新日:2024/02/09

秋野邦彦副院長 秋野眼科医院 main

千川駅から徒歩1分の「秋野眼科医院」は地域密着型のかかりつけ眼科クリニック。1983年の開業から40年の歩みを経て、現在は院長の秋野薫先生と、次男で副院長の秋野邦彦先生が親子2代で診療にあたる。副院長は同院での診療の傍ら、埼玉メディカルセンターの眼科部長として外来診療や手術も担当。眼科の中でもとりわけ緊急性の高いケースの多い網膜硝子体疾患を専門とし、タフな現場で研鑽を積んできたドクターだ。これまでに磨き上げてきた高度な専門性を生かし、地域医療の場で診療にあたる秋野副院長にインタビューし、クリニックのこれまでの歩みや診療にあたって心がけていること、父である院長から学んだ患者とのコミュニケーション術など、今後の展望も交えてじっくりと話を聞いた。

(取材日2024年1月5日)

家族で安心してかかれる眼科のホームドクター

こちらは今年で42年目を迎えるクリニックだそうですね。

秋野邦彦副院長 秋野眼科医院1

はい。父がこの地に開業して以来、私も子どもの頃からよく来ていましたから、このエリアは私にとってもなじみ深い場所です。ご高齢の方からお子さんまで、地域にお住まいの幅広い世代の患者さんが、眼科のホームドクターとして当院を利用してくださっています。父がメインで診療にあたり、私は現在金曜午後と土曜日の診療を担当していて、月曜日から金曜午前までは埼玉メディカルセンターで外来診療や手術を行っています。2025年からは当院での診療に軸足を移し、院内でも日帰り手術を行えるように環境を整えるなど、地域の患者さんのより幅広いニーズに対応できるクリニックにしていきたいと考えています。

クリニックの強みを教えてください。

何げない目の不調から手術を要する疾患まで、幅広く対応できるという点は当院の強みの一つだと思っています。目の手術というと、ただでさえ恐怖を感じる方が多い中、初めて訪れる病院で手術を受けるとなると、より一層大きなストレスを伴うのではないでしょうか。その点、当院であれば、私が複数回診察をして手術が必要だと判断した方であれば、埼玉メディカルセンターで私の執刀による手術を受けることができる上、術後のフォローは通い慣れた当院で対応することもできます。このような体制を取ることで、患者さんに安心して手術を受けていただきたいと思っています。また、親子で診察しているので幅広い世代の方が気軽に来院しやすいアットホームな雰囲気があること、夜7時まで診療しているので会社帰りなどにも利用しやすいといった点も、患者さんに喜ばれているのではないかと思います。

先生が診療にあたって心がけていることは?

秋野邦彦副院長 秋野眼科医院2

何よりもまず「患者さん第一」のスタンスを大事にしています。患者さんは不調や見えづらさを抱えて不安な気持ちで来院されますから、ご高齢の方なら自分の祖父母に対して話すようにわかりやすく、お子さんならわが子のケアをするように優しく、「目のことで何かあったら、まず秋野眼科に相談しよう」と思っていただけるよう、丁寧な診療を心がけていますね。手術を検討すべきケースでも、治療選択の主導権はあくまでも患者さんにあります。患者さんと対話を重ねて、現状と考え得る治療の選択肢、手術を先送りした場合のリスクなども詳細にお伝えしながら、患者さんご自身が十分に納得して前向きに治療を始められるようにサポートさせていただいています。

難易度の高い網膜硝子体手術の経験も生かして診療

先生がドクターを志したのは、やはりお父さまの影響が大きかったのでしょうか?

秋野邦彦副院長 秋野眼科医院3

そうですね。父はいわゆる昔かたぎの医師で、タフで休むことなく働いている姿を子どもの頃から見続けてきました。患者さんに対しても言うべきことははっきり伝える厳しい医師なんですが、それでも多くの患者さんが父を信頼して通ってくださる様子をそばで見ていて、父としても、医師としても尊敬しています。兄も医師として働いていますが、父と違う産婦人科に進んだこともあり、私は眼科を選ぶことにしました。とはいえ、地域のかかりつけ医として父の後を引き継いでいこうと決めたのはごく最近のことで、病院の勤務医としての道を歩み続けることも選択肢の1つにありました。私がここでの診療に加わるようになってから6年がたちますが、かかりつけ医としての父のありようを間近で見ていて、学ぶところがまだまだたくさんあります。

先生のご専門の網膜硝子体疾患についても少し聞かせていただけますか?

網膜硝子体疾患は、網膜剥離や黄斑上膜、黄斑円孔など、物がゆがんで見えたり、見え方に著しい支障を来したりすることが多く、緊急手術も珍しくない領域です。眼科の手術というと、一般には白内障手術をイメージされる方が多いかもしれませんが、私は研修医だった当時、慶應義塾大学医学部眼科学教室で初めて見た網膜硝子体手術に衝撃を受けました。真っ暗な部屋の中で眼球の中をのぞきながら行う非常に繊細なその手術は、当時の自分にとってかなり難易度の高いものでしたが、自分もいつか手がけてみたいと思い、網膜硝子体を専門に学んでいこうと決めました。緊急性の高いケースも多く、駆け出しの頃から夜中に病院から呼び出されることも日常茶飯事でしたから、先のスケジュールを見通せない生活にもすっかり慣れましたね(笑)。

高度な手術を手がける病院で経験を積まれたのですね。

秋野邦彦副院長 秋野眼科医院4

上司の手術を見ながら学ぶ時期を経て、やがて自分も執刀するようになり、若手の頃は立ち会ってくれた上司に手助けしてもらうこともありました。全身麻酔をせず、患者さんの意識がはっきりしている状態で手術を行うことも多かったのですが、その際、若手とはいえ執刀する医師の緊張や動揺が少しでも伝わるようなことがあっては、患者さんに不安を与えてしまいます。ですから常に冷静に、「痛くないですか?」「もうすぐ終わりますからね」とこまめに患者さんに声をかけながら手術を進めるすべを、タフな現場で多くの先輩たちから学び、経験を重ねる中で身につけることができたと思っています。

見えづらさを抱える患者の生活支援も担っていきたい

診療面で院長から学ぶことも多いのでは?

秋野邦彦副院長 秋野眼科医院5

ここで私が診療を始めた頃によく父から指摘されていたのは、「もっと患者さんとフランクに会話を重ねたほうがいい」ということ。確かに父は、かかりつけ患者さんと疾患とは直接関係のない世間話もよくしていて、患者さんも笑顔でリラックスしている様子が伝わってきました。実際に患者さんといろいろお話をしていくうちに、例えば、趣味でよく絵を描いている話、裁縫をよくしているといった話から、「最近は手元が見えづらくなって……」といった具合に目の状態の変化の兆候を知るヒントを得られるのではないかと思い至りました。会話の中で患者さんの日常生活が垣間見えることで、手術時期の見極めにつながることもあると思いますし、患者さんとの信頼関係を深める意味でも、こうしたコミュニケーションは今後も大切にしていきたいですね。

お忙しい毎日だと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?

子どもがまだ小さいので、休日は家族で出かけることが多いですね。私自身、幼い頃から父によく葉山、鎌倉などに遊びに連れていってもらっていたので、海辺の街の雰囲気が大好きなんです。大人になってからも自分で新しいお気に入りスポットを開拓してきたので、親になった今では、私も家族を連れて朝早くからドライブがてら出かけるようになりました。海の見える公園で娘と一緒に走り回って遊んだり、食事を楽しんだりすることが何よりのリフレッシュになっています。

最後に、今後の展望と読者に向けたメッセージをお願いします。

秋野邦彦副院長 秋野眼科医院6

まずは2025年をめどに、院内で日帰り手術に対応できる体制を整えること。さらにもう1つ展望があります。手術を受ける患者さんの中には、特に糖尿病網膜症の方など、術後も視力が戻らなかったり、むしろ視力が下がって一人で自立した生活を送ることが難しくなったりするケースも少なくありません。眼科医の私にとって手術はあくまで、当たり前にこなすべき仕事の1つです。将来的にはその先のフェーズにも目を向け、視力の回復が難しく日常生活で不便を強いられている方に対してのサポート、いわゆる「ロービジョンケア」にも力を入れていきたいと考えています。白杖を使う上での困り事、色の違いを判別しづらく路上の段差を見落としてしまうといったリスクなども踏まえて、見えづらさを抱える皆さんの生活をさまざまな場面でお支えし、より多くの方のお役に立てるクリニックでありたいですね。

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