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生活習慣病と関わり、突然死のリスクも
睡眠時無呼吸症候群の怖さ

サンシャイン山口クリニック

(豊島区/東池袋駅)

最終更新日:2023/06/13

サンシャイン山口クリニック 生活習慣病と関わり、突然死のリスクも 睡眠時無呼吸症候群の怖さ サンシャイン山口クリニック 生活習慣病と関わり、突然死のリスクも 睡眠時無呼吸症候群の怖さ
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眠っている間に呼吸が止まることを繰り返す睡眠時無呼吸症候群。家族や友人から睡眠中のいびきや呼吸の乱れを指摘され、気がかりを抱えている人も多いのではないだろうか。「眠気による日中のパフォーマンス低下に加え、心筋梗塞や脳梗塞、不整脈死などのリスクを高めてしまう恐ろしい睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣病との関わりも深い病気です」と話すのは、東池袋の「サンシャイン山口クリニック」で睡眠時無呼吸症候群の検査と治療にも力を入れている田口享子院長。働き盛り世代の診療を多く手がけ、睡眠時無呼吸症候群を軽視する風潮に警鐘を鳴らす田口院長に、病気の概要やリスク、治療について詳しく話を聞いた。

(取材日2023年5月13日)

突然死にもつながる睡眠時無呼吸症候群は、中年男性に限らず罹患のリスクが

Q睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気ですか?
A
サンシャイン山口クリニック 自覚症状がないため、家族に指摘され受診する人が多いという

▲自覚症状がないため、家族に指摘され受診する人が多いという

睡眠中に呼吸が止まったり、呼吸が浅くなることを繰り返してしまう病気です。寝ている間のことなので、本人が呼吸の異常に気づくことはほぼありません。ご家族や友人の指摘により、受診に至るというケースがほとんどです。自覚できる症状としては、眠りが浅くなることで昼間に強い眠気を感じたり、夜中に頻回に目を覚ましてしまったりします。また、いびきや寝汗がひどくなる方もいらっしゃいます。睡眠時無呼吸症候群では、無呼吸や低呼吸の状態が頻繁に起こると低酸素になり、循環動態に悪影響が及びます。この状態を放置すると、心臓や血管への負担が続き、心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症、不整脈死などのリスクを高めてしまいます。

Qどのような人がなりやすい病気ですか?
A
サンシャイン山口クリニック 近隣住民やビジネスパーソンの健康を長年支えている同院

▲近隣住民やビジネスパーソンの健康を長年支えている同院

一般に肥満傾向のある男性に多いとされていますが、これは喉まわりに蓄積された脂肪が気道を閉塞させてしまうためです。ほかにも、扁桃腺の肥大や鼻の病気、顎が小さいことなどによって空気の通り道が狭められ、無呼吸が起こるケースもあります。さらに、脳の呼吸中枢に異常を来し、呼吸指令が出ないことにより無呼吸を起こすこともあります。ホルモンが関わることもあり、更年期の女性や痩せ型の女性、多嚢胞性卵巣症候群の方などに発症するケースも少なくありません。太めの男性に限らず誰もが罹患する可能性のある病気であり、加齢による筋力低下とともにそのリスクが高まることも気をつける必要があります。

Q生活習慣病との関わりについて教えてください。
A
サンシャイン山口クリニック 体の内側から健康を保つためのアプローチを大切にする同院

▲体の内側から健康を保つためのアプローチを大切にする同院

睡眠時無呼吸症候群は、高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病と密接に関わることが知られています。軽度でも睡眠時無呼吸症候群があると高血圧の発症率が2倍に高まるといもいわれており、中等度、重度ではさらに発症率が高まります。薬で治療しても改善が見られない高血圧の影に、睡眠時無呼吸症候群が隠れているケースも少なくありません。また、睡眠時無呼吸症候群を含む睡眠障害は、インスリンやホルモンの働きを阻害することもわかっており、糖尿病や脂質異常症を悪化させる原因となります。喫煙や飲酒、睡眠薬の服用が発症に関わることも多く、睡眠時無呼吸症候群は生活習慣と密接な関わりがある病気であるといえるでしょう。

Q睡眠時無呼吸症候群の治療はどのように行いますか?
A
サンシャイン山口クリニック 病気の疑いがある人は自宅でできる簡易検査を行う

▲病気の疑いがある人は自宅でできる簡易検査を行う

疑いがある方にはまず自宅でできる簡易検査を行い、睡眠中の呼吸状態と血中の酸素濃度を測定します。無呼吸があっても回数が限られている軽度であれば、舌根を引き上げて気道を広げるマウスピースの装着や枕の調整、生活習慣の改善などで対応します。耳鼻科的処置や外科手術を行うこともあります。1時間に40回以上と頻回に無呼吸が起こっているようなら、CPAPという治療を行うこととなります。睡眠中に装着したマスクを通して機械で圧をかけた空気を送り込み、気道を広げて無呼吸の防止を図る治療法です。月に1度の受診で状態と効果を確認しながら行う治療で、健康保険が適用されます。

Q予防のためにできることはありますか?
A
サンシャイン山口クリニック 生活習慣病などの診断・治療にも対応

▲生活習慣病などの診断・治療にも対応

睡眠状態は生活習慣に関わるところが大きいので、まずは食生活や睡眠環境などを見直していただくことが大切です。喫煙や飲酒、睡眠薬の服用などがあれば、できる限り避ける努力をしていただきたいところです。それでも日中に眠気を感じたり、夜中に何度も目を覚ましたりするようなら、まずは一度検査を受けてみていただきたいと思います。検査により睡眠時無呼吸症候群でなければ安心できますし、病気を見つけられれば適切な治療により症状の改善を図ります。家系的に心筋梗塞や不整脈による突然死などが気になる方、太り気味の方はもちろん、そうでない方も気がかりがあればご相談ください。

ドクターからのメッセージ

田口 享子院長

睡眠時無呼吸症候群の検査は、タクシーやバス、トラックなどのドライバーで、会社から求められて受ける方が多いのが現状です。こうした職業の方では日中の眠気が大きなトラブルの原因ともなりますが、デスクワークの方や家事・育児を担う主婦の方でも、眠気やだるさが日中のパフォーマンスを大きく低下させているケースはよくあります。継続的に強い眠気を感じていながらも「単なる眠気だから病気ではない」と思い込んでいらっしゃる方も残念ながら多くいらっしゃるようです。睡眠時無呼吸症候群は軽視されがちな病気ですが、突然死にもつながる恐ろしいリスクがある病気です。決して軽んじることなく、気軽に受診してください。

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