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篠崎 百合子 院長の独自取材記事

しのざきクリニック

(豊島区/東長崎駅)

最終更新日:2023/05/10

篠崎百合子院長 しのざきクリニック main

西武池袋線、東長崎駅の北口から徒歩1分のところにある、「しのざきクリニック」。産婦人科・内科のクリニックとして、幅広い年齢の女性を対象に、この地で20年以上診療にあたっている。長年女性患者を支えてきた院長の篠崎百合子先生が心がけているのは、それぞれの年代に応じた、医療的なサポート。特に最近は更年期障害に悩む女性の来院が増えているといい、症状の緩和に向け、必要に応じてホルモン補充療法などを行っている。また、月経困難症などに対しては、ピルの処方も積極的に行っており、「つらさを我慢しないことが大切」と話す。篠崎院長に、治療の方針、女性患者に向けたメッセージなどを聞いた。

(取材日2023年4月14日)

更年期は体の変わり目、必要に応じホルモン補充療法も

こちらにいらっしゃる患者さんとしては、どのような年齢層、症状の方が多いでしょうか。

篠崎百合子院長 しのざきクリニック1

開院当初は、ピルの処方などでいらっしゃる20代ぐらいの女性が多かったのですが、ここ10年ぐらいは、40代、50代以上の女性の患者さんが増えています。今は仕事を続ける方が多いので、家庭での子育てや介護と併せて外でも働き、中にはオーバーワーク気味で疲れているな、と感じる方もいらっしゃいますね。年齢を重ねても女性が働き続けられることは良いことでもありますが、そのためには、女性の身体に合わせた医療的なサポートが欠かせないと感じています。特に閉経前後の更年期にあたる方は、女性の体の変わり目なので、人によっていろいろな症状が出てきます。更年期障害についてのご相談も多くなっていますね。

更年期、というと具体的にはどのような年代があたるのですか?

閉経前の5年間と閉経後の5年間とをあわせた10年間を「更年期」といいます。最近は更年期という言葉そのものが一人歩きして、誤解されている面が大きいと感じますね。規則的な月経がバラバラになってきて、最終的に止まるのが閉経なのですが、例えば40代ぐらいで生理も規則的にあるのに、体に不調があると更年期じゃないかと心配なさっている方もいます。一般的に扱われることが少ない問題のため、正確な情報が少ないのかもしれません。

更年期障害に関しては、こちらではどのような治療が選択できるのでしょうか。

篠崎百合子院長 しのざきクリニック2

当クリニックでは、更年期世代の方が不調で来られた時は、内診、血液検査、骨密度の検査などをしています。骨密度が低下しているとき、更年期症状がひどいときなどは、保険でのホルモン補充療法適用の対象として治療にあたっています。ホルモン補充療法はまだ一般にあまり知られていませんが、多くの場合、更年期障害の治療に加えて、女性の骨密度の低下抑制などにつながります。それから逆に、典型的な更年期障害の症状がなくても、閉経すると体が変わってくるので、例えば骨量が減ったり、動脈硬化が起きたり、ということが考えられます。そのため、閉経前後の方がいらっしゃった場合は、そうしたチェックをするように心がけています。

すべての女性に対し、年齢にあったサポートを

クリニックとしての診療方針、治療で心がけていることはありますか?

篠崎百合子院長 しのざきクリニック3

女性の体は、年齢によって変化してきます。10代や20代、30代、更年期の女性、その後の老齢期と、各年代によって特徴的な婦人科の疾患があります。それぞれの年代にあった診療、医療的なサポートをしていきたいですね。例えば、年齢が若い方の場合は、妊娠する力を表す「妊孕性(にんようせい)」という言葉があるのですが、そこを一番に考えています。もちろん、本人が妊娠を希望しない場合は別ですが、若い頃の問題で希望しているのにもかかわらず将来にわたって妊娠ができない……そんな状態にならないようにすることが大切です。子育て中や働き盛りの方は疲れがたまり不調をきたすこともありますし、先ほどお伝えした更年期、さらには老齢期と、いろいろな異なる問題が出てきます。それぞれの人生のステージにあったサポートを通じて、すべての女性に元気でいてほしい、そんな気持ちで診療にあたっていますね。

ピルの処方も行っていると伺いましたが、どのような場合に服用をお勧めしているのでしょうか。

今は月経困難症で使える保険適用のピルが出てきたので、以前よりもピルの存在がだいぶ認知されきたと感じています。月経がつらい方は無理をせず、専門の医療機関にご相談いただきたいですね。当クリニックでも、必要に応じてピルの服用をお勧めしています。月経困難症に伴う生理痛の緩和も期待できますし、お仕事の関係や生活の質を考えて、服用を続ける方も多いですね。現代女性の選択肢の一つと言えるのではないでしょうか。

それから、子宮頸がんの予防のためにワクチン接種も、サイトなどで大きく案内していますね。

篠崎百合子院長 しのざきクリニック4

HPVワクチンと言って、子宮頸がんの原因となる、ウイルスの感染を防ぐためのワクチンです。今までよりもより多くのワクチンの型を対象としたものが、2023年4月から接種できるようになっています。当クリニックでは、対象になっている患者さんが来院した場合は、必ず案内を渡すようにしています。また現在、キャッチアップ接種といって、一定期間公費接種がストップしていた時期に対象年齢だった方は、本来の接種対象年齢を過ぎていても、2025年3月末まで公費でHPVワクチンを受けることができます。期間が決まっているので、確認して、接種していない方には早めの接種をお勧めしています。

「保健室」のような役割を担い、女性を応援したい

患者さんとの接し方、コミュニケーションなどで意識していることはありますか?

篠崎百合子院長 しのざきクリニック5

私はいつも「サバサバ系」なんて言われています(笑)。その分、受付やスタッフの皆さんがとても優しいので、助けられていますね。スタッフが患者さんに優しく接してくれるので、私はその分診療に集中し、医師として伝えなければならないことを、躊躇せずにはっきりとお伝えすることができるんです。意識しているのは、最終的に少しでも安心して帰っていただくことですね。治療が必要な方、過度に不安を抱えていらっしゃる方、さまざまなのですが、「わからない」ということが一番の不安につながると思うので、しっかりと状況や治療方針を説明をするよう意識しています。

医師としてお仕事をしていて、やりがいを感じるのはどのようなときでしょうか?

やはり、女性の皆さんが少しでも良くなって、元気になってくれたらうれしいですね。今は開業をしていて分娩や手術に携わることはないので、このクリニックが担っているのは、例えて言うなら「保健室」のような役割かなと思っています。つらかったら無理しなくて大丈夫ですよ、という気持ちで、忙しい患者さんが少しでも頑張れるよう、サポートできればと思っています。もちろん医師として診療し治療もするのですが、女性の皆さんを応援するような思いで日々患者さんと接しています。

最後に、患者さんに向けたメッセージをお願いいたします。

篠崎百合子院長 しのざきクリニック6

若い方からご高齢の方まで、すべての女性に「つらい症状を我慢しないで、無理する必要はないですよ」とお伝えしたいですね。今は医療も進歩して、良いお薬もたくさん出ています。ちょっとしたサポートで、我慢せずに日々元気で過ごせると期待できる場合があるので、軽い不調や、気になる症状がある方でも、遠慮せずに気軽にご相談いただけるとうれしいです。解決に向けた選択肢はたくさんあるので、その方に合った方法を考え、より良い日常生活のためにサポートしていきたいですね。

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