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加藤 亮 院長の独自取材記事

かとうクリニック

(池田市/石橋阪大前駅)

最終更新日:2024/01/22

加藤亮院長 かとうクリニック main

2023年10月に「前田クリニック」を継承する形で開院した「かとうクリニック」。院内はやわらかいパステルカラーを基調としたデザインで、清潔感とリラックス感を兼ね備えた空間が印象的だ。院長を務めるのは、和やかで真摯な姿勢で語る加藤亮先生。大阪大学消化器外科に入局後、悪性腫瘍の診療を数多く経験。継承後は、これまでの経験を生かし訪問診療にも注力。最近「訪問診療と往診の違い」、「訪問診療の始め方」などに関する問い合わせが増加しており、この診療に関する啓蒙の必要性を強く感じるという。「何でも相談できるホームドクター」になることを目標に掲げているという加藤院長に、同院の特徴や今後の展望についてじっくりと話を聞いた。

(取材日2024年1月4日)

長く続く縁を大切に、そして新たな取り組みも

クリニックの特徴についてお聞かせください。

加藤亮院長 かとうクリニック1

2023年10月、当院は「前田クリニック」を継承する形で開院しました。主な診療内容は、内科、消化器内科、外科と訪問診療の4つ。また皮膚の良性腫瘍などの対応も可能です。勤務医時代は外科の道を歩んでいたため、数多くのがん患者さんと接してきました。開業医の中でも、これまでに対応したがんに関わる症例数は多いほうだと思っておりますので、この疾患に関するご不安やご相談があれば、まずは当院にご連絡ください。私が自信を持ってご相談に乗らせていただきます。当院は訪問診療にも注力している中、2024年1月より「機能強化型在宅療養支援診療所」になりました。24時間365日、在宅診療を希望される患者さんのケアをさせていただけるよう体制を整えています。

患者さんの傾向についてお伺いします。

開院後、2ヵ月ほどが経過した現在は、前田先生とご縁のある患者さんが多く、主にご高齢の方が来院されている状況です。池田という土地柄もあり、この世代であっても現役を引退することなく、教師、店舗経営者、自営業などに従事している方も比較的多い印象ですね。お仕事に生きがいを感じていらっしゃるように、お見受けします。前田先生は、36年前にこの地で開業されました。その前田医院の開業時から長いお付き合いを続ける患者さんも少なくありません。長年地域密着型で医療提供を続けていた前田先生は、地元住民が絶大な信頼を置く存在です。引き継ぎ期間において、前田先生は患者さんに「加藤先生は、いい先生だよ」と紹介してくださいました。そうした前田先生のご配慮のおかげで、毎日多くの患者さんに通院いただいています。

継承後に始めた取り組みがあれば、教えてください。

加藤亮院長 かとうクリニック2

発熱者専用の外来と訪問診療をスタートしました。今後は、これらを私の独自性としてさらに発展させていきたいと思い日々精進しています。勤務医時代の主な業務は、外科手術。複数人が集まり、専門性の高いレベルの手技や処置によって患者さんの命をサポートすることに努めてきました。一方開業した現在の私のミッションは、医師、看護師、受付事務がチームとなり「患者さんの体調管理」、「在宅患者さんの容態急変時に求められる迅速な対応」や「患者さんやそのご家族の心を支えること」です。当院の休診日は木曜、土曜午後、日曜と祝日ではありますが、このミッションのもと休診日であっても往診要請があれば、すぐに駆けつけます。前田先生から大切な患者さんを引き継がせていただいた責任もあり、地域住民の皆さまの不安を少しでも軽減できるよう力を出し切る所存です。

医師としてのやりがいは、患者を支える治療

消化器外科を専門に選択した理由を教えてください。

加藤亮院長 かとうクリニック3

初期研修時は消化器外科で研鑽を積んでいました。この診療科では、緊急手術を要する患者さんも多く、その患者さんの経過に接しているうちに、この道に進みたいと思うようになりました。またその研修期間に出会った、恩師の存在も選択の一因です。印象的な言葉は、「医師は病気を治すのは当たり前。患者さんの心と向き合うことも大切」というものです。この教えのおかげで、担当患者さんに変化が生じた場合は、必ず自分が駆けつけるスタイルが定着しました。他の医師に任せることなく、自分が責任を持って患者さんと向き合うことが私のこだわりです。当時「この恩師のような医師になりたい」と感じ、迷いもなく消化器外科を選びました。

「支える治療」を志すことになった経緯についてお伺いします。

病院勤務時代に、非常勤で訪問診療を経験しました。その際、自分の足で施設や居宅を回って診察し、言葉がけを行うことで患者さんを元気づけていく中で、気持ちの変化が生じました。メスを握って手術を行うよりも、この診療スタイルのほうが自分にとっては「医師としてのやりがい」を感じられるのではないかと強く思いました。正直なところ、「メスを置くことに何のためらいもなかったのか」と言えばそれはうそになります。その究極の選択を自分に課し、1年ほどの時間を要してじっくりと考え抜き、「メスを置く」ことを決断しました。先の恩師に相談したところ、「自分のやりたいようにやってみるのがいい」と言っていただき、その意思を固めることができました。

院長が診察を行う際に、心がけていることはどのようなことでしょうか。

加藤亮院長 かとうクリニック4

当院の患者さんの多くは、ご高齢の方々です。私たちは幼少期より、こうした世代の皆さまに育てていただいたことで現在があります。私は医師という立場になり、この方々に尊敬の念を持って接することで、恩返しをしたい。そのような思いを持って診察を行っています。また礼節を持って患者さんとコミュニケーションを取ることも、心がけていることの一つ。患者さんの目を見て会話を行うことは、お互いの信頼関係を構築するためにも大切なことでしょう。たとえ多忙になっても、きちんと患者さん側に姿勢を向けることを心がけています。当院では、患者さんと医師の間に人間味が感じられる関係性を構築していきたいですね。

目標は、「何でも相談できるホームドクター」

地域にとって、どのようなクリニックでありたいですか。

加藤亮院長 かとうクリニック5

開院当時から目標として掲げていることは、「何でも相談できるホームドクター」になることです。勤務医時代に、内科、外科、訪問診療を経験しているので、どのようなご相談をお受けしても幅広い選択肢の提案が可能です。今の医療界では専門性が重視される傾向があることは承知していますが、私のスタンスは「さまざまな症状を診させていただきます」というものです。小さな不安事でも結構です。一度当院に気軽にお声がけください。また近隣の医療機関や訪問看護ステーションとの連携によって、24時間の医療体制を整えております。患者さん、そのご家族の声を丁寧に聞き取り、そのニーズに対応することで地域医療により貢献すべく努めていきます。

今後の展望を教えてください。

現在、当院には多くの高齢患者さんが通院されています。外を歩くことは、健康のためにも気分をリフレッシュするにも大切なことです。でもそれは足腰に何も不安がなく、日常生活を問題なく過ごしている方にあてはまることでしょう。体のいずれかに不自由な部位がある、特に高齢の方の場合においては、転倒などのリスクの確率が高まります。今後は無理して通院されている患者さんに対して、不安をやわらげるよう「在宅診療」の提案を積極的に実施する予定です。提案にとどまらず患者さんの危険を回避するために、必要に応じて「在宅診療」に移行するよう働きかけたいと考えています。前田先生の代からご縁がつながる患者さんにも満足していただける医療の形とは、どのようなものか。それを常に問い続けながら、十分な医療をお届けできる方法を模索していきます。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

加藤亮院長 かとうクリニック6

最近、患者さんから「訪問診療」に関する問い合わせが増えてきました。この状況から、訪問診療の認知を広め、当院が訪問診療も提供している医療機関であることを知っていただく必要があると感じました。そのために、今後は医師会雑誌の執筆やホームページでの発信などにも積極的に取り組みたいと思っています。患者さんの中には「訪問診療をもっと早く知っていれば良かった」とおっしゃられる方もいらっしゃいます。当院は一般的なクリニックと同じように、「患者さんが通院し、診察を行う」というかたちと、「医師が患者さんの居宅に定期的に訪問し、診療を行う」というかたちの双方を提供しています。通院が可能な方はもちろん、通院が困難な方など、さまざまな立場の方にとって「何でも相談できるホームドクター」として地域に貢献したいと思っております。

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