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日常生活に影響を及ぼす睡眠障害
「たかがいびき」の陰に重大疾患

かずき内科中川駅前クリニック

(横浜市都筑区/中川駅)

最終更新日:2021/10/12

かずき内科中川駅前クリニック 日常生活に影響を及ぼす睡眠障害 「たかがいびき」の陰に重大疾患 かずき内科中川駅前クリニック 日常生活に影響を及ぼす睡眠障害 「たかがいびき」の陰に重大疾患

寝ている間に呼吸が停止、十分な睡眠が得られず日常生活にさまざまな障害をきたす「睡眠時無呼吸症候群」。広く知られるようになったのも、運転中、無意識のうちに眠り込み重大事故を起こしたという報道がきっかけだった。適切な治療を行えば熟睡でき、普通の人と同じ生活を送ることも可能という同疾患。受診のタイミングや治療法などについて、呼吸器科を専門とする「かずき内科中川駅前クリニック」の佐藤和己院長に伺った。

(取材日2013年6月4日)

「いびき」や「日中の耐え難い眠気」は要注意。早めの受診と正しい検査で適切な治療を

Q睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、なぜ起こるのでしょう?
A
かずき内科中川駅前クリニック 一般内科から呼吸器の専門診療まで幅広く患者をサポート

▲一般内科から呼吸器の専門診療まで幅広く患者をサポート

SASには「閉塞型」「中枢型」と両方を混合した「混合型」の3種類ありますが、そのほとんどは「閉塞型睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれるもの。これは、睡眠中の筋弛緩によって舌や口腔内の軟口蓋という部分が下がり、空気の通り道である気道が狭くなったり閉塞することによって起こります。鼻の病気が原因になって発症することもありますし、ご高齢になると首まわりの筋力が低下してしまうので、それが原因になることもありますね。「中枢型」はごくまれですが、こちらは脳血管障害や重症の心不全などによって起こる呼吸中枢の障害で呼吸が止まってしまうために発症します。

QSASを発症しやすいのはどんな人?また合併症はありますか?
A
かずき内科中川駅前クリニック 睡眠時無呼吸症候群に関しての資料も豊富

▲睡眠時無呼吸症候群に関しての資料も豊富

やはり肥満は主要因のひとつです。ただ、決して直接原因ではないので「肥満体型だから発症しやすい」ということはなく、痩せていてもあごの小さい人はちょっと太っただけで発症することもありますし、舌や扁桃腺の大きい人も要注意。男女とも若い方からご高齢の方まで全年齢で発症しますが、代謝が落ちて太りやすくなると同時に、首まわりの筋力が低下する中高年以降、それもとくに男性は気をつけたほうがいいでしょう。合併症に関しては、SASは眠れないので睡眠が非常に浅く、それが神経に作用。そのため高血圧や不整脈、糖尿病などの生活習慣病の悪化につながるといわれています。

Qどういう症状が出たらSASを疑ったほうがいいのですか?
A
かずき内科中川駅前クリニック 禁煙外来や睡眠時無呼吸症候群など、呼吸器を専門としている

▲禁煙外来や睡眠時無呼吸症候群など、呼吸器を専門としている

まずは「いびき」。SAS特有のいびきは、しばらく音のしないあと急に大きな音を出すという特徴があります。また「夜繰り返し目覚める」のも、前立腺の病気が原因の夜間頻尿と思っていたら、無呼吸で目が覚めるため夜間頻尿が起きていたという場合も。そのほか「『よく寝た』という熟眠感がない」「朝方頭痛がする」「日中の疲労感」「集中力が続かず会議中すぐ寝てしまう」などの症状もSASを疑ったほうがいいかもしれません。パートナーのいらっしゃる方は指摘してもらうこともできるでしょうが、そうでない方は、昼間、寝不足や不眠といった症状が出ているなら何かしらの睡眠障害が起きていると考えるべき。早めの専門医受診をおすすめします。

QSASかどうかを調べるにはどういった検査をするのでしょう?
A
かずき内科中川駅前クリニック 病気の症状や治療法などをわかりやすく解説してくれる佐藤院長

▲病気の症状や治療法などをわかりやすく解説してくれる佐藤院長

まずは一般的な内科診療に加え、口腔内や下顎のチェック。さらに眠気に関する設問に答える眠気テスト(ESS)を行います。ここで疑いが濃厚となれば、当院では家庭で行える簡易検査を実施。指や鼻にセンサーを一晩取り付け気流の状態や血中酸素飽和度を測定、重症度の大まかな判定をします。その後、必要があれば専門病院に入院、ポリソムノグラフィー(PSG)とよばれる脳波や眼電図、口や鼻の気流、胸や腹部の動きで呼吸パターンなどを測定する精密検査を受けていただき最終判定を行います。SASの定義は「10秒以上続く無呼吸が1時間あたり平均5回以上あり、日中の眠気など症状があるもの」。これに基づき重症度を表します。

Q万が一、SASと診断された場合、どのような治療を行うのですか?
A
かずき内科中川駅前クリニック CPAP(持続陽圧呼吸)装置の使用方法を丁寧に説明してくれる

▲CPAP(持続陽圧呼吸)装置の使用方法を丁寧に説明してくれる

中等症以上の場合はCPAP(持続陽圧呼吸)装置による治療がスタンダード。これは装置からチューブを経由して鼻につけたマスクに加圧された空気を送り、その空気が舌根のまわりの組織を拡げることで呼吸時の気道狭窄を防ぐ方法です。最初は違和感がありますが、装着した日から症状が改善され、熟睡できるように。ただ、一度、装置が必要と診断されると、その後は長いお付き合いになると思っていただいたほうがいいでしょう。軽度の場合は歯科で口腔内装置(マウスピース)を作り、下顎が前に出たような状態で固定して気道狭窄を防ぐ方法もありますし、明らかに扁桃腺が大きい・鼻の病気が原因という場合は耳鼻科で手術というケースも。肥満を解消することで症状が改善されることもあるので、減量などの生活習慣改善指導も合わせて行います。

ドクターからのメッセージ

佐藤和己院長

SASのもっとも基本的な症状は「いびき」です。たかがいびきと軽く考え、「自分はいびきがひどい」とわかっていながら放っておく方も多いと思いますが、それが取り返しのつかないことになってしまう場合も。呼吸器科、耳鼻科、歯科などで治療できますが、まずは簡易検査をきちんと実施しているクリニックの受診をおすすめします。SASの検査は、最初の簡易検査はとても楽ですし、精密検査も寝ていただく検査ですから決して苦痛を伴うものではありません。もし「パートナーからいびきを指摘された」「最近眠くてしょうがない」といったことがあるなら、なるべく早く積極的に検査を受け、適切な治療を開始していただきたいと思いますね。

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