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大山 賢治 院長の独自取材記事

おおやま内科クリニック

(西伯郡日吉津村/伯耆大山駅)

最終更新日:2023/10/03

大山賢治院長 おおやま内科クリニック main

日吉津村役場からすぐの場所にある「おおやま内科クリニック」は、2023年7月に開院したばかりのクリニック。待合室の大きな窓からは、のどかな田園風景と米子エリアのシンボルである大山が一望できる。院長の大山賢治(おおやま・けんじ)先生は穏やかな語り口で、何でも話しやすい雰囲気。消化器内科、肝臓内科を専門とし、風邪などの一般的な内科疾患からがん、緩和ケアまで幅広く対応する。年を重ねる中で地域貢献への想いが強くなったと語る院長は、地域住民が何でも相談できるかかりつけ医をめざし開業を決意した。院内には胃カメラや腹部エコーも完備し、院長の専門である消化器の各種検査にも対応。地域貢献への熱い想いを持ち、目の前の患者やその家族に丁寧に寄り添う大山院長に、診療方針や専門の消化器・肝臓内科について話を聞いた。

(取材日2023年8月29日)

地域貢献をめざし、風邪からがん、緩和ケアまで対応

こちらのクリニックの特徴について教えてください。

大山賢治院長 おおやま内科クリニック1

当院は、地域の皆さんにとって「困ったときに何でも相談できる場所」であると同時に「消化器や肝臓内科の専門的な治療を提供できる場所」になることをめざしています。この辺りは米子市内からもアクセスが良く、さまざまな年齢の患者さんが来院されます。診療内容も風邪や腹痛から、肝機能障害や肝硬変、がんまで本当にさまざまです。また、当院の開業を決めた一番の理由は、年を重ねる中で「お世話になった地域の方々に恩返しがしたい」という想いが強くなったこと。この場所は、私にとっても小さい頃からなじみのあるエリアだったので、ここで医療を通して少しでも地域に還元できればうれしく思います。

院内にある大きな窓が特徴的ですね。

大山賢治院長 おおやま内科クリニック2

この待合室の大きな窓から大山が見えるのが自慢です。クリニックや病院の待ち時間はテレビやスマホを見て過ごす方も多いですが、たまにはぼーっと外を眺めて、少しでもリラックスしていただきたいですね。目の前は田んぼで周りの目も気になりませんし、時々シラサギや親子連れのカモが泳いでいるのが見えますよ。地域の様子は昔と変わったところもありますが、大山を眺めていると、「自分が小さい時と変わらないな」と感じてほっと穏やかな気持ちになれるんです。患者さんが快適に過ごせるよう工夫したところは他にもあって、院内はバリアフリー設計で土足でそのまま上がれるようにしました。高齢の方は靴を脱ぎ履きするのも一苦労です。クリニックの工夫で、そういった小さなストレスをできるだけ軽減したいと思っています。

医師をめざしたきっかけやご経歴をお伺いします。

子どもの頃から命に関わる仕事に関心がありました。地元に鳥取大学医学部があったことも、医師を志したきっかけの1つだと思います。これまでの経験で印象深いのは、アメリカのペンシルベニア大学で3年間研究に従事したことと、鳥取大学医学部附属病院がんセンターに所属していたこと。アメリカでは食道の幹細胞、特に食道がんやその遺伝子について研究して、がんについての知見を得ることができました。さらに、日本とはまったく違う文化圏で生活したことで、自分の視野が広がったことも貴重な経験でしたね。開業した今も、悩みを抱えている患者さんに「あまり気にしなくても大丈夫ですよ」とお声がけすることがあります。無理に体裁を繕っても案外周りの人は気にしていませんから、それよりも自分が良いと思うことを大切にするほうがご本人らしいと思うのです。

消化器・肝臓内科では専門性を生かして治療

消化器が院長のご専門ですが、クリニックの検査設備についてはいかがでしょう。

大山賢治院長 おおやま内科クリニック3

腹部エコーと胃カメラを備え、検査に力を入れています。胃カメラの内視鏡検査は、経口と経鼻タイプがありますが、一般的に経鼻のほうが患者さんにとって体の負担が少ないといわれています。「胃カメラが苦手なんです」と震えておられる患者さんにも、鼻から挿入してまめにお声がけしながら検査を進めることで、モニターを一緒に確認するくらいの余裕ができるよう努めています。誰でも受診や検査は怖いものですから、不安や苦痛を少しでも和らげることも、医師としての務めだと思います。もちろん、苦痛がなくても精緻な診断につながらなければ意味がありません。今までの経験を生かして、苦痛が少ない検査で的確な診断をしていきたいと思っています。

肝臓内科というと、あまり聞き慣れないですね。

そうですね。一般の方にはあまりなじみがないと思います。肝臓内科の主な疾患としては、B型肝炎、C型肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝臓がんがあります。一番多いのは、健康診断で肝機能異常が見つかって、当クリニックで詳しい検査を行うパターンですね。肝臓内科を標榜するクリニックは少ないですが、大きな病院に行かなくても地域で専門的な医療ができたら、患者さんは助かるのではないかと思っています。病気の中には隠れていて見つかりにくいものも。いろいろな情報を駆使して診断に結びつけるには、経験と専門知識が不可欠なのです。治療につなげるには精緻な診断が必要ですから、これまでの経験を生かして慎重に検査を行います。

緩和ケアについてのお考えをお聞かせください。

大山賢治院長 おおやま内科クリニック4

鳥取大学医学部附属病院がんセンターで、緩和ケアについて学びました。治らないがんの「苦痛を和らげる」ことを目的として、患者さんのお話を聞いたりご家族の相談に乗ってきました。私が個人的に好きだったのは、患者さんの生い立ちやこれまでの人生について教えてもらうこと。出身や子ども時代のお話、どういうことに楽しみを感じるかなどを、診療時によくお伺いしていました。お話を聞くうちに、その人の人生を知ることができるようで、とても興味深かったんです。終末期の患者さんにとって特に大切なことは、最期の過ごし方について日頃からご家族とよく話し合っておくこと。最期を迎える場所は病院か自宅かなどの希望を、周囲の人に伝えてほしいですね。希望はいつでも変更できますから、自分の希望する人生を送るためと思って、話し合ってみてください。

医療は生活の一部、患者と家族の希望実現をめざして

診療の中で工夫されていることがあれば教えてください。

大山賢治院長 おおやま内科クリニック5

患者さんと丁寧にコミュニケーションを取ることを大切にしています。例えば1つの主訴をきっかけに受診した患者さんでも、よく話を聞いていくと「少し前から肩が痛かった」とか「ここが腫れてきているんです」といった、別の症状を教えてくれることもあるでしょう。それがたとえ専門外の領域だったとしても、まずは患者さんの訴えをしっかり聞くことが大切。どんな疾患でも診療をして、必要があれば専門の医師にご紹介もしています。診療のときに、「他に何かないですか」とか「何でも聞いてもらっていいですよ」とお声がけすることで、患者さんが本当に言いたかったことを話せるように工夫しています。些細なことでも、気になることがあればなんでも相談していただきたいですね。

患者さんの家族に対する配慮はいかがでしょうか。

目の前の患者さんは1人だったとしても、その後ろにはたくさんのご家族がいると思って診療にあたっています。病院は誰にとっても行きたくない場所でしょうし、心配事を抱えて来る場所ですよね。そこで精緻な診断と必要な治療をご提供して、「病院に来て良かった」と思っていただけたら、患者さんにとっては一番いいと思います。もしご家族が病気になったら、それだけでも心苦しいと思います。そんなときに患者さんが満足しておうちに帰ったら、ご家族もうれしくなるのではないでしょうか。患者さんに満足していただくことは、その周りのご家族にも幸せを提供できる素晴らしいことだと思います。ですから私は、できるだけ良い医療を提供して、患者さんだけでなくそのご家族にも貢献したいのです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大山賢治院長 おおやま内科クリニック6

困ったことがあれば、相談やお話だけでも結構ですので気軽にご来院ください。医師として皆さんにお願いしたいことは、不安があれば放置しないで早めに検査を受けること。健康診断などを通して、ご自身の体の状態を知ることが第1歩です。そして早期治療をし、その後の人生を充実したものにしてほしいと思います。患者さんにとって医療はあくまで生活の一部。生活と医療の折り合いをうまくつけながら、できるだけ患者さんの希望する人生の実現をめざします。当クリニックは今後も地域の皆さんに貢献し、医療を通して少しでも皆さんが幸せに過ごせるよう手助けしたいと考えています。少しでも心配なことや不安があれば、何でもご相談ください。

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