噛む機能の回復をめざす
骨造成にも対応するインプラント治療
松原天美とよかわ歯科
(松原市/河内天美駅)
最終更新日:2024/02/15
- 自由診療
歯を失った場合、「インプラント治療」を選択する人が増えている。だが、具体的にどんな治療を行うのか、どんな人に適応となるのか、詳しく知らない人も多い。近鉄南大阪線・河内天美駅からすぐの場所にある「松原天美とよかわ歯科」の豊川翔也院長は、数多くの治療実績を持つインプラント治療のスペシャリスト。通常ではインプラント治療が不適応とされるケースに対しても、骨造成を駆使してインプラント治療の適応範囲拡大に力を尽くしている。今回、豊川院長にインプラント手術のメリットや、骨が足りない場合の選択肢、実際の治療の流れなどをたっぷりと聞いた。
(取材日2024年1月22日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療はどのような方が適応となるのでしょうか?
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A
インプラント治療は、歯が欠損した際に、顎の骨にインプラント体という人工歯根を埋入して歯を補う治療法の一つです。歯の欠損には他にも両隣の歯を削ってかぶせ物を装着するブリッジや、金具を引っ掛けて装着する入れ歯、他の歯を抜いて欠損した場所に補う移植などの方法があります。当院では、それぞれの治療法のメリット・デメリットを踏まえ、患者さんの状況に対してインプラント治療が一番望ましいと考えられる場合にお勧めしています。一方、免疫力が弱いため細菌感染しやすい糖尿病の方や、顎の骨がもろくなっている骨粗しょう症の方は、かかりつけの医院と連携しながら、インプラント治療が適応かどうかを判断します。
- Qインプラント治療のメリットとデメリットを教えてください。
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A
まず健康な他の歯を削らなくていいことです。ブリッジでは横の歯を削ったり、入れ歯では金具を引っ掛ける歯に負担がかかったりするため、他の歯の寿命を縮める恐れがあります。その点、インプラント治療では独立した1本の義歯を入れるため、天然歯の温存につながります。次に、天然歯に近い噛む力が望めることもメリットです。しっかり噛めて食べたいものを食べられることは、消化の面でも精神面でもプラスに働きます。また、取り外してお手入れする必要もありません。一方デメリットは、入れ歯やブリッジに比べて治療期間が長く、約3~8ヵ月必要なこと。また、自由診療のため、保険診療と比べると費用がかかってしまうことが挙げられます。
- Q歯周病で骨が溶けてもインプラントは受けられるのですか?
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A
インプラント治療では、インプラント体を適切な位置に埋入し、固定するために歯槽骨の幅や量が必要となります。しかし、歯周病で歯や骨が溶けてしまい骨の厚みや高さが足りない場合、インプラント治療が適応されないケースがあります。当院では、骨の量が足りない場合に「GBR(骨誘導再生法)」や「サイナスリフト(上顎洞挙上術)」といった骨造成術や、「ソケットプリザベーション(歯槽骨温存術)」を導入しています。当院では、他院で顎の骨が少なくインプラントが打てないと言われた患者さんも、インプラントの埋め込みが可能になるケースがありますので、ぜひ一度ご相談ください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1初診は歯科用CTの撮影など各種検査を行う
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主訴や既往歴、全身状態などを問診した後、口腔内の状態を詳しく検査するために各種検査が行われる。口腔内写真を撮って虫歯や欠損歯の状態といった口腔内の状態を確認した後は、歯科用CTやエックス線撮影装置で骨の状態をチェック。歯周病の進行具合を確認する歯周ポケット検査や口腔内の型採りも行われる。
- 2検査結果の説明
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歯科医師が検査結果を画像で示しながら、口腔内の状態を説明。続いて、インプラント治療や入れ歯、ブリッジなど、それぞれの治療法のメリット・デメリットについて解説される。「自分の考えを押しつけないように心がけています」と院長が言うように、同院では、噛み心地を重視するのか、治療期間を重視するのかなど、個々の患者の希望を丁寧にヒアリングしているという。治療法はその場で決める必要はなく、持ち帰り検討する。
- 3口腔内の環境を整える
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インプラント治療を受けることを決めたら、虫歯や歯周病の治療、噛み合わせの確認など、先にすべき治療があれば優先して受け、口腔内の環境を整える。その後、歯科用CTで骨の状態を確認。骨の状況だけではなく、歯茎の状態を踏まえて、1回法または2回法のどちらを選択するのかなど治療方法を確定する。撮影データをもとにしたシミュレーションでは、インプラント体を埋入するポジションや角度などの調整が行われる。
- 4インプラント手術
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手術内容にもよるが、所要時間は15分から1時間程度。診断結果をもとに適切な位置に埋入できるように、サージカルガイドを用いて手術を行う。骨の量が足りない患者に対しては、骨造成が同時に行われる。手術の際は、不安を感じる患者もいるため、「針を刺します」「風が当たります」と工程ごとに声かけを徹底。「次に何をするかを患者さんに逐一お伝えすることで、先の見えない不安感を払拭するように努めています」と院長。
- 5補綴物の装着とメンテナンス
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手術後翌日に消毒し、1~2週間後に抜糸。インプラントが骨に結合するのを待つ3~4ヵ月の間は、1ヵ月ごとにメンテナンスを受ける。「インプラントだけではなく、他の天然歯も同じで、汚れがつくとばい菌に感染して虫歯や歯周病になってしまうため、定期検診を受けてしっかり掃除をすることが必要です」と院長。最終的に補綴物が入った後も、3ヵ月ごとを目安にメンテナンスに通うことが大切だ。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/25万円~、GBR/3万円~、サイナスリフト/15万円~、ソケットプリザベーション/5万円~