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大野 基晴 院長の独自取材記事

北千住ARTクリニック

(足立区/北千住駅)

最終更新日:2024/01/24

大野基晴院長 北千住ARTクリニック main

北千住駅から徒歩6分。にぎやかな商店街の中に立つビルの4階に、2023年6月、「北千住ARTクリニック」が開業した。不妊治療を主軸に婦人科の診療を行うクリニックで、ビルの一室ながら広々と感じられる清潔感のある空間が広がっている。院長の大野基晴先生は、にこやかでやわらかい話し方が特徴のドクター。勤務医時代、体外受精を中心とした不妊治療を専門的に行ってきた大野先生に、クリニック開業までの経緯と、日常の診療、特に患者への思いについて、じっくりと話を聞いた。

(取材日2023年7月2日)

生命の神秘を感じて不妊治療の道に

不妊治療を専門に選んだ理由や開業までの経緯についてお聞かせください。

大野基晴院長 北千住ARTクリニック1

不妊治療を行うようになったきっかけは、順天堂大学の産婦人科学講座医局から関連病院勤務を経て、福岡で不妊治療を専門に行っているセントマザー産婦人科医院に勤務したことです。そこで不妊治療について学んだことが、今の道を決定づけました。そもそも最初は産科に進むつもりだったのですが、勤務医をしていた時の上司に、「君は不妊治療が向いていると思う」と言われ、携わるように。実際に受精卵を培養している様子を顕微鏡で見ているうちに、「生命ってこうやってできるんだ……」と神秘的なものを感じ、すっかり魅了されました。勤務医から開業しようと思ったのは、私の父親が歯科医師で、歯科クリニックを開業していたんですね。なのでずっと、いつかは父のように一国一城の主というか、自分のクリニックを持ちたいなという思いがありました。

北千住で開業されたのはなぜですか?

私がもともと足立区竹の塚育ちで、地域になじみがあったということがあります。また不妊治療のクリニックは都心には多いのですが、この辺りには少なかったということもありますね。患者さんは北千住にお住まいの方だけでなく、隣接するエリアに住んでいて北千住駅を経由して会社に通われている方も多いので、会社帰りに立ち寄られる方もいます。また都内だけでなく、ほかの遠方から足を運んでくださる患者さんもいます。

クリニックの設備でこだわった点などありますか?

大野基晴院長 北千住ARTクリニック2

不妊治療を行うクリニックとしては、決して面積は広くないのですが、患者さんが診療をお待ちの際に少しでもリラックスできるよう、天井の高さを高くし、内装もシンプルにして、できるだけ広く感じられるようにしました。また、体外受精のための受精卵の培養室や、手術室など、スタッフの使用する部屋はすべて扉一つでつながっています。これは動線に配慮した面もありますが、医師、看護師、受付スタッフなど、部署ごとに分かれるのではなく、一つのチームとして相談しやすくできるよう、なるべく壁をつくりたくなかった、ということがありますね。

初診でじっくり話を聞き、痛みの少ない診療を心がける

クリニックでの診療内容について教えてください。

大野基晴院長 北千住ARTクリニック3

体外受精を中心とした不妊治療です。2023年現在、14人に1人が体外受精児といわれていますが、それでも不妊でお悩みの方が、いきなり体外受精に進むというのは、心理的に難しいのではないかと思っています。まずは患者さんがどういうかたちで妊娠したいか、というところからお話を伺って、検査をはじめ、その後の治療過程すべてにおいてカバーしたい、という思いで診療しています。患者さんは、年齢や何人お子さんがほしいかなど、一人ひとり事情も要望も異なりますから、当然私たちがすべきことも変わってきます。それぞれの患者さんに合わせて、いつでもすぐ動けるようスタッフとともに準備しています。

どういった患者さんが体外受精に向いているのでしょうか?

それは難しい質問で、この人にはこう、という答えはありません。ですが、先ほどもお話ししたように、患者さんの年齢の問題もありますから、なるべく早く、妊娠、出産、そして育児といったゴールに向かって、進んでもらいたいという気持ちがあります。以前はタイミング法、人工授精と進んで、それでも妊娠がなければ、体外受精というステップで進んでいたかと思います。ですが長期間の不妊治療は、本来自然な現象であるはずの月経に対し、非常に悲しい思いをされるなど、メンタルヘルス面での問題も起こすことがあります。長く悩むようであれば、その時点で何が最善の方法なのかを、患者さんご夫婦と一緒に考えていきたいと思っています。

診療を行う際に留意していることはありますか?

大野基晴院長 北千住ARTクリニック4

まずは、ご夫婦で今まで妊活をどれだけ頑張ってきたのかをしっかりお聞きします。例えば半年から1年、基礎体温をしっかりつけてきたけれど、そういうことがすごいストレスだったという気持ちの部分や、もしほかの医療機関にかかっていたなら、どういう治療を行ってきたのか、治療方針や結果なども細かくお聞きするようにしています。これまでのことだけでなく、今現在、不妊治療に関して悩んでいることがあったら、それも全部この場で出してほしいと思っています。その上で患者さんに寄り添って、私とスタッフも含めて全員で妊娠をめざしていきたいと思っています。診療手技においては痛みが少ないようにすることを心がけています。特に痛みが強いといわれる卵管造影は特に気をつけていますね。ただでさえ緊張されて受診される方も多いと思いますので、身体的、精神的苦痛のないよう心がけて診療にあたっています。

クリニックを「卒業」する患者の笑顔を見るために

先生は、どのような思いで不妊治療に取り組んでいらっしゃるのでしょう。

大野基晴院長 北千住ARTクリニック5

診療を行う上で、私たちがゴールとしているのは、患者さんが当院を「卒業」するときです。卒業というのは、不妊でずっと悩まれていた患者さんがやっと妊娠できて、当院から産科にバトンタッチする日のことです。その頃には赤ちゃんの心拍なども聞けるでしょう。その心拍を聞きながら、とても喜んでいる患者さんのお顔を見たい、その一心で日々治療に取り組んでいます。そのうれしい瞬間を味わいたいからこそ、続けられているんだな、と思います。

スタッフにはどういった方がいらっしゃいますか?

看護師をはじめ、皆明るく人あたりが良くて、患者さんに対して優しく接してくれる人がそろってくれたのはありがたいですね。私の方針として、クリニックのスタッフがチーム一丸となって診療にあたるのが、大事だと考えています。そしてそのチームには、不妊に悩む患者さんご夫婦も含まれているというのが、私たちの考えです。当院にお越しになるからには、もう2人だけで悩む必要はありません。われわれスタッフもチームとして、一緒に考えながらゴールをめざしていきたいという気持ちでいます。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

大野基晴院長 北千住ARTクリニック6

そろそろ子どもがほしいな、と妊活を考えている方、まずはご相談だけでも結構ですので、お気軽に来院していただければと思います。受診したからといって、必ずしも不妊治療に進まないといけない、ということはありません。当院は、お仕事帰りにも通っていただけるように、平日は20時まで診療していますし、日曜も隔週で診療しています。ご夫婦2人だけで悩んだり頑張ったりせず、私たちスタッフがチームでサポートしますので、困ったらすぐ来てください、という気持ちでいつもお待ちしています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

アフターピル/1万円(診察料含む)、子宮鏡/1万3000円、子宮卵管造影検査/3万3000円、カウンセリング(30分未満)/5000円、カウンセリング(60分以上)/1万円

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