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大森 洋介 院長の独自取材記事

かすがいクリニック豊中緑丘テラス

(豊中市/牧落駅)

最終更新日:2023/07/13

大森洋介院長 かすがいクリニック豊中緑丘テラス main

豊中市北緑丘の住宅街で、2023年4月に開業したのが「かすがいクリニック豊中緑丘テラス」だ。ここは、循環器や消化器、呼吸器などさまざまな領域のスペシャリストが集まるクリニック。「かかりつけ医として、地域を100年支え続けたい」という強い想いを胸に、標榜する内科の領域はもちろん、骨粗しょう症をはじめとした幅広い疾患に対応している。「チーム医療で多面的に患者さんの健康を支えながら、グループ内の訪問診療を行うクリニックとも連携して、外来医療から在宅医療へのシームレスな移行をめざしたい」と語るのは、大森洋介院長。医療法人ミナテラスの理事長も務める大森院長に、クリニックの特徴やかかりつけ医として果たしていきたい役割などについて詳しく話を聞いた。

(取材日2023年6月27日)

外来医療と在宅医療の連携で地域を支えるクリニックへ

クリニック名が特徴的ですね。どんな意味が込められているのでしょうか?

大森洋介院長 かすがいクリニック豊中緑丘テラス1

医療を通じて人と人、人と地域をつなぐ、“かすがい”のような存在でありたい。そんな想いを込めて名づけました。当クリニックは、箕面市にある「かすがいクリニック」に続く医療法人ミナテラスの外来専門医院です。この法人名についても「みんなを照らす」という意味で名づけたのですが、それと同時に地域の方、患者さんとご家族、そしてスタッフが集まる「みんなのテラス」のような場所になれたら、という願いが込められています。クリニック名や法人名には個人の名前をつけるケースも多いと思いますが、当クリニックの診療は専門分野を持つ複数の医師が連携するスタイルなので、あえて避けたところもあるかもしれませんね。

外来専門のクリニックを開業した経緯についても教えてください。

私たちは「医療を通じて地域を支える」という目標を持って日々診療をしているのですが、1つのクリニックではどうしてもできることに限界があります。例えば、箕面市の「かすがいクリニック」は訪問診療をメインにしていますが、一般的に訪問診療の診療圏はクリニックから16km圏内といわれており、地域全体を支えることが難しいという課題があったんです。そこで、新しい拠点を増やせば、地域の患者さんをより多面的に支えることができるのではと考えました。ポイントは、外来専門の当クリニックの診療圏を箕面市のクリニックとあえて重なるように設定したことです。これにはスタッフの連携のしやすさを考慮した背景もありますが、外来と訪問とで役割分担ができれば、より厚みのある診療が提供できるはず、という狙いもありました。

クリニックの強みについてもお聞かせいただけますか?

大森洋介院長 かすがいクリニック豊中緑丘テラス2

やはり一番は、グループ内2院の連携力でしょうか。例えば、当クリニックに来られている患者さんの通院が難しくなったとしても、外来と訪問とで連携ができれば、シームレスに訪問診療を提供することができます。それに、患者さんの状態やカルテなどの共有もスムーズなんです。また、さまざまな専門性を持った医師が在籍していることも大きな強みでしょう。私自身の専門は循環器内科なのですが、神経内科や呼吸器内科、消化器内科のスペシャリストとともに、幅広い視野を持って診断・治療することができます。例えばパーキンソン病が疑われるような場合は、すぐに総合病院を紹介されることが多いと思いますが、初めての病院に行って診療を受けるというのは患者さんにとって大きな負担になるはずです。その点、たくさんの専門家がいればクリニック内で受け止められる可能性も高くなりますよね。

患者をトータルに診療することが、かかりつけ医の役目

先生のご専門は循環器と伺いましたが、こちらではどういった診療をされているのでしょうか?

大森洋介院長 かすがいクリニック豊中緑丘テラス3

私は循環器内科が専門ではありますが、在宅医療のキャリアが長いこともあり、それほど専門性を意識することはありませんね。確かに高血圧や糖尿病をはじめとした生活習慣病や循環器疾患の治療は得意なのですが、どんな病気でも世代を問わず診療するというのが私の大きな役目だと考えているんです。現代は専門性が細分化され、病気ごとに通院するクリニックを変えていらっしゃる患者さんも増えてきました。ただ、それではかかりつけ医としての役目が果たせないのかな、と。もちろん専門性の高い治療や知識が必要な疾患の場合は専門の機関をご紹介しますが、わからないからとすぐにお断りするようなことはありません。

かかりつけ医としての責任感の強さを感じます。

少し厳しい言い方になってしまうかもしれませんが、かかりつけ医というのは最後まで患者さんの健康に責任を持たなければならないのだと思うんです。例えば、数十年前であれば、まだまだクリニックの数も少なくて、子どもから大人までどんな病気でも受け入れるクリニックが多かったですよね。そう考えると当時の医師は、かかりつけ医の理想像をある程度達成していたのではないかと思うんです。診療科が細分化され、訪問診療が重要視されてきた今こそ、日頃の外来診療から訪問診療までをトータルにサポートできるクリニックが必要とされているのだと思います。

こちらでは、骨粗しょう症治療にも注力されているとか。

大森洋介院長 かすがいクリニック豊中緑丘テラス4

ええ。治療はもちろん、骨粗しょう症の早期発見にも力を入れていますよ。当クリニックには高齢の患者さんが多く、ご自宅での生活が続けられなくなる方も少なくありません。その大きな原因の一つが骨折です。足の骨が折れてしまうと入院となり、手術をしてリハビリテーションが必要となれば3ヵ月ほどかかってしまうでしょう。その後、退院ができれば良いのですが、そのまま寝たきりになりご自宅に帰れなくなるというケースが多いんです。それを未然に防ぐためにも骨折の原因になり得る骨粗しょう症を早期に発見し、治療につなげていく必要があります。内科ではあまり骨密度を測ることはありませんが、地域の皆さんが安心してご自宅で暮らせるよう積極的に介入していきたいですね。

チーム医療を重視し、スタッフ同士尊重し合える環境を

標榜されている内科にこだわらず、包括的な診療をめざされているのですね。

大森洋介院長 かすがいクリニック豊中緑丘テラス5

そうですね。例えば、腰痛や関節痛がひどくて整形外科に通院されていれば、併せて骨粗しょう症の治療もされているケースは多いでしょう。ただ、内科だけに通っているという方ですと、「自分は骨粗しょう症なのかもしれない」と疑問に思うことはほぼないと思うんです。ですが、私たちは地域の皆さんのかかりつけ医として全人的な医療をめざしていますから、寝たきりのリスクを上げてしまう恐れのある骨粗しょう症など、主訴以外に関しても注意を払う必要があると考えています。たとえ結果的に病気ではなかったとしても、それが患者さんの人生を守ることにつながるはずです。整形外科のように専門的な治療は難しいとしても、最低限の診療は一番身近な内科の医師が取り組んでいくべきではないでしょうか。

先生は、チーム医療も大切にされているそうですね。

はい。当クリニックは、複数の医師がそれぞれの専門性を生かして診療を行う、グループ・プラクティスに力を入れています。それを実現するためには、メンバー間のコミュニケーションが欠かせません。コミュニケーションは質と量が重要ですので、スピード感に重きを置きながらも、お互い相談しやすい雰囲気づくりを大切にしています。それは医師同士ももちろんですが、医師と看護師においても同じです。当クリニックでは、スタッフ全員がお互いをプロフェッショナルとして尊重し、しっかりと話し合える環境づくりをめざしているんです。実際、診療の場で患者さんと向き合うのは担当の医師と看護師だけかもしれませんが、スタッフ一丸となって支えることが最良の医療につながると信じています。

最後に今後の展望と、読者へのメッセージをいただけますか?

大森洋介院長 かすがいクリニック豊中緑丘テラス6

私たちが理想としているのは、地域を100年支えるクリニックです。今診療を行っている医師やスタッフがいなくなったからといって、これまで通ってくださった患者さんの診療に対応できなくなってしまってはいけません。最後まで皆さんとお付き合いのできるチームを構築しながら、外来医療から在宅医療へスムーズに移行できる体制づくりに取り組んでいきたいですね。とはいえ、地域や社会が抱える問題は常に変化していくでしょう。これからは、その都度生まれる地域課題に正面から向き合うことのできる、課題解決型のクリニックをめざしていきます。

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