全国のドクター9,335人の想いを取材
クリニック・病院 158,519件の情報を掲載(2024年5月17日現在)

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 川崎市高津区
  4. 高津駅
  5. えがおの森こどもアレルギークリニック
  6. アレルギーの専門家によるアトピー性皮膚炎治療とスキンケア

アレルギーの専門家による
アトピー性皮膚炎治療とスキンケア

えがおの森こどもアレルギークリニック

(川崎市高津区/高津駅)

最終更新日:2023/06/23

えがおの森こどもアレルギークリニック アレルギーの専門家による アトピー性皮膚炎治療とスキンケア えがおの森こどもアレルギークリニック アレルギーの専門家による アトピー性皮膚炎治療とスキンケア
  • 保険診療

「アレルギーマーチ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。最初にアトピー性皮膚炎の症状が現れ、その後年齢が上がるにつれ食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎というように、まるで先へ先へと行進(マーチ)するように症状が出てくることをアレルギーマーチと呼ぶそうだ。また、アトピー性皮膚炎は、アトピー性眼症やアレルギー性結膜炎などさまざまなアレルギー疾患とも関わりがある。だからこそ、アトピー性皮膚炎は初期の段階でしっかり治療し、肌の状態を保ち続けることが大切で、それがひいては食物アレルギーなどの発症予防にもつながると話す「えがおの森こどもアレルギークリニック」の樺島重憲院長。アトピー性皮膚炎の治療法や、家でもできるスキンケアの方法など、アトピー性皮膚炎との向き合い方を語ってもらった。

(取材日2023年6月1日)

さまざまなアレルギー疾患の予防にもつながるアトピー性皮膚炎の早期治療

Q子どもに多い肌トラブル。アトピー性皮膚炎との見極め方は?
A
えがおの森こどもアレルギークリニック 乳幼児湿疹とアトピー性皮膚炎の違いについて話す樺島院長

▲乳幼児湿疹とアトピー性皮膚炎の違いについて話す樺島院長

赤ちゃんは、生後1ヵ月くらいの時、病気ではない湿疹がよく出ます。これは乳児湿疹といわれ、お母さんのホルモンの影響で油の分泌が増えて出るものです。皮膚がガサガサになったりして心配される方が多いですが、これはそれほどかゆくもなく、通常2ヵ月くらいで治まります。ですが、アトピー性皮膚炎のお子さんは、その乳児湿疹が2ヵ月を過ぎても消えず、初めは頭や顔の湿疹だったのが手足に広がっていき、かゆがるようになります。そういう症状が出た場合は、アトピー性皮膚炎の可能性があるので、一度クリニックに相談してください。

Qアトピー性皮膚炎を疑う場合、何科を受診すれば良いですか?
A
えがおの森こどもアレルギークリニック 普段から相談できる医療機関をもつことも大切

▲普段から相談できる医療機関をもつことも大切

小児科か皮膚科のどちらかを受診してください。大きくなって肌のトラブルだけの場合はどちらの科でも良いと思いますが、赤ちゃんのうちは小児科のほうが、皮膚以外の全身の症状についてもアドバイスできるかと思います。というのも、アトピー性皮膚炎のお子さんは、食物アレルギーを持っていることがあるからです。その場合、小児科ですと離乳食をどうやって始めていくかなど相談できるのがメリットだと思います。また、アレルギー治療の進歩はとても早く、治療法も薬もどんどん新しくなっているので、症状がなかなか改善されないなど心配な時は、アレルギー専門のクリニックに相談すると良いと思います。

Q具体的にはどのような治療を行うのでしょうか?
A
えがおの森こどもアレルギークリニック 治療についてわかりやすい説明を心がけている

▲治療についてわかりやすい説明を心がけている

症状の再発を未然に防ぐことを目的としたステロイド外用薬による「プロアクティブ療法」を行います。皮膚の下のアレルギーの細胞は、皮膚に炎症があるとそこに居座ったり増えたりしますが、炎症のない状態を維持すると徐々に減っていくことがわかっています。そこで、早期に適切な強さと量のステロイドを使い、全身の肌を炎症のないきれいな状態にすることをめざします。アレルギーの細胞がだんだん減り始めたら、それからはステロイドを塗る間隔を毎日から1日おき、3日に1度、5日に1度のようにあけていき、肌を湿疹が出づらい環境にしていきます。その後は肌の状態をキープするために保湿に重点を置き、たまにステロイドを使っていきます。

Qステロイドなど薬の使い方について教えてください。
A
えがおの森こどもアレルギークリニック 薬の塗り方についても丁寧に指導を行う

▲薬の塗り方についても丁寧に指導を行う

以前は、ステロイドと聞くと「怖い」というイメージがあったかもしれませんが、最近は薬の効果や副作用について、正しく理解してもらえるようになってきたと感じます。アトピー性皮膚炎は初期の段階で肌の状態を整えるために適切に薬を使うことが大事なので、当院ではアレルギーについて専門に学んだ看護師が、薬の量や塗り方を丁寧に指導しています。また守るべきポイントをしっかりお伝えすることで、お子さんや親御さんの不安を取り除くように心がけています。アトピー性皮膚炎の治療は時間がかかります。少し良くなったからといって途中で勝手に薬をやめてしまうと症状が悪くなることがあるので、医師に相談しながら進めましょう。

Q家庭でも気をつけることはありますか?
A
えがおの森こどもアレルギークリニック 普段の生活の中での変化にも気をつける

▲普段の生活の中での変化にも気をつける

アトピー性皮膚炎のお子さんは、バリア機能が弱く乾燥肌の場合が多いです。ですから保湿をすることでバリア機能を補い、余計なものが入ってこないようにしてあげることで炎症が起きるのを防ぎます。それから、皮膚についたほこりやカビ、ダニが刺激になるので、肌をきれいに洗ってアレルゲン物質を落とすことが大事です。ですがゴシゴシ洗ったらかえって皮膚が傷ついてバリア機能が落ちてしまうので、石鹸を泡立てて包み込むように優しく丁寧に洗うようにしましょう。スポンジやタオルではなく、手を使って洗ったほうが良いですね。特に肘や膝などのしわの部分は汚れや汗がたまりやすいので、忘れずに洗うようにしましょう。

ドクターからのメッセージ

樺島 重憲院長

アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の治療には、年単位で取り組むことが多いです。お子さんが大きくなってくると、薬もお子さん任せになっている家庭が多いと思いますが、できるだけ大人の方が最後に手伝って塗ってあげてほしいと思います。人は誰でも状態が良いと薬を忘れたり適当になったりします。そうしてまた悪い状態に戻ってしまうと、本人も治療に対してやる気を失ってしまいます。そうならないようにご家族が少しサポートしてあげてください。お子さんとご家族、そして私たち医療スタッフが一つのチームとなって「一緒に頑張るんだ」という思いで治療に取り組んでいけたらと考えています。

Access