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アレルギー専門の医師や看護師による
食物アレルギーの診療

えがおの森こどもアレルギークリニック

(川崎市高津区/高津駅)

最終更新日:2023/06/23

えがおの森こどもアレルギークリニック アレルギー専門の医師や看護師による 食物アレルギーの診療 えがおの森こどもアレルギークリニック アレルギー専門の医師や看護師による 食物アレルギーの診療

食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎など子どものアレルギー疾患は数多く、悩みを抱えている家族も多い。だが、アレルギー治療は進歩しており、治療に対する考え方も変化。食物アレルギーにおいても、以前は、原因食物は完全除去の考え方が一般的だったが、最近は食物経口負荷試験によって「安全に摂取できる量」を見極め、完全には除去しないという考えに変わってきている。10年以上にわたり国立成育医療研究センターでアレルギー疾患の治療や研究に取り組んできた「えがおの森こどもアレルギークリニック」の樺島重憲院長は、小児科のかかりつけ医として、またアレルギーの専門家として、乳幼児から継続して診ていくことでアレルギーの予防につなげたいと考えている。今回は、食物アレルギーについて詳しく話を聞いた。

(取材日2023年6月1日)

かかりつけ小児科でアレルギー専門家が診断。食物アレルギーで重要な摂取許容量を見極め、継続的にサポート

Qどのような症状が出たら食物アレルギーを疑えば良いでしょうか?
A
えがおの森こどもアレルギークリニック アレルギー症状の疑いある場合は、すぐに相談を

▲アレルギー症状の疑いある場合は、すぐに相談を

アレルギーが起こることが多いといわれる食材、例えば卵とか牛乳などを食べて、早い時はすぐに、遅くても2時間くらいの間に症状が出た場合には、食物アレルギーを疑います。じんましん、咳や鼻水、嘔吐や下痢など症状はさまざまですが、体の表面から症状が現れると考えてもらうとわかりやすいと思います。体を覆う皮膚はもちろん、咳や鼻水の症状を起こす気道も、空気に触れるという意味では表面と捉えられますし、体の内側にある消化管も水や食物に触れるので、これも表面と考えられます。いろいろな症状が脈絡なく出ているように感じられるかもしれませんが、どれもアレルゲンと直接触れる箇所から現れています。

Q食物アレルギーが疑われる場合、どのような検査を行うのですか?
A
えがおの森こどもアレルギークリニック 血液検査やプリックテストを実施する場合も

▲血液検査やプリックテストを実施する場合も

まずは問診で、初めて食べたのか、どのくらいの量を食べたのか、どのようなタイミングで症状が現れ、時間の経過でどう変化したのかなど、丁寧にお話を伺っていくとおおよその判断がつきます。その後、最終確認のために血液検査を行う場合もありますが、血液検査で反応が出ても実際にはアレルギーでない場合もあり、あくまで可能性を示すものという位置づけですね。問診でしっかり話を聞くことが何より大事だと考えています。ただ、果物などは血液検査で反応が出なくても症状が出ることもあるので、そのような場合は、皮膚にアレルゲンを数滴垂らした後、小さな針で肌に小さな傷をつけて反応を調べるプリックテストを行います。

Q具体的にはどのような指導を行うのでしょうか?
A
えがおの森こどもアレルギークリニック 経口負荷試験専用の個室を2部屋用意している

▲経口負荷試験専用の個室を2部屋用意している

アレルギーのある食品に対しては、必要最小限の除去を行うことが重要なので、まずはお子さんがどのくらいの量なら食べることができるのかを確認します。問診でわかる場合も多く「1口なら食べても問題なかったが、丸々1個食べたら症状が出た」というのであれば「問題なく食べられた量は食べていきましょう」とお話しします。アレルギーが出たからといってすべてを排除するのではなく、アレルギーが出ない量であれば摂取していくのが、必要最小限の除去ということです。問診だけではわからない場合は食物経口負荷試験を行い、数ヵ月、1年単位で許容摂取量を摂取していきます。当院では食物経口負荷試験専用の個室を用意しています。

Qアレルギーを専門に学ばれた看護師さんがいらっしゃるんですね。
A
えがおの森こどもアレルギークリニック 日常生活での対応について、専門の看護師が丁寧に指導する

▲日常生活での対応について、専門の看護師が丁寧に指導する

当院には、アレルギーに対する専門知識を持った看護師が在籍しています。アトピー性皮膚炎のお子さんの体の洗い方や薬の塗り方、喘息のお子さんの吸入薬の正しい使い方など、実践も交えながらしっかり指導を行えるのが特徴です。大人の患者さんと違い、お子さんの場合は口で「やってね」と言うだけではなかなかできないこともあります。そんな時彼女たちは、うまくできた時はちゃんと褒めるといったテクニックを使いながら、上手に導いてくれています。アレルギー治療は長い期間かかることが多いので、お子さん自身が治療に積極的に向き合えるようなアドバイスやサポートもしてくれており、私にとってもクリニックにとっても心強い存在です。

Q食物アレルギーとは長く付き合っていく必要があるのでしょうか?
A
えがおの森こどもアレルギークリニック 普段から相談できるかかりつけ医を持つことも大切

▲普段から相談できるかかりつけ医を持つことも大切

アレルギー疾患は基本、長く付き合っていく病気だと考えてください。食物アレルギーについては、どこまでなら食べられるかを調べるために、食物経口負荷試験で摂取許容量を確認していくというお話をしました。少し前まで主流だった「アレルゲンとなっている食物は完全に除去する」という考え方からすると、向き合い方は大きく変わってきています。ただ、何事も早めに医師に相談することが大事です。ひどくなってから対処するよりも良い経過につながると思います。かかりつけの小児科であれば、ほかの病気を診てもらう際に、気になっている肌の状態を質問すると良いでしょう。

ドクターからのメッセージ

樺島 重憲院長

アレルギー疾患は完治や寛解をめざせる時代になってきています。今までさまざまな治療をしてもうまくいかず、諦めてしまっているお子さんや親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、そんな方たちも諦めずにぜひ相談してほしいと思います。アレルギー疾患の治療は一度薬を飲んだら終わりというわけにはいかず、長く付き合っていく必要がありますが、当院は、アレルギー専門の医師とアレルギーの専門知識を持った看護師がいる小児科クリニックなので、病気の治療だけでなく生活上のアドバイスなどのサポートも行っています。

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