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池田 詩子 院長の独自取材記事

宮の森レディースクリニック

(札幌市中央区/西28丁目駅)

最終更新日:2024/02/14

池田詩子院長 宮の森レディースクリニック main

札幌市営地下鉄東西線・西28丁目駅より徒歩3分に位置する「宮の森レディースクリニック」。店舗・メディカルモール・オフィスからなる複合施設の2階にある。婦人科・産科を専門に豊富な臨床経験を持つ池田詩子院長による、思春期から更年期までの女性の心と体の悩みに寄り添い、一人ひとりに合った解決方法を一緒に考えるクリニックだ。院内は、女性だけでなく、男性やLGBTQの人も通いやすいように配慮している。ロゴや待合室の椅子には、レインボーカラーを使用。オールジェンダー用のトイレや、待合室の飲み物コーナーなど、居心地の良い空間づくりにこだわっている。「気になることがあれば、気軽に相談していただきたいですね」と語る池田院長に、クリニックの特徴や、めざす医療について詳しく聞いた。

(取材日2023年1月26日)

誰もが平等に医療を受けられる社会をめざして

2021年にオープンした新しいクリニックなんですね。

池田詩子院長 宮の森レディースクリニック1

そうですね。産科・婦人科を専門として、勤務医として約10年経験を積みました。私自身、3人の子どもを持つ母親なのですが、産科は夜中や早朝に緊急手術で病院に駆けつけることも多かったので、子育てとの両立に悩みまして。あとは、防衛医科大学校病院や各地の自衛隊病院で女性隊員の月経関連の悩みをサポートしていた経験から、婦人科の診療にも力を入れたいと考えるようになりました。そうした経緯もあり、開業を考えていたところ、家の近所でメディカルビルがオープンすることになったので、こちらでレディースクリニックを開業することになりました。

LGBTQの患者さんにも配慮しているそうですね。

開業するにあたり、婦人科を受診される患者さんの声を学ぶ機会がありまして。LGBTQの患者さんの「ボーイッシュな風貌の自分が婦人科の待合室にいたら、ほかの患者さんに嫌がられるのでは、と感じて行きにくい」といったお声がありました。ほかにも、婦人科の問診に必ずある「性行為をしたことがあるか」という項目。妊娠・性感染症の可能性の確認のために伺う質問ですが、LGBTQの方にとっては「性行為とは何を指しているのかわからない」といった意見もありました。そうしたさまざまな“当たり前”がハードルとなって、がん検診などの受診が遅れ、病気の発見が遅れてしまうというケースが実際にあるんですね。このように、婦人科受診に困難を抱えている方々が一定数いることを受け止め、どなたでも気軽に受診できる婦人科として、LGBTQの方にも開けたクリニックですよというメッセージを伝えています。

具体的にこだわった点はありますか?

池田詩子院長 宮の森レディースクリニック2

当事者の方にさりげなく気づいていただけるように、ロゴマークはレインボーカラーにしました。あとは、婦人科というとピンク色を基調としたかわいらしい内装が多いと思いますが、それが居心地の悪さにつながってしまうこともあるためピンク色は使っていません。性感染症の検査や不妊治療では、男性患者が来院することもあるため、すべての方にとって入りやすい雰囲気は意識しています。また、トイレはオールジェンダー用にし、患者が待ち時間に使える飲み物コーナーもつくりました。そのほか、どなたでも問診票が記入しやすいように、少し高いカウンター席も用意しています。今やLGBTQの方は、左利きの友達と同じくらいの数いるといわれています。具体的な数値化は難しい問題だと思いますが、決して少なくない一定数いらっしゃるLGBTQの患者さんも、安心して受診できるクリニックにしたいと考えています。

思春期から更年期まで、女性の心と体に寄り添う

力を入れている診療はありますか?

池田詩子院長 宮の森レディースクリニック3

月経の相談からがん検診、子宮の病気、性感染症、更年期障害、妊婦健診まで、幅広いご相談に対応していますが、今後力を入れていきたいのは不妊治療ですね。不妊治療の現場で最近増えているのが、セックスレスのお悩みです。挿入障害や射精障害、あとは単純に欲求がなく性行為に消極的な方が増えているといわれています。そうしたご夫婦でも、子どもはほしいと願う方はいます。性行為が苦手であるために、本当は自然妊娠が望めるカップルが人工授精や体外受精へとステップアップするというケースもあります。セックスレスは精神面の影響も大きいため、当院では丁寧なカウンセリングを行ってご夫婦にとってより良い方向へのサポートをさせていただきます。直接お話ししにくいことは、ウェブ問診票にご記載いただきたいですし、診察時、看護師など複数の人がいると喋りにくい方もいるので、席を外してもらって私と2人でお話するなど、臨機応変に対応します。

そのほか、どんなご相談の患者さんが多いですか?

思春期の年代の患者さんですね。お母さんと一緒に来院されて、生理不順や生理痛のご相談をされるケースも多いです。無月経や思春期早発症、月経前症候群など、幅広いお悩みに対応していますので、少しでも心配があれば気軽にお越しいただきたいですね。また、子宮内膜ポリープや子宮内膜症など、子宮の病気に関するご相談で来院される方もいらっしゃって、今後は子宮内膜ポリープに対する子宮鏡下の検査や日帰り手術などにも対応する予定です。また、朝8時開院と早い時間から受診できることもあり、緊急避妊で来院される方もいらっしゃいます。忙しい患者さんのために、ウェブ予約やオンライン診療も導入していますが、お急ぎの場合は予約なしでの受診が可能です。

各種検査で来院される方も多いと聞きました。

池田詩子院長 宮の森レディースクリニック4

札幌市の子宮がん検診は、市から配布されるクーポンで受診できます。最近では、HIV検査、B型肝炎検査、梅毒検査も行っています。外国では、HIVの感染リスクが高い方に向けた予防についての研究も進んでいます。北海道ではまだ、そういった悩みを抱えている方が相談できるクリニックが少なく、東京まで通っている方もいるというのが現状です。どんな方にも平等に医療を提供したいという想いから、そうした先進的な予防医学についても積極的に学び、導入を検討していきたいと考えています。

丁寧なカウンセリングで一人ひとりに合った解決方法を

医師をめざしたきっかけを教えてください。

池田詩子院長 宮の森レディースクリニック5

もともと物を書くことが好きで、ライターなどの職業に就きたいと思っていました。しかし、高校3年生の時、父が救急車で2度も運ばれまして。私も救急車に乗って一緒に病院に行き、救急の医師のテキパキとした処置を目の当たりにしたんです。その体験から、「人を救う医師ってすごいな」と感銘を受け、医療の道を考えるようになりました。大学進学後、専門の選択には悩みましたね。循環器や神経内科の論理的な考え方も面白いと思っていたのですが、やはり産婦人科なら女性だからこそ貢献できる面が大きいと考え、産婦人科の道に進みました。産婦人科はお産に伴う帝王切開などの手術も多いので、外科的な要素も多く、たくさんのことを学びました。

開業まではどのような経験を積まれたのでしょう?

防衛医科大学校を卒業し、防衛医科大学校病院や各地の自衛隊病院で、産婦人科の医師として長年勤務しました。自衛隊病院では産科診療や婦人科、特に女性隊員の月経関連の悩みに寄り添う傍ら、自衛官全般の健康管理も行っていました。そんな中、自衛隊札幌病院で勤務していた頃に結婚・出産し、札幌に定住することに。開業前に勤めていた斗南病院では、不妊治療と女性医学に力を入れて診療をしてきました。医師の世界は体力勝負で、自衛隊の時は体力検定もあったんですよ(笑)。長年の臨床経験の中ではたくさんの患者さんと出会い、中にはわざわざ遠い所から私の診察を受けに通ってくださる方や、赤ちゃんのお写真と一緒に近況を知らせるお手紙を送ってくださる方もいます。そうした一つ一つの出会いが、私にとっては大きな喜びとなっています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

池田詩子院長 宮の森レディースクリニック6

婦人科に関わるお悩みは多種多様です。患者さんが今抱えているお悩みが、当院に来ることで少しでも解決できるように全力を尽くします。皆さん一人ひとり、ご事情を抱えていらっしゃる中で、皆さんに平等に接したいという想いで、開業したクリニックです。ぜひ婦人科受診にハードルを感じることなく、お気軽にご相談いただければと思います。私自身は、「生きているうちにやりたいことをやろう!」と決心して当院を開業し、70歳までは頑張りたいと思っています。患者さんには「来て良かった」「また来たい」と思っていただけるとうれしいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

■性感染症検査A(クラミジア、淋菌、腟トリコモナス、マイコプラズマ・ジェニタリウムPCR検査)/8000円
■性感染症検査B(梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIV)/5500円
■緊急避妊(レボノルゲストレル)/7700円
■性交障害カウンセリング(初回30分)/5000円
■性交障害カウンセリング(2回目以降15分毎、初回30分を超えて15分ごと )/2500円

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