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渡邊 匡能 院長の独自取材記事

わたなべ整形外科クリニック

(北九州市八幡西区/西黒崎駅)

最終更新日:2023/10/18

渡邊匡能院長 わたなべ整形外科クリニック main

JR鹿児島本線・黒崎駅から車で約5分の場所に位置する「わたなべ整形外科クリニック」。新小文字病院をはじめ地域の中核的な病院で経験を積んだ渡邊匡能院長が、2022年10月に開業したクリニックだ。麻酔科の医師としても経験豊かな渡邊院長。通常の整形外科の治療に加えて、薬物療法や神経ブロック療法も得意としており、地域の人が抱えるさまざま痛みを早期に改善できるよう努めている。リハビリテーションにも力を入れており、こまやかなコミュニケーションを心がけながら、患者やその家族と同じ目標に向かって治療を進めているそう。「丁寧な診察と症状に応じた多様な治療法で、長年痛みを抱えている人の力になりたい」と語る渡邊院長に、クリニックの診療方針や力を入れている治療など話を聞いた。

(取材日2023年10月4日)

寄り添った診療で痛みを取り除きたいと、開業を決意

これまでのご経歴と、整形外科医をめざされたきっかけをお聞かせください。

渡邊匡能院長 わたなべ整形外科クリニック1

新小文字病院で初期臨床研修を終えた後、沖縄の浦添総合病院で2年間麻酔科に勤務しました。その後再び新小文字病院に戻り、それからは佐賀の新武雄病院で働いたりもしながら、整形外科医として幅広く経験を積みました。人工関節の手術や肩や膝の関節の内視鏡など、主に手術を担当していました。整形外科医をめざしたきっかけは、もともと外科系に興味があり、手術を得意とする浦添総合病院での勤務経験と、新小文字病院で恩師となる佐藤先生との出会いが大きいですかね。私自身、中学・高校はバスケットボール、大学はボートと長年スポーツに取り組んできたため、スポーツと関わりが深い分野に惹かれていた部分もあると思います。

開業を決めた理由を教えてください。また、北九州を選ばれたのはなぜでしょうか?

地域の中核病院での仕事は充実感がありましたが、どうしても手術中心の診療になるため、手術を必要としない、あるいは望まない患者さんに対するケアが不十分になってしまうという側面もありました。整形外科医として、そういった患者さんにもきめ細かな治療を行い、痛みや不安を取り除いてあげたいという思いが強まり、患者さんに寄り添えるクリニックの開業を決めました。これまで新小文字病院で長く勤務してきたため、開業するならば場所は北九州にしようと思っていました。ここ黒崎という土地は北九州の中でも人口が増えている地域で、交通の利便性もいいことから、より多くの患者さんを受け入れられると考えて決めました。

クリニックにはどのような患者さんがいらっしゃいますか?

渡邊匡能院長 わたなべ整形外科クリニック2

体や関節の痛みや痺れ、骨折、スポーツ障害など整形外科全般のさまざまな症状に対応していて、北九州や周辺地域に住んでいる方を中心に小学生から高齢の方まで幅広い世代を診療しています。患者さんの年齢や健康状態によって主訴は異なるものの、特に肩凝りや腰痛で悩んでいる方が多い印象です。加齢によるものというよりも、普段の姿勢や長時間のデスクワークが原因となっているパターンが大部分を占めています。肩凝りや頭痛は、初めは軽い痛みでも放置すると頭痛や吐き気、手足のしびれを引き起こす可能性もあるため、痛みの改善だけでなく、リハビリテーションを通して姿勢や生活習慣の改善を図り、痛みの予防に努めています。

さまざまなアプローチ方法で、症状の早期改善をめざす

クリニックの特徴について教えてください。

渡邊匡能院長 わたなべ整形外科クリニック3

まずは、麻酔科標榜医として専門的な治療ができることです。薬物療法や神経ブロック療法をはじめとした治療を通して、頭痛や肩・首の痛み、変形性腰椎症、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなどの痛みの改善をめざしています。そして近年、整形外科の領域で普及が進んでいるのがエコー(超音波検査装置)。当院でも取り入れ、日々の診療に役立てています。エコーを使うことで動的に評価ができるので、実際に関節の動きや患部の血流の具合を確認しながら即時的な診断を行うことができます。また、そのまま痛みのある箇所に注射を行うことも可能です。整形外科というと、エックス線やMRIで撮影を行うイメージがありますが、患者さんの中には放射線被ばくや費用面で不安を感じる方もいるため、エコーであればそうした負担を減らすことにもつながります。患者さんが、整形外科を今以上に気軽に受診できるようになればうれしいですね。

運動器リハビリテーションにも力を入れているそうですね。

医師と理学療法士や作業療法士が治療方針を共有するのはもちろん、患者さんやご家族とも同じゴールをめざしながら一緒にリハビリテーションを進めていくことを大切にしています。当院のスタッフは私の診療方針をよく理解してくれていて、患者さんにも積極的に声をかけてくれるため、とても心強い存在です。先ほどエコーについてお話ししましたが、医師とリハビリテーション科がエコーを通じてコミュニケーションを取るというスタイルが今、整形外科でスタンダードになりつつあり、その形を取り入れるため定期的に勉強会を開いています。そういった勉強の場にも、皆意欲的に参加してくれています。エコーによって患部の状態を患者さんにもリアルタイムで見てもらえるので、リハビリテーションに対するモチベーションにもなるのではと期待しています。

この他にも、力を入れている治療があれば教えてください。

渡邊匡能院長 わたなべ整形外科クリニック4

骨粗しょう症の予防と治療ですね。地域柄、高齢の患者さんの割合が高く、骨折でつらい思いをされている方もいらっしゃいます。1度骨折されている場合には、2度目の骨折を防ぐためにもしっかりと薬物治療で介入し、必要に応じて運動療法も取り入れながら治療にあたっています。特に女性に関しては、気になることがあれば問診票に記入してもらっていますし、診療内容によっては骨密度の検査を勧めることも。骨粗しょう症による骨折は、QOLを低下させるだけでなく、介護が必要な寝たきりの状態になってしまうリスクもあります。そのため、女性であれば閉経後は定期的に検査を受けて、骨折を予防してほしいと思います。引き続き、かかりつけ医ならではの働きかけを続けていきたいと思います。

「年だから」と我慢せず、どんな痛みも相談してほしい

日々の診療において、大切にしていることはありますか?

渡邊匡能院長 わたなべ整形外科クリニック5

高齢の患者さんが多いため、症状や痛みの原因を説明する際には専門用語をかみ砕いてお伝えするなど、なるべくわかりやすい説明を心がけています。患者さんとのコミュニケーションも大切にしていて、スタッフとも協力してこまめに声をかけながら、変わったことがないかを確認するようにしています。患者さんが痛みや不安を抱え込まず、なんでも相談できる雰囲気が理想です。また、診療を続ける上で、患者さんだけでなくスタッフが働きやすい環境も大切だと考えています。意見や感じたことを気兼ねなく話し合い、スタッフ全員が楽しく笑顔で働ける、そんな風通しの良い職場をめざしています。

これから来てもらいたい患者層などあれば教えてください。

慢性的な肩凝りや腰痛で悩んでいる方は、ぜひ1度当院に相談してもらいたいですね。また、いわゆる四十肩・五十肩といわれる肩関節周囲炎の方で、難治性で酷い拘縮が残ってしまった場合には、サイレントマニピュレーションという方法もあります。従来は入院や全身麻酔が伴う手術が必要でしたが、今は首からの末梢神経ブロックを行って外来での施術が可能になっています。長年酷い痛みに悩まされている方も多いと思いますので、1人でも多くの方に治療を知ってもらい、治療につなげられたらと思います。

今後の展望と、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

渡邊匡能院長 わたなべ整形外科クリニック6

開業して1年になりますが、患者さんから「ここができて良かった」と言ってもらえることも増え、開業した意味を強く感じています。体に痛みがあるにもかかわらず、これまで他の病院を受診しても異常がないと言われたり、「年だからしょうがない」と痛みを我慢している患者さんはまだまだたくさんいると思います。当院を受診していただいた場合には、できる限りその日のうちに注射やリハビリテーションを行って少しでも痛みの緩和を図り、快適な生活を送るための力になりたいと考えています。もしも痛みで困っている方がいましたら、いつでもご相談ください。

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