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心臓や血管の病気の予防には
家庭での血圧測定と適切な管理が重要

杉浦内科クリニック

(豊田市/梅坪駅)

最終更新日:2023/01/17

杉浦内科クリニック 心臓や血管の病気の予防には 家庭での血圧測定と適切な管理が重要 杉浦内科クリニック 心臓や血管の病気の予防には 家庭での血圧測定と適切な管理が重要
  • 保険診療

加齢とともに上昇していく血圧。血圧が高い状態が持続すると血管や心臓に過剰な圧力がかかって動脈硬化や心負荷の原因となり、血管や心臓の病気を進行させることになる。しかし、健康診断などで高血圧を指摘されても自覚症状がないため放置してしまう人が多いのではないだろうか。症状がなくとも、高血圧を放置すると心筋梗塞や脳卒中、大動脈解離といった脳や心血管の重篤な病気を突然発症することがあり注意が必要だ。こうした脳心血管病を予防するためにも「健康診断などで血圧が高いと言われたら、心臓と血管に関わる病気を診療する循環器内科を受診してほしい」と「杉浦内科クリニック」の杉浦知範院長は話す。大学病院を退職した後、研究員となって現在も研究を続けている杉浦院長に、高血圧にまつわる病気やその原因、治療などについて聞いた。

(取材日2022年11月14日)

家庭でも血圧を測定し、普段の自分の血圧を知ることが大切。重篤な病気を発症する前に循環器内科で予防を

Q循環器内科とはどういった診療科になりますか。
A
杉浦内科クリニック 循環器内科について説明する杉浦院長

▲循環器内科について説明する杉浦院長

私たちの体内では心臓と血管の働きによってすみずみまで血液が循環しています。このポンプである心臓と全身の血管を診療するのが循環器内科です。対象となる疾患は高血圧や脂質異常症、糖尿病などといった生活習慣病、心筋梗塞や心不全、心臓弁膜症、不整脈などの心臓病、大動脈や中小血管の病気、肺血管や静脈の病気など、心臓と血管を軸として全身を診療します。これらの多くは、大きな病気の発症を予防する段階、心筋梗塞や心不全など病気を発症してしまった段階「急性期」、発症後から再発しないように管理していく段階「慢性期」、という時間軸で分類されます。つまり循環器内科では長期間にわたって病気の予防、治療、管理を行います。

Q病気を察知するにはどういったことに注意したら良いですか。
A
杉浦内科クリニック 心電図検査を受けることも重要

▲心電図検査を受けることも重要

胸や背中の痛み、動いた時の息切れ、手足のむくみや冷感などの症状があれば早期に循環器内科への受診をお勧めします。症状がなくとも注意が必要な検査の項目が多数ありますが最も簡便なものは血圧と心電図ですね。血圧と心電図は採血と異なり侵襲なく測定することができます。ただし、血圧値は測る度に異なり、特に健診時などでは上昇しやすいため普段の値がどの程度か知っておくことが重要です。血圧値は病気を発症する危険度の目安となるので、家庭でも血圧を測定するよう、なるべく一家に1台血圧計を備えていただくように説明しております。高血圧や心電図の異常は心血管病を反映している可能性がありますので循環器内科受診をお勧めします。

Q高血圧を原因として発症する病気はどんなものがありますか。
A
杉浦内科クリニック 心臓超音波検査で評価できる

▲心臓超音波検査で評価できる

脳卒中、心不全、心筋梗塞、大動脈疾患、手足の血行障害、腎臓病、目の血行障害などが挙げられます。高血圧では全身の大小さまざまな血管に負担がかかり動脈硬化を来します。動脈硬化が進行すると血管の内腔が狭くなったり、血管径が大きくなったりします。冠動脈という心臓の血管が狭くなると狭心症に、足の血管の血行障害では閉塞性動脈硬化症となります。一方、動脈が大きく拡大すると大動脈瘤や解離を生ずることもあります。また心臓に負荷がかかる状態では不整脈や心不全を発症しやすくなります。このように高血圧は大切な臓器を障害し、さまざまな病気の原因となるのです。適宜、超音波診断装置を用いて心臓や動脈硬化の評価を行います。

Q高血圧の原因はどんなことにありますか。
A
杉浦内科クリニック 高血圧の原因はさまざま

▲高血圧の原因はさまざま

高血圧の方はやはり塩分摂取が多いですね。日本人の食塩摂取量は一日あたりおよそ10~11gであり、高血圧者の食塩摂取量目標は6g未満とされていますが、高血圧となっても減少していません。ちまたにあふれるインスタント食品や保存食などは食塩含有量がとても高く、現代社会で食塩摂取量を減らすことはとても難しいと思います。また、運動不足や肥満、喫煙、過度の飲酒も高血圧の原因となります。こうした生活環境、生活習慣の是正は、個人では限界があるため、社会全体で取り組む必要があります。このほか、ホルモン分泌や血管の異常、服用中の薬剤、遺伝素因も高血圧の原因となりますので循環器内科で確認してもらうとよいでしょう。

Qどういった治療をしていくのでしょうか。
A
杉浦内科クリニック 丁寧な説明を心がけている

▲丁寧な説明を心がけている

まず、減塩を含めた生活習慣を見直してもらいつつ、家庭で血圧を測定していただきます。一方、早期に血圧を下げないと危険性が高いと判断した場合には降圧薬による治療を開始します。平行して全身を評価し、心臓や脳血管などの病気が進行していないか評価します。薬を開始してもすぐには目標値まで降圧しませんので時間をかけて薬剤を調整します。中には「症状もないのにどうして薬を一生飲まなくてはいけないのか」とおっしゃる方も多数いらっしゃいます。治療をお勧めしても薬を服用したくないために来院されなくなる方もいらっしゃいますので、治療の目的と必要性をじっくりと説明し、納得された上で高血圧治療を行うよう努めています。

ドクターからのメッセージ

杉浦 知範院長

「循環器」は臓器の呼称ではないためわかりにくいですが心臓と全身の血管を示します。循環器内科は心不全や心筋梗塞、不整脈のような心臓の病気、動脈硬化など全身の血管に関連する病気を診療する科です。胸や背中が痛い、苦しい、ドキドキする、違和感があるなどの症状、手足がむくむ、冷たい、歩くと足が痛いなどといった症状があれば心臓や血管の病気の可能性がありますので循環器内科にご相談ください。大学病院での診療および研究経験から、当院では循環器疾患の中でもとりわけ高血圧や動脈硬化性疾患の治療管理に注力しています。健康診断などで血圧、心電図の異常や動脈硬化のご指摘があれば検査結果をご持参の上ご受診ください。

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