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畑中 雅喜 院長の独自取材記事

はたなかクリニック

(堺市西区/富木駅)

最終更新日:2024/05/07

畑中雅喜院長 はたなかクリニック main

堺市にある「はたなかクリニック」は、基幹病院の腎臓内科で研鑽を積んだ畑中雅喜院長が開業したクリニック。内科・腎臓内科を標榜し、一般的な内科疾患はもちろん、新たな国民病とされる慢性腎臓病などの腎臓疾患や生活習慣病の治療に注力しているのが特徴だ。畑中院長は「腎臓疾患は腎臓だけでなく、生活習慣病などの全身疾患とも深く関連しています。悪化を防ぐには体全体を診ていくことが大切なんです」と穏やかに話す。開業前には腎臓病末期の患者も数多く担当し、早期の医療介入の重要性を感じたという畑中院長。そんな院長がめざす医療について話を聞いた。

(取材日2023年12月2日)

腎臓疾患の早期発見・早期治療をめざして開業

開業までの経緯を聞かせてください。

畑中雅喜院長 はたなかクリニック1

大阪大学医学部を卒業後、研修医として大阪南医療センターに着任したのが約20年前のことです。最初から腎臓に興味があったわけではないのですが、最初に師事した腎臓内科の先生があまりにも優秀で格好良く、その背中を追いかけたい一心で腎臓内科を選択したことが今につながっています。また、腎臓は臓器の一つですが全身のさまざまな疾患と関連が深く、腎臓を診るということは全身を診るということだと感じました。もともと全身をしっかり診られる医師になりたいと思っていた自分にはぴったりだと考え、その後は主に大阪南部の病院に勤務し研鑽を積んできました。そんな中、「もう少し早くに医療介入できていたら」と感じる腎臓病の患者さんがとても多いと痛感することが増えていきました。そこで、地域の開業医として腎臓疾患の早期発見・早期治療に取り組んでみようと考え、開業を決意しました。

腎臓内科とは具体的にどのような病気を診る診療科なのですか?

腎臓内科では慢性腎臓病をはじめ、腎臓が正常に働かなくなった際に起こる病気全般を扱います。腎臓は左右合わせて300g程度の比較的小さな臓器ではありますが、体中を巡ってきた血液から不要物を取り除き、きれいな血液と不要物に分け、不要物を尿として体外へ排出させる働きを持っています。同時に血圧や水分、ミネラルの調整などの役割も果たしています。そのため、腎臓がうまく働かなくなれば体全体のバランスが崩れ、進行すれば透析治療が必要になることも。そうならないようにするのが腎臓内科です。腎臓そのものにアプローチするのはもちろんですが、高血圧やむくみ、骨ミネラルの代謝異常、貧血や脂質異常、糖尿病など、腎臓病の悪化に関係する病気も腎臓内科の守備範囲といえます。

どのような患者さんが来院されていますか?

畑中雅喜院長 はたなかクリニック2

基本は普通の内科と同じです。頭痛や腹痛、風邪の症状での受診はもちろん、市の特定健診などの各種検診やワクチンの接種も受けつけています。発熱症状に対応する外来もありますので、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の検査・治療にも対応しています。年齢層は、高齢の方から働き盛りの方までさまざまで、時間帯によっても違いますね。もちろん、生活習慣病の相談や管理にいらしている方もとても多いです。加えて、私は日本内科学会総合内科専門医の資格もありますが、日本腎臓学会腎臓専門医でもありますので、腎臓内科の患者さんも多数いらっしゃいます。「こんな症状はどこに相談すればいいのだろう」と悩んでいることがあれば、まずは受診していただきたいと思っています。必要に応じて適切な医療機関に紹介することもできますので、気軽にご相談ください。

温かな信頼関係で、患者を健康へと導きたい

診療方針について教えてください。

畑中雅喜院長 はたなかクリニック3

地域のクリニックですから、まずは気軽に来ていただけることが大切だと考えています。大きな病院のような検査はできませんが、その代わりに身近な医療が提供できるのがクリニックの強み。「大きな病院を受診するのはちょっと」と思うような些細なことも気軽に相談していただけるよう、患者さんの社会的背景や生活習慣にも注目して診療を行います。また検診で異常があって受診していただいた場合には、見逃されがちな腎臓の機能についても注目しながらアドバイスを行います。特に血清クレアチニンや腎臓の機能を評価する推算糸球体濾過量(eGFR)、尿蛋白など、検査の数値を腎臓の専門家として丁寧に精査し、説明を行って理解を促し、必要に応じて専門家へとつなぐようにしています。

患者さんと接する際に心がけていることは何ですか?

強い言葉をできるだけ使わないようにしていますね。特に生活習慣病など、長期の受診が必要な患者さんの場合は、私の基準だけで裁かないことが大切だと思っています。なぜなら、強い言葉や否定は誰かを傷つけることはあっても良い方向へ導くことはできないからです。生活習慣病や腎臓病には初期症状がほとんどありません。異常値があったとしても、痛くもつらくもないのに受診しているわけですから、それだけですごいと思うんです。まず受診した時点で、放置している人よりも健康に近づいているわけです。それなのに、ガミガミ否定されたら嫌な気持ちになるはず。童話にもありますが、私は冷たい風を吹きつけ力づくで意に沿わせようとする北風ではなく、太陽のような温かさで患者さんを健康へと道案内したいと思います。

患者さんとの温かな関係づくりを大切にされているのですね。

畑中雅喜院長 はたなかクリニック4

腎臓病や生活習慣病がわかったら、最初に必要なのは生活習慣の改善です。病気を悪化させないためには、これまでなにげなくしていた食事や運動習慣を変えなくてはいけません。しかし、習慣を変えるのは想像以上に大変なことです。1日なら我慢できることでも、1週間、1ヵ月と我慢し続けるのは誰だって難しい。ですから、まずはできることから変える。そのために意識を変えることが重要なんです。意識を変えるのは誰か。それは患者さん自身で、私たちにできることはきっかけを与えることだけ。だからこそ、患者さんには私たちが発信するきっかけを受け取ってもらいたい、そうできるような関係をつくりたいと考えて接しています。

自覚症状がないうちに受診を

医師としてのやりがいや喜びを感じるのはどんな時ですか?

畑中雅喜院長 はたなかクリニック5

「あの時、受診して良かった」と思ってもらえた時ですね。検査値に異常が見つかって、家族に無理矢理連れてこられた患者さんでも、受診したことで自分の体の現状がしっかりと把握でき、生活習慣を改善して透析を免れることが望めるケースはたくさんあるのです。そんな時、患者さんが話してくれる「本当に良かった」は、心からの言葉だと思います。医師である以上は誰かの健康の役に立ちたいと思っていますから、そう実感できる瞬間はやはりうれしいものです。また、病気になって諦めていた人が、現実に向き合って変わっていく様子を見るのも、医師にとって大きなやりがいとなります。ほんの小さな変化でも、変われば寿命に影響があるかもしれない。患者さんと心のつながりを感じれた時が、医師としてもっと頑張ろうとあらためて思う瞬間です。

クリニックのロゴである太陽のような、患者さんとの温かな関係が伝わってきます。

ロゴマークの太陽は、私の息子たちが描いた太陽のイラストをもとにしてデザイナーさんに作ってもらったものです。2つの太陽は私たちと患者さん。優しく温かに、お互いを照らし合えるような関係をつくっていきたいという私の願いが込められています。クリニックですから出会いは医師と患者になりますが、どちらが偉いというものではありません。言葉を交わしながら、患者さんがめざす「健康」へと併走できればと思っています。幸い、当院には温かなスタッフが集まってくれました。看護師はもちろん栄養相談を担当する管理栄養士もスタッフも相手の立場に立って考えることが自然にできる人たちです。治療のためにはもちろんですが、私たちに会いに行こう、ちょっと話でも聞いてみようと気軽な気持ちで来ていただければ何よりです。

最後に読者へメッセージをお願いします。

畑中雅喜院長 はたなかクリニック6

検診で異常値が出ても、自覚症状がなければ受診を面倒に感じるのは当然だと思います。でも、逆に考えれば自覚症状がない「今」がチャンスかもしれません。今後の人生で、手術や透析をしたいと考える人は少ないでしょう。しかし、異常値を放置していれば、そのリスクは必ず上昇します。少し面倒かもしれませんが、尿検査に異常が見つかった時やeGFRの数値が59以下の場合は、腎臓内科を受診してください。腎臓内科なら適切な治療を行わなければどうなるか、人工透析のことも詳しくお伝えできます。治療を自分のこととして捉えられるまで何度でも説明しますので、ためらわず一度ご来院いただければと思います。

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