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森山 純江 院長、吉川 玲欧 先生の独自取材記事

ローズタウン糖尿病内科

(前橋市/江木駅)

最終更新日:2022/04/18

森山純江院長、吉川玲欧先生 ローズタウン糖尿病内科 main

「ローズタウン糖尿病内科」は、森山純江院長の故郷である前橋市で、糖尿病とリウマチの専門クリニックとして誕生した。上武道路沿いに位置する複合商業施設「ローズタウン」の一角にあり、駐車場は400台と便利な立地だ。純江院長は夫である吉川玲欧先生と二人三脚で、地域住民を中心に生活習慣病などに悩む患者の診療にあたる。二人とも医療とは別の分野を学んだ経歴があり、知見が広くとても謙虚な姿勢だ。さまざまな症状を抱える患者に対して常に誠実に向き合うよう努める二人に、地域医療への思いや、糖尿病・リウマチ専門の医師としての向き合い方について語ってもらった。

(取材日2021年11月22日)

地域に身近なクリニックで専門家として役に立ちたい

お二人とも大学卒業後に医学部に入り直したご経歴があるそうですね。

森山純江院長、吉川玲欧先生 ローズタウン糖尿病内科1

【玲欧先生】私はIT系から医学へ進みましたが、もともと生物学やロボット工学などに興味があり、そちらに進学しました。当時は人の命を預かる職業はまだ荷が重かったんです。学ぶうちに工学ではなく医学からのアプローチに興味を持ち、一念発起して勉強し直しました。
【純江院長】私が4歳の時に父が脳出血で倒れ、その後病気も患い8歳の時に亡くなりました。医師や看護師の存在が身近にあったことで憧れ、大学進学時は医学以外にも視野を広げたいと思い、別の分野に進みました。大学では医療を専門とした建築の研究室に入ったのですが、病院の見学をしているうちに、やはり医学の道に興味を持ち医師を志しました。私たちは医師になる前に挫折をしたりさまざまな経験を積んだりしてきた分、常に患者さんや他の世界の方から広く学ぼうという気持ちでいます。

この地域に専門医院を開院した理由を教えてください。

【純江院長】内科の中でも特に糖尿病を専門としたのは、糖尿病が生活習慣病の核であり、若い方の患者も増えていること、一生を通して管理していくのが大切な病気だからです。さまざまな病院に勤務してきて、病院だけでなく身近なクリニックでも専門的な診療が求められていると感じていました。地域の皆さんの役に立ちたいと、故郷であるこの場所を選びました。

商業施設内にクリニックを開設した理由はありますか?

森山純江院長、吉川玲欧先生 ローズタウン糖尿病内科2

【純江院長】生活習慣病に運動は欠かせない要素なので、そのためにもスポーツジムのあるモールを探していて、折にふれ物件情報を見る中で、運命的に出会えました。買い物ついでに寄っていただけますしね。医学部に入る前は病院の建築を学んでいたので、患者さんがくつろげるような空間をめざしました。天井が高くて開放感ある院内は、アンティーク風の木目の壁紙で医療機関っぽさをなくし、ブルックリンスタイルのカフェのような空間をイメージしました。

診療体制について教えてください。

【玲欧先生】二診体制です。純江院長は常勤で、私は他の病院と兼務のため週の半分ほど勤務しています。糖尿病の患者さんはもちろん、私たち2人とも勤務医時代は総合内科として外来で対応していましたし、内科系の疾患はどのような症状でも対応します。もちろん必要があれば大規模病院へのご紹介をしています。

それぞれの患者のライフスタイルに寄り添う治療を提供

主な患者層を教えてください。

森山純江院長、吉川玲欧先生 ローズタウン糖尿病内科3

【純江院長】開院前には高齢の方が中心かなと予想していましたが、実際は若い方も多く、年齢層は幅広いですね。小さなお子さんで1型糖尿病の方、20〜40代で妊娠糖尿病の方、職場の健康診断で血糖が高めという異常が見つかって来たという30代の方もいますし、90代の方もいます。また、事情があって糖尿病の治療を中断していた方が、勇気を出して来てくださることも多く、「ここなら通えそうだ」と喜んでくださったときは、開院して本当に良かったなと感じました。

生活習慣病は具体的にどのように指導されているんですか?

【純江院長】生活習慣の改善のために、まず細かく患者さんにお伺いします。誰と何人で暮らし、どんな仕事で朝は何時に起き、毎日食事は何回、何時頃取っていて、誰が作るのか……。金銭面など経済状況も率直にお伺いしています。検査や投薬が経済的に厳しくて治療の継続を断念してしまう人もいて、放置して合併症を悪化させてしまうこともよくあるからです。その人ごとに合った生活や治療を考えていくことが大切なんです。

患者さん一人ひとりに寄り添う治療を大切にされているんですね。

森山純江院長、吉川玲欧先生 ローズタウン糖尿病内科4

【純江院長】これが健康的だからと食事や運動の指導を型にはめるだけではいけないと思っています。患者さんによっては、食事は1日2回しか取れなかったり、昼夜逆転をしたりしていることもあります。誰もが健康に良いものだけを食べられるわけではないし、嗜好品など生活の楽しみもありますよね。患者さんの生活スタイルをお伺いして、それを尊重しながらできることを探していきます。患者さんと同じ目線で考えていきたいですね。
【玲欧先生】また、患者さんが不安にならないように、当たり前のことですが、今後の見通しや検査については毎回しっかり説明するように努めています。

治療を途中でやめると糖尿病は悪化しますか?

【玲欧先生】神経障害、網膜症、腎症が糖尿病の3大合併症ですが、悪化して視力低下や失神の症状が出たり、透析が必要な状態になったりしてから来られる方もいます。合併症をいかに進行させないかが私たちの役目ですし、合併症の検査もすべて行えるので、少しでも気になればお越しいただきたいですね。
【純江院長】どの患者さんにどのお薬を処方し、どのくらいの期間で来院いただくかを管理しているので、通院が途絶えてしまった人にはお電話をして状況を伺っています。体調が心配なのはもちろん、通院を一度やめると再開しにくいという方も結構いらっしゃるので、ぜひまたどうぞとお伝えしたいんです。治療をやめて悪化してしまう人の中には、最初だけ頑張ったけど続かなかった、いつも医師に怒られて治療がつらくなった、などのケースも多いので……。

通院のしやすさをめざし費用や待ち時間の負担を軽減

こちらでは糖尿病だけでなくリウマチも専門的に診ているのだとか。

森山純江院長、吉川玲欧先生 ローズタウン糖尿病内科5

【純江院長】関節が痛み、リウマチを心配する方などもいますが、リウマチも骨の変形が進む前に早期の治療が肝心です。また、リウマチは治療による合併症の管理も重要な病気で、免疫抑制をするので感染症の他、ステロイドも使用する場合は、糖尿病、高血圧、脂質異常や骨粗しょう症などにも注意してあわせて治療していくことが必要です。当院では糖尿病とリウマチ両方を専門とし同時に診られるので、患者さんの負担も少なく済むと思っています。

開院の際、院内処方にすることもこだわられたと聞きました。

【玲欧先生】患者さんの費用面や、クリニックと処方箋薬局の両方での待ち時間の負担が軽減できます。院内での薬の管理や事務方の手間などこちらの利益面では厳しいのですが、患者さんの負担が少しでも減り、通院しやすくなることのほうが大切だと考えています。

お二人ともお忙しい日々だと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?

森山純江院長、吉川玲欧先生 ローズタウン糖尿病内科6

【玲欧先生】私はスポーツ観戦が趣味なので、本当は地元や東京のサッカーチームやバスケットボールリーグの試合を観に行きたいのですが、最近はスポーツはネット観戦が主で、子どもたちと近くの公園に行ったり、車で遠出したりして過ごすことが多いです。
【純江院長】ピアノや長年憧れて社会人になって挑戦したバイオリン、オーボエなど楽器の演奏をしています。前の病院ではアンサンブルを結成して年に数回の院内コンサートを行っていました。当クリニックでも、ローズタウンアンサンブルでコンサートをすることが夢です。休日は趣味や家族と過ごすことも大切だと思います。ストレスをためず人生を充実させることが、生活習慣病の予防にもなり、自らで実践したいと思っています。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

【純江院長】今後は訪問診療にも力を入れて、長くこの地域に貢献していきたいですね。隣のスポーツジムと連携して運動療法を行ったり現在借りている施設の残り半分がまだ手つかずなので、カフェなど食事指導ができる場所も作れたらと夢が広がっています。それに向けて料理の勉強もしていますよ。一生にわたって患者さんに寄り添いながら、通院することで体だけでなく心も健康になっていただけるよう、今後も治療を提供していきたいと思っています。また、高齢者がより充実した毎日を過ごせるためのデーサービスの展開などもやっていきたいです。

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