金山正嗣院長の独自取材記事

金山デンタルクリニック

(岡山市北区／北長瀬駅)

最終更新日：2023/08/02

JR山陽本線北長瀬駅から徒歩15分。カフェや雑貨店が集まる人気スポットの問屋町からもほど近い場所に、2020年に開業した「金山デンタルクリニック」。同院の金山正嗣（まさつぐ）院長は、勤務医時代から常に向上心を持って新しい技術の習得に取り組んできた熱心な歯科医師である。小児から高齢者まで、さまざまな歯のトラブルに対応している同院だが、特に注力しているのはインプラントや審美面に配慮した治療。診療環境にもこだわり、歯科が苦手な患者でもリラックスして受診できるよう院内環境を整えているが、院長のその穏やかな話しぶりが何よりも患者を安心させてくれそうだ。事前のカウンセリングに重きを置き、患者が決意を固めるまで「待つことも大切」だと語る金山院長に、同院の診療スタイルなど詳しく話を聞いた。

（取材日2023年6月15日）

落ち着いたサロンのような空間で、難症例にも対応
カウンセリングを重視し、納得するまで患者に寄り添う
デジタル機器を活用し、患者の理想とする形をめざす

落ち着いたサロンのような空間で、難症例にも対応

開業にあたり、この地を選んだのはなぜですか。

この辺りは私の地元で、通っていた小学校もすぐそばにあるんです。大学卒業後は大阪で勤務していたので、当初は大阪市内で候補地を探していたんですが、なかなか良い場所が見つからなくて。そんな時に偶然巡り合ったのがこの土地だったんです。開業にあたっては、治療にベストを尽くせるよう快適な診療環境を作らねばならないと考えていましたが、こちらは人が多く集まる問屋町が近くにありながら、落ち着いた静かなエリアで、診療に十分な広さもありました。何より、自分が生まれ育った場所で培ってきた技術を生かすチャンスができたことがうれしかったですね。

モダンな造りで、まるでサロンのような雰囲気です。

意識したのは、患者さんはもちろん、スタッフや出入りしている業者の方まで、皆さんにリラックスしていただけるような「歯科らしくない」クリニックを作ることでした。ゆったりとした気持ちで治療を受けていただけるように診察室はすべて完全個室とし、プライバシーに配慮しつつ日差しの入る明るい空間にしました。「気軽に受診できるけれど、ちょっとおしゃれをして行きたくなる」、そんな気分がちょっと上向きになる空間をめざしました。歯に関するポスターなどを院内に貼っていないのもそのためで、必要な情報があれば直接スタッフからお伝えするようにし、患者さんの緊張感を高めるような掲示はしないようしているんです。

どのような患者さんがいらっしゃいますか。

30代から50代を中心にお子さまから高齢の方まで幅広い世代の方にお越しいただいています。最近ではご家族やご友人、職場の方など、当院で治療を受けてくださった患者さんからのご紹介でいらっしゃったという方が増えていて、ありがたく思っています。来院の目的はさまざまですが、審美面でのご相談は多いですね。過去に金属を使用して治療した箇所を金属以外の素材に変えたいとおっしゃられる方や、ホワイトニングや歯並びに関するご相談も多いです。また、最近特にみられるのは、他院で治療した箇所が再び痛みだしたとか、より良い治療法はないかといったご相談です。コンプレックスがある方やお悩みの深い方が、より難度の高い治療を求めておいでくださっている印象です。

カウンセリングを重視し、納得するまで患者に寄り添う

得意とする治療について教えてください。

当院のスタンスとして、歯にお悩みがある方が受診してくださったときに、「当院では対応できません」ということは極力なくしていきたいと思っているんです。そのために、これがすごく苦手といった分野がないように研鑽を積んでまいりました。設備面においても、私が培ってきたすべての技術を当院の患者さんに余すところなく還元できるように、先進の医療機器を備えた特別診察室を1室設け、難度の高い手術などはそちらで行うようにしています。当院ではさまざな症状に対応していますが、インプラントや審美歯科は私が勤務医時代から積極的に知識を吸収していった分野でもあり、ご相談をいただく機会も多いので、これからも力を入れていきたいですね。

カウンセリングを重視していらっしゃると聞きました。

はい。治療内容を適切に伝えるということは非常に難しいことだと思っているので、カウンセリングだけで60分から90分かけることもありますし、患者さんが悩まれていたりご不安な様子であったりすれば、1度に限らず何度でもカウンセリングを重ねます。大切なのは、スタート時点でしっかりと話し合い、患者さんの考えていらっしゃる理想の形を把握すること、そして治療計画に十分ご納得いただいた上で治療に入るということです。良い結果を出すためには、患者さんと心を1つにして治療に臨む、一緒に解決していくという姿勢が不可欠ですので、カウンセリングには重きを置き、十分な時間を確保するようにしています。

患者さんとの信頼関係を大切にしていらっしゃるのですね。

治療の中には、難しいもの、リスクのあるもの、費用や時間がかさむものもあります。もし、私が逆の立場でそうした治療を受けることになれば、やはり悩みますし、治療に対する怖さも感じると思うんですね。ですから、不安に思う患者さんの気持ちに寄り添い、歯科医師として一生面倒を見るという気持ちで対話を重ね、最終的には私を信頼してお任せいただけるように尽力しています。スタッフには「待つのも大切だよ」とよく言うんですが、悩んでいらっしゃる患者さんを急かすことなく、決意が固まるまでただ寄り添って待つということも、ときには大事な仕事の1つだと伝えています。

デジタル機器を活用し、患者の理想とする形をめざす

なぜ歯科医師になろうと思われたのですか。

中学生の時に家庭教師をしてくれていた方が医学部の学生さんだったんですね。その方が医学の面白さだったり治療のやりがいだったりを話してくれて、それがきっかけで自分も医療に携わりたいと思ったんです。歯学部に入学してからは、歯の形を細部までこだわって作るということが自分の性によく合っているということに気づき、学ぶことが楽しく、つらい勉強をしているという感覚はなかったですね。ただ、歯科医師になりたての頃に担当させていただいた患者さんが歯を失って泣いておられるのを見たときは、私にもっと技術があれば、もっと別の知識があればなんとかできたんじゃないかと悔しく思い、卒業して勤務医になってからも、国内だけでなく海外にも渡り、インプラントの治療を見学したり、論文研究にいそしむなどして自己研鑽に努めました。

診療にはデジタル機器を積極的に活用されているそうですね。

歯の詰め物やかぶせ物は、お付き合いの長い京都の歯科技工士さんに依頼して作ってもらっているのですが、昔は手紙でやりとりしていたので、例えば歯の丸みや、微妙なニュアンスの違いを説明するのは難しかったんですね。それがデジタル機器を使うようになってからは、パソコン上で口腔内の写真を共有しながら緻密な相談ができるようになりましたし、患者さんに対しても、歯科用CTや口腔内スキャナーなどの機器を使うことによって、治療に入る前にめざす治療後の歯の状態を360度、立体でお見せできるようになりました。そうすることで、患者さんにより安心していただけるだけでなく、患者さんのほうからも「ここはこうしてほしい」と積極的に意見を出しやすくなるのではないかと思っています。

クリニックの今後の展望についてお聞かせください。

新型コロナウイルス感染症流行下に開業したにもかかわらず、足を運んでくださった多くの方々に心から感謝しています。今後もその期待に応えられるよう、そして一人でも多くの方のお力になれるよう力を尽くしたいと思っています。「自分がしてもらってうれしいことは何だろう」と考えながら診療に取り組むことで、患者さんが思う100点満点の少し上ぐらいの結果をご提供できれば一番良いですね。また、実際に当院を受診する機会がなくても、地域にお住まいの方が「何か困ったことがあれば、あのクリニックに行けば大丈夫」と思っていただけるような存在となり、地域の方々の安心につながれば幸いです。