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椎名 昌美 院長の独自取材記事

しいな医院

(堺市堺区/堺東駅)

最終更新日:2023/08/18

椎名昌美院長 しいな医院 main

堺区永代町の住宅街にある「しいな医院」は、開業以来長らく地域医療に貢献しているクリニックだ。3人の医師によって守られてきた同院は、現院長である椎名昌美先生が婦人科としての機能を加え、2020年5月に全面リニューアルオープン。地域の人たちが気軽に相談できるかかりつけ医へと進化を遂げた。すべてを包み込んでくれるような明るい笑顔の椎名院長は、スポーツに励む女性たちの月経トラブルをはじめとする婦人科領域の相談や、リンパ浮腫も学んできた経験を生かし、つらい浮腫に悩む人々の相談にも積極的に取り組む、情熱あふれる女性。今回は、そんな椎名院長の医療への想いやこだわりなどについて、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2021年3月30日)

地域の女性たちの健康に、より深く関わりたい

とてもすてきな雰囲気のクリニックですね。

椎名昌美院長 しいな医院1

ありがとうございます。当院は祖父が開院して以来、父・先代院長とこれまでに3人の内科医師によって守られてきたクリニックで、長年にわたり地域の皆さんの健康維持に関与できていることをうれしく思います。私が継承するタイミングで婦人科としての診療もスタートし、それに合わせてクリニックを全面改装しました。メインのボーダーの壁紙をはじめ、部屋の用途に合わせて違う壁紙にするなど、それぞれの部屋の雰囲気づくりにはこだわったので、以前から知っている患者さんからは「別の病院に来たみたい」と言われることもあります。また院内の雰囲気が変わっても、長くお付き合いのある高齢の患者さんにもこれまでどおり安心して通院していただきたいと思い、手すりを設置するなどの工夫もしています。

先生が婦人科を志望したのはなぜですか?

私が医師になった頃は、女性医師が担当になると「男の先生が良かった」とがっかりされることも少なくありませんでした。そんな時代でしたから、専門を選ぶ時「女医が診ることで安心してもらえる診療科は何だろう?」と考えたのです。そこで真っ先に思い浮かんだのが婦人科だったため、専門に進むことを決めました。もちろん、これまでに「椎名医院」を守ってきてくれた3人の先生方の想いも引き継ぐつもりだったので、東洋医学などの内科分野も勉強してきました。ですから、これまでと変わらずに風邪や生活習慣病の日常管理についても気軽にご相談ください。それにプラスして、地域の女性たちの健康にもより深く関わっていきたいと考えています。

クリニックの特徴を教えてください。

椎名昌美院長 しいな医院2

内科と婦人科を標榜することで、婦人科に抵抗がある人でも足を運びやすいのではと思います。もしも待合室で偶然知り合いに会ったとしても、受診の目的まではわからないですからね。診察室に関しても、待合室に近い部屋とさらに奥の部屋の2つを用意していて、内科を受診した男性の患者さんがほとんど通ることのない動線も確保しています。婦人科は全年代の女性にとって必要な診療科ですが、年齢によっては受診のハードルが高いものです。人に知られたくないデリケートな話をすることもありますから、そういった気持ちに最大限寄り添っていきたいと思っています。婦人科の受診に抵抗がある方は、まずは当院のようなクリニックを受診していただくのも良いかもしれません。またご高齢の方の診察では、待合室から近い部屋を使うことで、移動の負担を少なくしています。

女性アスリートやリンパ浮腫に悩む人の力になりたい

若い年代は特に婦人科への抵抗感が強いものだと思います。

椎名昌美院長 しいな医院3

近年は初潮を迎える年齢が早く、月経に関して悩んでいる年代は非常に幅広いです。しかし受診となると、婦人科と聞くだけでハードルが上がってしまい、躊躇してしまう人も少なくないと思います。そうした女性たちの気持ちを長年にわたり感じてきたので、受診に抵抗感が強い人たちが気軽に受診できるクリニックをつくりたいとずっと考えていました。受診する際は構える必要はなく、むしろ「ちょっと話でも聞いてみよう」くらいの軽い気持ちで来てもらえればと思っています。内診に関しても、緊急性がなければ初診で行う必要はありません。まずは私にいろいろなことを話してくれたら、それだけでもスタートとしては十分なんですよ。

先生は女性アスリートたちの悩みの相談も受けているそうですね。

アスリートと聞くと、誰もが「健康」といったイメージを持っているかもしれませんが、激しいトレーニングを行っている女性アスリートの多くが、エネルギー不足からくる月経トラブルに悩んでいます。中でも無月経になっている人が非常に多い現状があります。しかし、試合や遠征などに月経期間がかぶることのほうが苦痛だという理由から、生理がない状態を放置していることがほとんどです。初潮を迎えた女性の体は、定期的に月経が起こる仕組みになっています。そのサイクルがうまくいっていないということは、体にとって本当は大問題。単なる月経トラブルだけでなく、けがや体調不良のもとになったり、不妊の原因になったりする可能性もあります。だからこそ放置せずに相談してもらいたいですし、受診をきっかけに女性アスリートを取り巻く環境を改善していけたらとも思っています。

リンパ浮腫の方への施術も行っていると聞きました。

椎名昌美院長 しいな医院4

リンパ浮腫とは、がんの治療部位に近い腕や足などの皮膚の下にリンパ液がたまり、むくんだ状態のことをいいます。治療後すぐに発症することがあれば、何十年も時間が経過してから生じることもあります。この症状は治りづらい上に進行するので、むくんだ関節が動かしづらくなって生活に影響が出てくることも。「命が助かったから仕方ない」と諦めている人もいるのですが、諦める必要はありません。当院では、リンパ浮腫に関する専門的な知識を持つ看護師がドレナージや弾性着衣の指導を行い、症状を軽減できるようサポートしているので、手術や治療をした周りの部分がむくんでいる・動かしにくいなどの症状があればぜひご相談ください。

希望、わがまま大歓迎。まずは何でも相談を

先生が診療する際、心がけていることはありますか?

椎名昌美院長 しいな医院5

患者さんの要望にできる限り寄り添うことです。いろいろな考え方はあるでしょうが、患者さんの体と想いはほかでもなく、ご本人のもの。細く長く生きたい人もいれば、短くても太く生きたい人もいます。それはご自身の人生であり、命のあり方。だから、医師の私が型にはめるようなことをしてはいけないと考えています。患者さんが選択できるように、選択肢や情報を丁寧に伝えることを怠ってはいけないですし、最後の決断は患者さんご自身にしていただき、その考えに最大限寄り添うことが大切なのです。それは大きな病気でも小さな病気でも同じことなので、患者さんの考えにふれるために、特に初診はじっくりとお話しする時間を取れるように心がけています。

先生がめざしているクリニック像は?

専門クリニックの王道じゃなくていいかなと思っています。恥ずかしさや気まずさ、わがままなど、いろんな感情を吐き出せる、ちょっと自由なクリニックでいいんです。「数値を下げなきゃいけないから制限しなきゃいけないのはわかってるけど、ちょっとつらい……」。そういう患者さんの気持ちを受け止めたいですし、「これだけは頑張りましょう」というやりとりをしながら、その人に合わせたペースで一緒に歩んでいくことが私の理想像です。だから「生理周期が乱れているけど、練習はやめたくない」「薬は使いたくない」など、何でもまずは言ってみてください。皆さんが想像している以上に、ゆるく受け止めます。

それでは最後に、地域の皆さんにメッセージをお願い致します。

椎名昌美院長 しいな医院6

開業から今日まで診療を続けられていることは、まぎれもなく地域の皆さんの支えがあったからこそです。これからも皆さんの体調管理のお役に立てればうれしいですし、婦人科医として日常生活で起きる女性特有のトラブル解決の窓口になっていきたいと考えています。治療に関する要望やわがまま、質問も大歓迎です。健康になることだけでなく、より暮らしやすく・より楽しい毎日にするために、体も心も整えていきましょう。私も皆さんの願いを少しでも実現できるよう、そして輝く毎日のお手伝いができるよう、これからも研鑽を続けて、気軽に相談できるかかりつけ医として成長していきたいと思います。

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