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清水 裕史 院長の独自取材記事

清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック

(名古屋市瑞穂区/総合リハビリセンター駅)

最終更新日:2023/06/20

清水裕史院長 清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック main

瑞穂区彌富町、閑静な住宅地の一角に「清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック」は立つ。平屋でベージュの落ち着いたたたずまいに、シマトネリコの緑が優しい雰囲気を醸し出している。糖尿病や甲状腺疾患はじめ一般内科を清水裕史(しみず・ひろし)院長が、皮膚科、美容皮膚科を妻の清水和栄副院長が担当。両科にわたる疾患を持つ患者も少なくなく、2人の医師が必要に応じて連携し診断、治療にあたることができるのが同院の強みの一つとなっている。生涯付き合う病気への不安を抱える患者に対し「限られた診療時間内ですが、できるだけお話を聞くように努めています」と思いやる清水院長。物静かな口調で丁寧にインタビューに答えてくれる姿に、普段の診療の様子が垣間見えた。

(取材日2023年5月26日)

専門性を生かし「糖尿病予備軍」の検査、診断にも注力

先生のご専門やご経歴について教えてください。

清水裕史院長 清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック1

私は長く、糖尿病や甲状腺疾患などホルモンの異常によって起こる内分泌疾患を専門としてきました。学生時代から患者さんの全身を診る医師になりたいと考えていて外科にするか悩みましたが、糖尿病は全身のいろいろな部位と関わってくる病気であることから専門に決め、その診療に力を入れていた春日井市民病院で研鑽しました。その後母校である名古屋大学医学部附属病院や中京病院、公立西知多総合病院などで勤務、大学院では脳と食欲の研究に勤しみ、アメリカ留学でも研究を続けました。帰国後は在宅診療所や健診業務にも携わり、予防からさまざまな病気の末期の方の診療やケアまで幅広く経験を積んだ次第です。それらの経験はすべて今の診療の糧となっています。

患者さんは糖尿病の方が多いのでしょうか?

「糖尿病」と院名に入っていますが、糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症それぞれの疾患を持つ方、すべてにあてはまる方、いろいろな方がいらっしゃいます。バセドウ病や橋本病といった甲状腺疾患は女性が多いですが男性もおられます。また甲状腺腫瘍は悪性の場合は病院での手術になりますが、良性のケースも多くその場合は当院で超音波検査による経過観察をしていきます。糖尿病は多くのクリニックで診ていると思いますが、専門の医師ならではということを挙げるとすれば、いわゆる「予備軍」に対する適切な診断に努めることでしょうか。当院ではブドウ糖負荷試験を行っており、それによって「予備軍」といわれた人でも実はそうではなくて正常だったり、逆にすでに糖尿病ですぐ治療が必要だったりということがわかります。朝に来てもらい数回採血するのでお昼頃までかかるのですが、大事な検査だと思っています。

体の状態がわかることは患者さんにとってメリットだと感じます。

清水裕史院長 清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック2

「予備軍」の段階で自覚症状はなくとも動脈硬化は始まっているので、早期に治療を開始することは非常に大事だといえますね。「口が渇く」「トイレが近い」といった症状が出るのは血糖がかなり高くなってからです。気づかないまま動脈硬化が進行すると心筋梗塞や脳梗塞を起こすこともあり、病院勤務の時はそのような患者さんを多く見てきました。病気が確定すればどこの病院、クリニックでも治療に入りますが、専門の医師としては、比較的まだ症状が軽めの段階から早めにしっかり対応していきたいです。

糖尿病はじめ内科と皮膚科が二本柱

糖尿病の治療について教えてください。

清水裕史院長 清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック3

圧倒的に多い2型糖尿病の場合、遺伝的な要因と生活習慣が主な原因とされています。ですから肥満があり明らかに過食や運動不足が見られる方には生活習慣の改善が第一で、食事指導と運動療法が中心となります。当院では管理栄養士が個別にその方に合わせた食事の指導をいたします。運動についてはご年齢や生活環境に合わせてできるものをアドバイスします。一方、身内に糖尿病の方が多く家族歴が濃厚な場合は、生活習慣に気をつけていてもある程度の年齢になると血糖値が高くなることがあります。食事制限をしすぎると体重や筋肉量が落ちてしまうので、ご相談しつつ場合によっては早めに薬を使うようにしています。1型糖尿病の方はインスリン注射による治療になります。

副院長がご専門の皮膚科についてもお聞かせください。

皮膚科の患者さんは生後間もない赤ちゃんからお子さん、若い世代の方、中高年や高齢の方まで幅広いですね。開業して3年なので、当時おなかにいた子が生まれてよちよち歩いている姿も見られます(笑)。アトピー性皮膚炎やニキビ、水虫、イボをはじめとしたさまざまな診療を行っています。皮膚の病変は見た目が気になるものも多く、患者さんは一人で長く悩んだ末にやっとの思いで来院されていると思います。デリケートな悩みもありますし、実は他にも気になることがあっても言えないままの方もおられるでしょう。内科もですが、皮膚科も患者さんのお話をよく聞くことがとても大切。何度も通っていただくうちに心を開いてくださると、お話の中から治療のヒントが見つかったり生活に対するアドバイスにつながったりすることがあります。

内科、皮膚科それぞれ専門の医師が在籍されているのが心強いです。

清水裕史院長 清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック4

内分泌疾患を専門とする内科の医師と皮膚科の医師、2人がそれぞれの専門性を生かして診療できることは当院の大きな特徴です。内科の病気から皮膚の病気がわかることも、その逆もありますし、内科と皮膚科、両方の病気を持つ患者さんもいらっしゃいます。2人で症例について相談し合うことも多く、ときには家で話し合うことも。互いに違う観点から意見を聞くことができるので、より適切な診断、治療につながるのではないかと考えています。副院長はとても勉強家で、私にとって信頼できるパートナーですね。

継続治療のためにも通いやすいクリニックに

先生が診療の中で心がけておられることはどんなことですか?

清水裕史院長 清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック5

糖尿病や高血圧のようにほとんど自覚症状がないのに生涯治療が必要というのは患者さんも時には疑問や不満を感じられるのではないかと思います。合併症が出てくると薬が増えますしジェネリックがない薬もあるので費用もかかります。インスリンなど注射薬は手間もあり、ストレスはどうしても出てくるのではないでしょうか。そのため治療に対するモチベーションを維持するのは大変で、実際、病院でも治療を中断する方はいらっしゃいます。しかし中断すると重篤になる可能性もあるので、諦めずに継続することがとても大切なのです。ですから限られた診療時間ではありますが、できるだけお話を聞くとともに、なぜ治療が必要なのか、なぜこの薬を使うのかなど丁寧に説明して理解していただくように努めています。あとは怒らないことですね。数値が悪くなっても何か理由があるはずで一緒にそれを考えます。逆に数値が良くなれば一緒に喜び合っています。

院長も副院長もとても穏やかに話されるので患者さんは安心できると思います。

ありがとうございます。病院勤務時代は多くの素晴らしい先生方にお世話になりましたが、中でも糖尿病専門の先生が優しい方で印象に残っています。当時も治療にストレスを感じられる患者さんがいらしたのですが、その先生は決して諦めず、熱心に通院を促し寄り添っておられました。その姿勢を私も踏襲したいと思っているのです。治療を継続していただくにはクリニックが来やすいところであることが大事で、そのために当院は設計の段階から木を多用して明るく開放的な雰囲気をめざしました。スタッフもやる気のある人がそろい、患者さんには笑顔で親身に接してくれています。ハード面でもソフト面でも気軽に通いやすいと感じていただければうれしいですね。

今後の展望についてお聞かせください。

清水裕史院長 清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック6

そもそも開業したのは、病院だと患者さんの体調が安定するとかかりつけの先生のところに戻り、関係が切れてしまうからという理由からです。糖尿病をはじめ生活習慣病は一生付き合っていく病気です。患者さんを長く診ていきたいと思ったこと、また「予備軍」といわれる人たちを早く診断して治療につなげ、さらには重篤な合併症を未然に防ぎたいということ、こうした強い思いがずっとあります。この思いを忘れず、身近にいる医師として皆さんのお役に立ちたいですね。近隣の方はもちろん、病院時代の患者さんが市外から来てくださることもありがたく、やりがいにつながっています。いずれは一般の方向けに糖尿病の勉強会を開催できたらと思っています。

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