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岩尾 光浩 院長の独自取材記事

西新宿メンタルクリニック

(新宿区/新宿駅)

最終更新日:2024/03/15

岩尾光浩院長 西新宿メンタルクリニック  main

新宿駅西口から徒歩1分の好立地にある「西新宿メンタルクリニック」は、30年以上にわたり患者の心に寄り添ってきた精神科クリニックだ。会社や学校、家庭でのストレスからくる不眠や不安などの不調から、うつ病や統合失調症など慢性的な精神疾患、発達障害などの心の病気や症状を幅広く診療。10代から90代までさまざまな世代の患者が頼れる「心の診療室」だ。院長で日本精神神経学会精神科専門医の岩尾光浩先生は、会社員と会社経営を経験した後に精神科の医師に転身。異業種で働いた経験が、日々の診療にも生かされているという。「平日は19時まで、土曜も診療しています。学校や会社がつらい、眠れないなどの症状で悩んでいる方は気軽に相談してください」と話す岩尾院長に、同院の特徴や診療のモットーなどを聞いた。

(取材日2023年10月31日)

都会の「オアシス」として、患者の心の不調に寄り添う

新宿で開業された理由を教えてください。

岩尾光浩院長 西新宿メンタルクリニック 1

当院は、新宿駅西口から徒歩1分の立地にあります。新宿駅はいわずと知れたビッグターミナルで、JR線だけでなく各私鉄線や地下鉄もたくさん通っていますから、新宿エリアに限らず都内近郊から患者さんがいらっしゃいます。また駅から近いので、女性の患者さんからは「夜の通院も安心」と喜ばれています。私自身は横浜出身で、大学も北里大学で相模原市ですから、新宿にはあまり縁がありませんでした。ただ、東京で開業するなら三大副都心である新宿・渋谷・池袋のいずれかで、とは考えていましたね。それで、たまたま新宿周辺を歩いていたときにこの物件と巡り合い、1990年に開業しました。以来30年以上にわたり、この場所で診療を続けています。

どのような患者さんが来院されますか?

新宿はアクセスが良いので、このエリアにお住まいの方やお勤めの方だけでなく、買い物ついでにいらっしゃる方など、さまざまな患者さんがいらっしゃいます。男女比でいうと男性が6割、女性が4割ぐらいでしょうか。年齢層は幅広く、中学生ぐらいから上は90代の方もおられます。高齢の患者さんは長く通院されている方がほとんどで、「病気のこれまでの経過を初めから説明しなくても良いのは助かる」とお話しされますね。精神科の病気には長く付き合っていく必要があるのものが多いので、なるべく同じ医療機関に通院し、患者さんのことをよく知るかかりつけ医のもとで治療を継続されると良いと思います。

通いやすさの点でどのような工夫をされていますか?

岩尾光浩院長 西新宿メンタルクリニック 2

駅からすぐという利便性に加えて、平日は19時まで、土曜日も12時半まで診療していますので、仕事帰りなどにも立ち寄りやすいのではないでしょうか。また、予約優先制にしていますが、予約がなくても受診は可能です。一般的に、他の診療科と比べて精神科を受診する心理的なハードルは高く、つらい症状を我慢して我慢して、我慢しきれなくなって受診される方が多いように思います。私としては、勇気を出して受診した患者さんに「予約がないから」とお断りするようなことはしたくないと考えており、予約がなくても可能な限り当日中に診察させていただいています。少しお待たせしてしまうかもしれませんが、気軽に立ち寄っていただければと思います。

不眠は心の不調のサイン。早めに受診・相談を

都会ならではの症状や状況の特色などはあるのでしょうか?

岩尾光浩院長 西新宿メンタルクリニック 3

当院に来院される患者さんには、気分障害の一種であるうつ病・神経症・統合失調症の方が多いです。東京は刺激が多い分、ストレスも多いのかもしれません。例えば、転勤で東京に来て「東京が駄目だ、合わない」と思われる方もいらっしゃるでしょう。東京の何が嫌なのか考えてみると、理由の一つは「満員電車」かもしれません。地方にお住まいの方は、自家用車で好きな音楽を聴きながら通勤される方も多いので、満員電車の閉塞感はかなりストレスになっていると思うのです。ただ、そのようなお悩みは、しばらくすると慣れてくることもあって、東京が好きになることも多いのですよ。診察では患者さんのお話をしっかりお聞きして、必要に応じてお薬を処方しながら、患者さんと一緒に解決への糸口を見つけていきます。

最近、気になっている傾向などはありますか?

中・高校生の患者さんには、体の性と心の性が一致していない性同一性障害や、うつ病や統合失調症の始まりと思われる症状で来院される方が多いです。うつ病や統合失調症の初期には、学校の成績の急激な低下がみられることもあり、保護者や学校の先生方には注意していただければと思います。また、20代前半など若い会社員の方の発達障害も増えています。子どもの頃からその特性はあったものの程度が軽く、本人や周囲から気づかれないまま大人になり、社会人として働き始めて問題が表面に出てくるというケースがほとんどで、仕事でミスが多い、会議に集中できない、上司に叱責されるといった悩みを抱えて受診されます。周囲になじめず転職を繰り返している方も多いので、ぜひ早めにご相談ください。

どのようなタイミングで受診すれば良いでしょうか?

岩尾光浩院長 西新宿メンタルクリニック 4

「学校や会社がつらい」「死にたいと感じる」「眠れない」などの症状が続く場合は、迷わず受診していただきたいですね。特に、心の不調は睡眠に現れることが多く、受診のきっかけになりやすいと思います。眠れないときに寝酒をする方もおられるようですが、飲酒は睡眠の質を低下させ、肝機能にも悪影響を与えますのでお勧めできません。また、市販の睡眠薬もありますが、市販薬は処方薬と比べて望まれる効き目が穏やかなので、処方薬ほどの効果は期待できないかもしれません。眠れないと本当につらいですし、眠れるようになれば心の症状の回復にもつながるでしょうから、できれば精神科で相談して、適切な薬を使っていただきたいですね。

初診の患者は、その日のうちに診療するのがモットー

クリニックとしてのこだわりをお聞かせください。

岩尾光浩院長 西新宿メンタルクリニック 5

当院のコンセプトは「都会のオアシス」です。内装も落ち着いた雰囲気のインテリアなどを考えて設計しました。多種多様な人々が暮らす都心で、患者さんの悩みに寄り添う「心の診療室」でありたいと思っています。また、薬はすべて院内処方としています。院外処方にすると、どうしても別の人に任せることになってしまいますので、きちんと当院で責任を持って患者さんにお渡ししたいと考えたからです。さらに、診察と薬の処方を院内で完結できれば、診察後に別の薬局に行く手間が省け、患者さんの負担も軽減されると思います。中には「とりあえず薬だけ欲しい」という患者さんもおられますが、通常の生活に戻る上では薬に依存し過ぎてしまうのも良くないので、必ず患者さんの顔を見てから処方します。

ところで、精神科の医師を志したきっかけは?

もともと大学の理工学部を卒業して会社員として働き、起業した後に改めて医学部に入学しました。当初は小児科か泌尿器科を専門にしようと思っていたのですが、初期研修で産婦人科を回ったときに「私、前立腺が悪いんです」という患者さんに対して、担当の先生が最後までその患者さんの話を聞いた後で「そうですか。でも、女性には前立腺はないのですよ」と伝えると、その患者さんが「あら」と笑顔になった場面に遭遇し、気持ちが変わったのです。たとえ患者さんの話が間違っていても、まずは話を聞いてあげることが大切だと気づき、他の人より医師になった年齢が遅く、医師としての寿命が短い自分が一番貢献できて、今までの人生をプラスにできるのは精神科ではないかと思い至りました。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

岩尾光浩院長 西新宿メンタルクリニック 6

気分の落ち込みや仕事に行きたくないなど、心の不調に気づいたときは気軽に相談してください。また、人間には相性がありますから、自分と相性の合う医師を見つけていただきたいですね。まずは受診してみて、ご自分が納得のいく診療をしてくれるクリニックに通院されるのが良いと思います。当院は、たとえ予約がいっぱいでも、初診の方から電話があればできる限りその日のうちに診察することをモットーとしています。つらい思いを抱えて思い切って電話をしてきた方を、何週間もお待たせすることには心苦しさを覚えます。他の患者さんに少しご迷惑をおかけするかもしれませんが、ご理解いただければうれしいです。当院を選んでくださった皆さんにとって「オアシス」となれるよう、今後もこの地で皆さんのお役に立てる存在でありたいですね。

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