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小野 重満 院長の独自取材記事

レディースクリニックしげみつ

(海老名市/海老名駅)

最終更新日:2021/10/12

小野重満院長 レディースクリニックしげみつ main

「レディースクリニックしげみつ」は、2019年4月、JR海老名駅から徒歩2分という便利な場所に開院した。おおらかな笑顔と優しい口調の小野重満院長を慕い、遠方から通う人も多い。一般的な産婦人科の診療、がん検診のほか、経過良好の子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの手術後のアフターケアも行う。診療では漢方薬など、東洋医学の考え方を用いることが多いのだそう。体質そのものにアプローチするため、訴えのある症状だけでなく、患者本人も気づいていなかった不調がわかることもあるという。誕生から最期まで、人生のすべてに携われるのが婦人科の魅力だと語る小野院長に話を聞いた。

(取材日2019年12月5日)

女性ならではの病気や術後のアフターケアに広く対応

海老名駅から近く、とても便利な立地ですね。

小野重満院長 レディースクリニックしげみつ1

開業前まで相模原市内で勤務していまして、たまたま近くに良い物件を見つけたのでここで開業しました。決め手となったのは、待合室の窓から見える丹沢の風景。とてもきれいなんですよ。患者さんの年齢層は幅広く、小学生から70代くらいの方まで来院されています。伊勢原や秦野、横浜などから、海老名が通勤経路になる方が途中下車をしていらっしゃいます。地元ではない患者さんが多くいらっしゃるというのは、幅広くいろいろ診るクリニックがあまりないということなのかもしれません。地域医療にも貢献していきたいと考えているので、地元の方に、もっと当院を知っていただければと思います。

どのような症状で来院される方が多いのでしょうか。

若い方は月経不順、20代、30代だと生理痛や良性疾患の腫瘍が見つかったなど、もう少し年齢が上の方は更年期障害と多様です。また、これまで大学病院で診ていた患者さんの術後の経過や、過去に子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんで手術され、抗がん剤や放射線治療も終わり5年以上経過して再発のない方を診ています。さらに、大学病院でのがんの治療に携わっていたこともあり、再発もなく経過良好のため手術した病院での経過観察がひと段落となった「どこに行けば良いのかわからなくなってしまった」という方も僅かながら来院されています。女性ならではの病気やアフターケア全般に対応するクリニックというスタンスですね。

開院してクリニックで患者さんに接する中で気づいたことはありますか?

小野重満院長 レディースクリニックしげみつ2

検診の受診率が非常に低いことが気になっています。婦人科の検診は「恥ずかしい」「抵抗がある」「行こうと思ったら落ち着いたから機会を逃した」というケースが多いようです。そのため症状が出てから来られる方が多く、月経不順で来られた方が前がん状態になっていたこともあります。おそらく半年以上月経がおかしかったはずなのにそのままにしてしまった。もう少し見つかるのが遅かったら大変なことになっていたかもしれません。定期的に検診を受けてほしいと強く思います。

こちらではがん検診も受けられるそうですね。

先進国の中でも欧米と比べると日本人の検診率は低いといわれております。不正出血があり病院に来た時、検診を受けていてがんが見つかる方と、検診を受けていなくてがんが見つかる方を比較すると、病気の深刻さが全然違います。大学病院に勤務していた時の患者さんで、更年期の不正出血があった方からがんが見つかり、亡くなってしまった方がいたんです。その方は「検診を受けておけばよかった」と、亡くなる直前まで繰り返しおっしゃっていました。自分の体調管理という意味でも、1年に1回でもいいので受けていただきたいです。検診自体は5分もかかりません。生理が重いという相談のついででもいいので、目立った症状がなくても検診を受けていただきたいですね。

漢方薬で体質にアプローチしながら女性の体調を整える

診療の際に心がけていることや、スタッフの皆さんについて教えてください。

小野重満院長 レディースクリニックしげみつ3

患者さんによっては緊張していますので、その方の様子を見ながら対応を変えていますが、基本的にはざっくばらんに接してリラックスしていただくことを大事にしています。看護師さんも若い方には安心できるような対応をしてくれたり、お子さんを連れている方には子どもの相手をしたり、協力してくれています。当院の看護師は産婦人科で勤務した経験がある人ばかりで、これまでの経験が生きた対応をしてくれていると感じる場面が多いです。定期的にスタッフ参加の勉強会を行い、薬の知識などを学んでもらっています。

こちらのクリニックならではの治療はありますか?

子宮頸がんの、がんになる組織だけを局所的に切除する子宮頸部円錐切除術を行っています。普通は1泊2日で入院して行う手術なのですが、当院では日帰りです。クリニックでは一般的に、子宮頸がんが見つかると手術ができる病院を紹介しています。私はこれまで、紹介された方の手術を行っている立場でしたから「それなら自分のクリニックで手術まで行おう」と思ったのがきっかけです。クリニックで円錐切除術までしているところは珍しいのではないでしょうか。ただ、合併症が出る可能性がある方もいるため、ご相談の上、特に問題がなさそうな方のみ、という条件つきで行っています。

漢方薬を使った治療も行われているとお聞きしました。

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例えば、月経困難症はピルも適用になるのですが、抵抗を感じる方も多いです。そういう方をはじめ、多くの患者さんが抵抗なくできる治療方法として漢方薬を取り入れています。漢方薬には体質そのものに働きかけるという要素もあり、幅広く対応できます。婦人科系だけでなく、例えば膀胱炎を繰り返す方や、冷え性など、いろいろな症状に用いています。

月経不順で来院する患者さんが増えているそうですね。

20代、30代の月経不順の方は多いですね。けれど、治療を一度始めても途中で来なくなってしまう方も少なくありません。多くの場合、月経不順は薬を飲めばまた月経が来るようになることが望めますが、「月経が来たからもう大丈夫」と自己判断で通院をやめ、薬を飲むのを中断するとまた不順になってしまいます。継続して薬を飲むことが改善につながるのですが、それを理解してもらえないことが多い。そのため、なぜ途中で薬をやめてしまうとダメなのか、放置するとどうなるのかを一つ一つ詳しく説明することもあります。

自分一人で抱え込まず、まずは気軽に相談を

医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

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身内に医療関係者がいたわけではないのですが、高校時代から「将来は医師に」と何となく考えていました。両親に医学部への進学を考えていることを話した時「向いているんじゃないの」と言われたことを覚えています。産婦人科は、生まれるところから人生の最期まで、一生を通して関わることができる科です。そこが魅力で、最初から産婦人科に進みたいと考えていました。

休日はどのようにお過ごしですか?

食べ歩きをすることが多いです。箱根や江の島までドライブして、季節のおいしいものを食べて、温泉に入ったり景色を楽しんだりしています。ここは海も山も近いのが良いですね。高校時代は登山、大学時代はスキューバダイビングをしていました。真鶴や伊豆、沖縄の海に潜っていましたが、最近は潜るよりもドライブで気分転換しています。

読者へのメッセージをお願いします。

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生理痛には大きな病気が潜んでいる可能性がありますので、軽く考えずに相談していただきたいです。不正出血がある方は検診を受けましょう。今は女性が社会進出する時代ですが、重い生理痛で動けなくなり、仕事を休まざるを得ない場合もあり、キャリアを諦める方もいます。けれど治療をして薬を飲むことでずっと楽に過ごせるようになることもありますし、薬については漢方薬という選択肢もあります。来院するまでは「恥ずかしい」と思うかもしれませんが、来ていただければきちんと対応しますので、自分で決めつけたり一人で抱え込んだりせず、気軽に相談してください。

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