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猿田 陽平 院長の独自取材記事

陽だまり歯科

(福岡市東区/千早駅)

最終更新日:2023/03/14

猿田陽平院長 陽だまり歯科 main

「陽だまり歯科」は、JR鹿児島本線千早駅から徒歩10分、西鉄バス若宮田(ハローデイ前)停留所から徒歩2分の住宅街にある。同院は、院長を務める猿田陽平先生が2019年3月に開業した歯科医院だ。猿田院長は、“医師嫌い”だった自身の経験から、歯科診療において「ストレスフリー」という理念を掲げ、患者の不安や恐怖心を取り除くため、常に五感に配慮し、各世代に合わせて説明することを心がけているという。そのため歯科受診に恐怖心を持つ患者が遠方から訪れることも少なくない。「わかりやすい言葉に置き換えて説明するので、なんでも聞いてほしい」と語る猿田院長に、歯科医師としての思いと診療方針について聞いた。

(取材日2023年1月18日)

“医師嫌い”が人の笑顔を見るために歯科医師へ

温かな印象の院名ですが、どのような思いからつけられたのでしょうか?

猿田陽平院長 陽だまり歯科1

僕はもともとは“医師嫌い”。幼い頃から小児喘息で通院し、歯科医院にも通っていたのですが、病院は「無理やり連れていかれる、痛いことをされる場所」だと思っていました。歯科医院に行くというだけで、ストレスでいっぱいだったわけです。患者さんにはそういう思いをしてほしくないという気持ちから、院名には「医院」をつけませんでした。陽だまり歯科のロゴは、デザイナー経験のある大学時代の教え子が、「先生の温かみを表現したい」とデザインしてくれたもので、とても気に入っています。かしこまらず、温かく患者さんを迎えるためにも、威圧感のある白衣は着ません。

“医師嫌い”の先生がなぜ医療の道へ入られたのでしょうか?

父が医師ということもあり、「医者になれ」と言われて育ったものの、高校生の時には、機械系の仕事に就きたいと夢見ていました。ところが親に猛反対され、あの手この手でその道を閉ざされてしまったんです。それで、何がやりたいのかが見えなくなってしまって。お笑い芸人になろうと考えていたくらいです(笑)。生き方を迷っていた時期に、ふと自分は人の笑顔が見たいんだと気がついたのです。当時仲良かった友人に「人の笑顔を直接見られる職業は医者じゃないの?」と言われて、素直にそうだなと。心のどこかで医療の道に進みたいと思っていたのかもしれません。“医師嫌い”だったけれど、父の医師としての姿は尊敬していましたから。ですから、患者さんの笑顔を見られると “医師冥利に尽きる”と感じます。

この地に開業した理由や患者層を教えてください。

猿田陽平院長 陽だまり歯科2

千早駅周辺で再開発が進んでいたことに加え、舞松原に僕の得意とする入れ歯を専門とする歯科医師が少なかったことが、この地での開業の決め手になりました。ここは歯科医院の居抜き物件で、2人の歯科衛生士は、前の歯科医院から残ってくれているスタッフなんです。2人いわく、「70代以上のお年寄りが並んでいる状態から、ガラッと患者さんの層が変わった」そうです。もちろん今でもお年寄りの患者さんはいますが、20代から40代の若い患者さんが多いですね。ベビーカーで来られるお母さん方や子どもさんも増えています。また、ホームページを見て、歯科受診に恐怖心を持つ方が遠方から来てくださることもあります。

診療における「ストレスフリー」に努める

「ストレスフリー」という理念を掲げていらっしゃいますね。

猿田陽平院長 陽だまり歯科3

患者さんに恐怖心を与えないよう、五感を意識しています。例えば、視覚で言えば、使用する器具を一つ一つ見せるようにし、聴覚であれば、スマートフォンなどで音楽を聞いてくださいねと言います。音を怖がるお子さんの場合は「音が嫌だね~」と耳をぱたんと塞ぎます。歯科独特の匂いをさせないように、薬剤の使用に注意し、入り口にはアロマディフューザーを置いています。グローブは2種類用意していて、匂いが気になる方には匂いの少ないグローブを着用します。触覚や痛覚などの体性感覚においては、なるべく痛みを感じさせないよう、麻酔を段階的に打つようにしています。歯茎に打つだけでは効かない方の場合には、歯と骨の間の歯根膜というところに麻酔をするのですが、これが痛みを感じやすいんです。なので、いきなり歯根膜に打つのではなく、周囲に麻酔を打って痛覚を鈍らせてから行うようにする、といった工夫もしています。

先生ご自身もストレスフリーであることを意識されていらっしゃいますか?

歯科医師は歯のことなら何でもできるというわけではありません。これまで、さまざまな技術を身につけてきましたが、得意な分野がある反面、不得意な分野もあります。その不得意な分野の治療はやらない、というのがストレスを感じない一番の方法です。患者さんからしても、その治療を得意とする歯科医師の治療を受けたい方が多いのではないでしょうか。ですから、親知らずの移植や、歯茎を増やすための歯周外科治療といった専門性の高い分野は、連携している九州大学の先生をはじめとする専門の先生にお願いしています。患者さんにも正直に伝えることで、「その治療以外は自信を持ってやっている」ということをわかってくださるのではないかと思っています。

「不得意分野の治療はやらない」ことが、患者さんの不安やストレスを取り除くことにつながるわけですね。

猿田陽平院長 陽だまり歯科4

もう一つ、僕がやりたくないのは、対症療法を繰り返す中途半端な治療です。昔アルバイトをしていた歯科医院で、治療時に暴れ回るお子さんに対して、薬を交換しては帰すという対症療法が繰り返されるのを見てきたんです。医療の根幹は、痛みの原因を取り除くこと。もちろん、脳腫瘍などのように原因によっては取り除けないものもありますが、虫歯の治療において原因療法ができないというのは、果たして治療と言えるのか? という思いがありました。患者さんの通院が長引く中途半端な治療は、経営的にはいいのかもしれませんが、“医は算術”にはなりたくない。開業を決意したのも、医療人として死にたいという思いがあったからです。また、やりたくないという意味では、スタッフとの間に上下関係はつくりたくない。歯科衛生士さんや受付の方がいないと歯科医師は診療できません。対等な関係で、チームのようなものだと思っています。

患者の意識改革をめざし、丁寧に説明を尽くす

今後力を入れていきたい分野について教えてください。

猿田陽平院長 陽だまり歯科5

100歳まで噛めるように1本でも多く歯を残すための予防に力を入れていきたいですね。とはいえ、メンテナンスだけじゃ予防にはつながらないんです。半分以上は患者さんの日々の行いにかかってるのですが、これまで非日常だったことを急に始めることって難しいですよね。なので、フロスをまったくしたことない方には「まずは1分だけフロスを通してみましょう」と提案します。するとついた汚れが気になり、毎回フロスを通してくれるようになります。そうやって、患者さんの意識を変えることができるよう伝え方を工夫しています。また、歯科は常に新しい材料や機器、薬に関して自ら勉強を続けなければいけない領域なので、引き続き情報収集や勉強会の参加は積極的に行っていきたいですね。そうすることで、先進の医療を患者さんに届けていきたいと思っています。

インタビューの中でも感じたのですが、先生説明がすごくわかりやすいですね。

ありがとうございます(笑)。説明にはかなりこだわっていますね。例えば、虫歯治療の際には、CRという白い詰め物をしますが、お子さんには、「白い粘土を今から詰めるからね。ブヨブヨしているから、光をあててカチカチにするよ」と伝え、20代以上の女性であれば、「これはレジンといってネイルと同じ素材です」というように、患者さんによって表現を変えて説明します。患者さんがイメージしやすい説明をすることで「なるほど」という納得感と「説明された」という記憶に残るような言い回しを常に考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

猿田陽平院長 陽だまり歯科6

気軽に足を運んでほしいと思っています。そして何でも聞いてください。わかりやすい言葉に置き換えて伝えます。また、患者さんが「やりたくない」と思う治療はやりません。ただし、治療せずに放っておいたらどうなるのか、という説明は尽くします。きちんと納得してもらいたいので、時間がかかっても丁寧に説明する必要があると考えているんです。通いやすくしたり、不安を取り除いたりするのは僕らの仕事なので、安心して来てほしいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

かぶせ物/5万2000円~、詰め物/3万3000円~、入れ歯/5万2000円~

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