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中島 貴子 院長の独自取材記事

なかじま歯科クリニック

(新潟市西区/小針駅)

最終更新日:2022/04/11

中島貴子院長 なかじま歯科クリニック main

JR越後線と国道402号線に挟まれた中間地点、新潟市西区の住宅街で、2018年から診療を続けている「なかじま歯科クリニック」は、地元・西区の出身で、新潟大学歯学部を卒業した中島貴子先生が開業。28年間もの長きにわたって大学で研究生活を送ってきた中島院長だが、話す様子や物腰はフレンドリーで、患者に敷居の高さを感じさせない。クリニックの居心地の良さはどこから来るのか、話を聞くほどに理由が明らかになり、中島院長の魅力にさらに引き込まれるインタビューとなった。

(取材日2022年3月8日)

診療方針を理解・共感して遠方から通う患者も

クリニックの特徴をご紹介ください。

中島貴子院長 なかじま歯科クリニック1

当院のある新潟市西区は私の地元です。新潟大学歯学部に進学し、途中、留学も挟んで大学・大学院に28年間在籍した後、2018年9月に開業しました。大学では歯周病と全身疾患をテーマに研究してきたこともあり、当院でも歯周病や虫歯の治療と予防に力を入れています。開業してからも、大学との共同研究で当院の患者さんに協力していただき、歯周病が全身の健康にどのように影響しているかを調べ、情報としてお伝えしています。糖尿病の検査にも用いられるHbA1c測定機があるのは、歯科医院としては珍しいかもしれませんね。歯科用の機材としては、3DCTやレーザー、マイクロスコープなどを導入し、精密治療を実施しています。大学病院勤務医時代は必ずしも自分が使いたい機材を入れられないことも多々ありましたが、当院では多少高額でも、必要だと思う機器を導入しました。駐車場から院内までバリアフリーで、車いすでもご利用いただけます。

開業のいきさつを教えてください。

アメリカ留学から新潟大学に戻って、歯周病の研究をしながら臨床で患者さんの治療を続け、さらにその後は学生、研修医指導をしつつ研究も進めていました。大学の役割は教育と研究、臨床ですが、28年間で3つの役割を果たしたところで、大学で自分にできることは終わったと感じたんです。また、非常勤先の歯科医院では、障害のあるお子さん、認知症の方、精神疾患のある方など、自己管理の難しい患者さんに数多く接してきました。一般の患者さんに比べて粘り強く取り組む必要がある患者さんたちと接して、もしかしたら自分は開業医に向いているのかも? と感じたこともたびたびありました。人生100年の時代ですから、新しいことを始めるならラストチャンスかもしれない、そう考えて開業を決意しました。

患者さんにはどんな方が多いのでしょうか。

中島貴子院長 なかじま歯科クリニック2

地域の患者さんが多いですが、大学勤務医時代に担当していた患者さんも通ってくださっていて、いまだに佐渡や山形から通院されている方もいます。地域の患者さんは健康に対する意識が高いのか、歯周病と全身疾患の関係に興味を持ってくださる方や、予防に力を入れる当院のスタンスを理解して定期的に足を運んでくださる方も多いんです。西区は文教地域でもあり、高齢の患者さんでは引退された教員や公務員の方が多いようなことを聞いていますので、ご自身でしっかりと調べている方も多いのかもしれませんね。年齢層としては、開業前は高齢の方が多いのかなと思っていたのですが、実際にはバランス良く幅広い世代の方がみえています。通院のきっかけは紹介という方がすごく多くて、これもありがたくうれしいことと思っています。

押しつけがましくない説明と治療を大切にする

ご専門の歯周病では、どんな研究をされていたのですか?

中島貴子院長 なかじま歯科クリニック3

大学卒業後は歯周病教室に残ったのですが、実は最初は腰かけ的な気分だったんです。ところが、研究の手伝いを始めたら面白くなってしまって、3年後に大学院に進み、さらに30歳を過ぎて2000年4月から2年間、アメリカのメイヨークリニックに留学しました。大学院時代に歯周病の発症に白血球の1種であるT細胞がどうかかわっているかを研究していた関係で、メイヨークリニックでは、リウマチや免疫系の研究をしている先生のもとで、T細胞と心筋梗塞や狭心症の関係についての研究に取り組みました。2002年に日本に帰国すると、歯周病と、心臓疾患や糖尿病などの全身疾患との関連が取り上げられることが多くなっていて、私がやってきた研究を役立てることができました。余談ですが、メイヨークリニックのあるミネソタにはツインズというプロ野球チームがあって、日本人メジャーリーガーの活躍を見に行くのが楽しみでした。

診療の際に心がけていることを教えてください。

「この方にはこの治療が最適」と考える治療内容をしっかり説明すること、それを押しつけがましくならないように話すことです。予防については、患者さんが面倒がらず、しっかり自己管理ができるよう、診療を通じて行動変容を起こしていきたいとは思っていますが、これも無理強いはしません。それでも、私のほうからメンテナンスに来てくださいねとお願いして、8割以上の方が定期的に通院してくださっていますので、これもありがたいことと思っています。高齢の患者さんの場合、ライフステージに合わせた無理のない管理ができるよう、治療を進めています。また、患者さんの年齢を問わず、基本は敬語でお話しするよう心がけています。

仕事にやりがい感じるのは、どんな時ですか?

中島貴子院長 なかじま歯科クリニック4

日本歯周病学会歯周病専門医として歯周病治療を行っている時です。私がやりたかったのは、歯を削って治すのではなくて、患者さんの体を健康にすることだったので、歯周病治療のプロセスで、患者さんの口腔内の変化を見届けること自体にとても大きな喜びを感じます。この仕事をしていて良かったと一番感じるのは、やはり、患者さんの喜んだ顔、満足している様子を見たときですね。

治りにくい歯周病と上手に付き合っていくには

歯科医師を仕事に選んだ理由を教えてください。

中島貴子院長 なかじま歯科クリニック5

両親とも医療職ではない、一般的な勤め人の家庭で育ちましたが、手に職をつけたいとは考えていました。高校時代は学校の教員になろうかと考えたこともありましたが、先生の仕事は年々大変になっていきますし、挑戦できるのならよりプロフェッショナルな仕事として、医師か歯科医師にと思うようになりました。医学部受験も考えたのですが、人の命を直接的に扱うことは当時の私には荷が重いと感じて、歯学部に進みましたが、手先が特別器用というわけではないですから、学生時代の実習では苦労することも多かったんです。研究生活を経験するにつれ、できない理由を論理的に考えて対応するようになってからはうまくいくようになりました。さらに歯周病が全身の健康に及ぼす影響について研究することを通じて、結果的に全身のことにも関わることになりました。

休日はどのように過ごされていますか?

ゴルフと図書館ですね。ゴルフ場に行って、その足で図書館に立ち寄って、借りた本を返してまた借りてくる、日曜は毎週そんな感じです。ゴルフは20年以上やっていますが、歯科関係ではない友人と一緒にプレーすることが多いです。仕事がつらい時も、クリニックを開業する時も、そういう友人が力になってくれました。ゴルフを通じて、違う職種の方と知り合うのも楽しいですね。家でごろごろしていても疲れは取れないですし。図書館で借りるのは、歯科とは関係のない普通の本です。読書家というほどではないのですが、図書館という場所にいること自体が楽しくて。書架整理のボランティアを見かけますが、仕事を辞めたらやってみたいなと思っています。

読者にメッセージをお願いします。

中島貴子院長 なかじま歯科クリニック6

今はインターネットやメディアを中心にさまざまな医療情報があふれていますが、根拠のわからない対処法ではなくて、正しい診断と治療にアクセスしてほしいと思います。歯周病による口臭でお悩みの方も多いと思いますが、頑張ってもなかなか治らないケースもあります。インターネットなどの情報に頼って不安になるよりは、定期的に歯科医院に通院していただき、専門的なケアで口腔内の状態の安定に努めて、歯周病と上手に付き合っていきましょう。

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