全国のドクター9,253人の想いを取材
クリニック・病院 158,515件の情報を掲載(2024年6月01日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 大阪市福島区
  4. 野田駅
  5. こうみ歯科クリニックEAST
  6. 障害者、子ども、歯医者が怖い人にも安心安全に配慮した歯科治療

障害者、子ども、歯医者が怖い人にも
安心安全に配慮した歯科治療

こうみ歯科クリニックEAST

(大阪市福島区/野田駅)

最終更新日:2023/09/05

こうみ歯科クリニックEAST 障害者、子ども、歯医者が怖い人にも 安心安全に配慮した歯科治療 こうみ歯科クリニックEAST 障害者、子ども、歯医者が怖い人にも 安心安全に配慮した歯科治療
  • 保険診療

「歯科治療が苦手」「歯科医院が怖い」といった拒否反応が強い人や、子どもや障害者、認知症患者など歯科治療が難しいとされる人々に対し、安全性や恐怖心に配慮しながら診療を提供するのに有用とされる歯科麻酔下治療。「こうみ歯科クリニックEAST」の河見有恵(こうみ・なおえ)院長は、患者の状態に合わせて静脈内鎮静法や全身麻酔を用いた治療を行い、負担を軽減したストレスフリーな診療をめざしている。学生時代の歯科恐怖症患者との出会いが人生のターニングポイントとなり、通常の治療が難しい人のためのクリニックを開院したという河見院長。歯科医院が苦手な人のニーズが高まりつつある静脈内鎮静法や全身麻酔を用いた治療について、それぞれの違いやメリット・デメリットなどを解説してもらった。

(取材日2020年4月1日)

障害者、子どものほか、歯科恐怖症や嘔吐反射が原因で、歯科治療を諦めていた人を救いたい

Q静脈内鎮静法と全身麻酔の違いについて教えてください。
A
こうみ歯科クリニックEAST 静脈内鎮静法では対応できない患者のため、全身麻酔も行っている

▲静脈内鎮静法では対応できない患者のため、全身麻酔も行っている

最も大きな違いは、意識があるか、ないかです。静脈内鎮静法に関しては、まどろんだ状態で、うっすらと意識もあり自発呼吸ができます。一方で全身麻酔に関しては意識はまったくなく、全身管理に呼吸のサポートも必要になります。静脈内鎮静法に比べ全身麻酔のお薬は強く、患者さんの体への負担が大きいため、静脈内鎮静法が一般的かと思います。しかし障害のあるお子さんや自分の意識で治療に協力できない方、嘔吐反射が強すぎてお薬の量が増え、自分で呼吸がうまくできなくなるといった方には全身麻酔のほうが適している場合もあります。なので、当院ではお一人お一人に合った治療法を見極めるため、十分なカウンセリングから始めています。

Q静脈内鎮静法を用いた治療について詳しく教えてください。
A
こうみ歯科クリニックEAST 意識がぼんやりとまどろんだ状態で治療を受けられる

▲意識がぼんやりとまどろんだ状態で治療を受けられる

流れとして、まずカウンセリングを行います。ご希望の治療内容や既往歴、持病、現在飲まれているお薬などを伺い、お口の中の状態を確認して治療方針を決めます。その際、治療当日は車や自転車の運転はできないこと、施術4時間前から食事、2時間前から飲水はできないことといった注意事項をお伝えしています。治療では、まず静脈に点滴を行います。点滴がスムーズにいっていることを確認した後、お薬を注入し、脈拍や血圧をモニターで確認・コントロールしながら治療を行います。治療そのものは15~30分、目が覚めるまでに15~20分の時間を要し、麻酔からリカバリーを含めてもトータルで1時間~1時間30分程度です。

Q全身麻酔を用いた治療について詳しく教えてください。
A
こうみ歯科クリニックEAST 全身麻酔下の治療には、専門の歯科医師2人態勢であたる

▲全身麻酔下の治療には、専門の歯科医師2人態勢であたる

全身麻酔に関しても、静脈内鎮静法の手順とほとんど変わりありません。しかし、お薬が強いことから、呼吸を含めた全身管理がさらに難しくなるため、既往歴や現在飲まれているお薬などについて、より細かく質問させていただいたり、健康診断の結果をお持ちいただいたりする場合もあります。特に心臓疾患をお持ちの方には、かかりつけ医師に相談の上、お越しくださるようお願いしています。また、全身麻酔をされる方は、事前の検査やお薬の注入がなかなかできない場合もあるため、準備に時間がかかることが多く、お薬も強いので目覚めるまでの時間も要します。当院では診療に半日を設定し、十分な時間を取るように心がけています。

Qそれぞれ、麻酔中の患者はどのように感じているのでしょうか?
A
こうみ歯科クリニックEAST 治療後は、自力で帰れるようになるまでクリニックで休む

▲治療後は、自力で帰れるようになるまでクリニックで休む

全身麻酔の場合は意識がありませんので、眠った後のことはほぼ覚えていないでしょう。静脈内鎮静法の場合は、うとうと眠っているような状態でうっすら意識はあるのですが、静脈内鎮静法特有の健忘作用があり、個人差はあれど、ほとんどの方が治療中のことを覚えていないはずです。そこで当院では、帰り際に手紙をお渡ししています。治療内容やその時の状態など、記憶のなかった時間について詳しく書かれているので、自宅に帰って覚醒してから安心していただけると思います。どちらの場合も「眠っているうちに終わった」と思っていただけるように配慮して対応していますので、安心して治療に臨んでいただけるのではないかと思います。

Qメリット・デメリットについて教えてください。
A
こうみ歯科クリニックEAST 帰宅時にも意識が散漫とする可能性があるため、十分な注意が必要

▲帰宅時にも意識が散漫とする可能性があるため、十分な注意が必要

メリットはやはり、今まで諦めていた方でも歯科治療を受けられる場合がある点です。また、普段はお口に触られることが苦手な人がほとんどですから、限られた時間内にできる限りの治療を心がけていることもあり、通院が少なくて済む点もメリットと言えるでしょう。しかしデメリットとして、1回の治療時間が長い点や、治療後も眠気が続き治療当日にほかのスケジュールを入れにくいといった点があります。またまれに、しっかり覚醒しないうちに食事をして誤嚥性肺炎が発生する場合がありますから注意が必要です。当院では日帰りのみの対応になりますので、なかなか覚醒しないケースには連携する総合病院に入院していただく可能性もあります。

ドクターからのメッセージ

河見 有恵院長

障害者、子ども、認知症患者、歯科恐怖症、パニック障害、嘔吐反射が強い方など、歯科治療を諦めてきた人々は多く、ニーズが高い中でも歯科麻酔下治療はまだまだ認知されていません。当院がこういった歯科麻酔科治療にこだわるのも、一人でも多くの不安を抱える方のお役に立ちたいという思いからです。また当院では、他のアポイントをすべてブロックし、ほかの患者さんの目を気にすることなく治療を受けていただくことも可能です。総合病院で培った技術や特別養護老人ホームでの診察経験を生かし、今後も患者さんとご家族の気持ちに寄り添った診療を心がけていきます。どなたでも、いつでも、気兼ねなくご相談にお越しください。

Access