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小児歯科検診では遅い?
妊娠中から子どもの早期口腔ケアの備えを

K’sデンタルクリニック

(海老名市/海老名駅)

最終更新日:2024/03/04

K’sデンタルクリニック 小児歯科検診では遅い? 妊娠中から子どもの早期口腔ケアの備えを K’sデンタルクリニック 小児歯科検診では遅い? 妊娠中から子どもの早期口腔ケアの備えを
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子どもの本格的な予防は、家族から乳児に虫歯菌がうつらないよう注意するのが虫歯の一般的な予防策だった。しかし、こうした対応では虫歯が十分に防げないケースがあると注意を促すのは、小児の口腔ケアに詳しい「K’sデンタルクリニック」の鎌田洋一院長だ。「虫歯の原因とされるミュータンス菌以外にも虫歯になる要因はさまざまあり、そうした新たな情報に基づく早期の予防が必要なのです」と鎌田院長。例えば口の中を酸性状態にしておかないこともその一つだという。さらに「抱っこのやり方によっては舌や顎の発達を妨げてしまう場合もあり、妊婦のときから子どもの口腔ケアの情報を知ってほしい」と話す。こうした子どもの早期口腔ケアに備えるにはどんな知識が必要なのか、鎌田院長に詳しく聞いた。

(取材日2024年2月14日)

子どもの虫歯予防と口腔機能の発達に役立つ「早期からの適切な口腔ケア」

Q子どもの虫歯予防や口の発育サポートはいつ頃から必要ですか?
A
K’sデンタルクリニック べビーカーでも通れるバリアフリー設計の同院

▲べビーカーでも通れるバリアフリー設計の同院

お子さんの虫歯は家族のミュータンス菌が感染して起こるといわれますが、現在ではほかにもさまざまな要因が関係することがわかってきました。虫歯予防はそうした新たな情報を踏まえ、「口の中を酸性にしておかない」など適切なケアを0歳から行うことが大切です。また、舌や顎の発達にはお子さんの日頃の姿勢なども影響するため、抱き方にも気をつけてほしいですね。ただ、1歳6ヵ月の小児歯科検診でアドバイスをしても、すでに虫歯ができやすい口腔環境になっていることも。できればお子さんが生まれる前、いわばマイナス1歳児のときから保護者の方が口腔環境の知識を知っていただき、生まれた直後から適切なケアを始めるようお勧めします。

Q乳歯が生え始めるまで口の中はどうケアしたらいいでしょうか?
A
K’sデンタルクリニック 子どもが生まれる前からの口腔ケアの重要性を話す鎌田院長

▲子どもが生まれる前からの口腔ケアの重要性を話す鎌田院長

歯に対する直接的なケアは生え始めた後になるので、首が据わる生後4ヵ月頃からはお子さんに歯磨きに慣れてもらうといいでしょう。お子さんにとって歯ブラシは異物ですから、最初は優しく出し入れしながら、少し歯茎の上を転がすように刺激を与える感じで。保護者の方が真剣すぎると力が強くなりがちですから、お子さんと一緒に遊ぶ感覚で続けてください。また、お子さんはお乳を飲むとき、乳首を強くしごくように吸うことで舌や顎、口の周囲の筋肉も発達していきます。逆にこれらがうまく機能しないと、歯並びや噛み合わせが乱れる不全咬合にもなりかねません。哺乳瓶の場合もそうした飲み方を促すような飲み口を選んで使うことが大切です。

Qでは乳歯の生え始めから生えそろうまでのケアを教えてください。
A
K’sデンタルクリニック 普段のセルフケアと歯科医院でのクリーニングが重要

▲普段のセルフケアと歯科医院でのクリーニングが重要

歯が生えそろう前は、1日1回保護者の方が歯ブラシを使って磨き、それ以外はガーゼや歯磨きシートなどで簡単に拭き取る程度で構いません。乳歯がそろってきたら毎回歯ブラシで磨くほうがいいのですが、あまり一生懸命磨くとお子さんが痛がりますから気持ちにゆとりを持って磨いてください。前歯が生えてきたら、喉奥まで入らないストッパーつきの乳歯用歯ブラシを持たせて、握ったりくわえたりに慣れてもらいましょう。離乳食が始まったら、食事をして酸性に傾いた口の中を歯磨きなどで元に戻すようにすることが大切です。特に糖や酸が多く含まれたジュース、スポーツ飲料を飲んだら、水を飲ませて口の中の糖や酸を流すことを意識してください。

Q日常生活のちょっとした行動も、お口に影響があるそうですね。
A
K’sデンタルクリニック 出産前・妊娠中の口腔ケアに関する啓発に力を注ぐ

▲出産前・妊娠中の口腔ケアに関する啓発に力を注ぐ

例えば、お子さんの顔を見ながら抱っこしようとすると、お子さんの上半身を少し離して顔は見上げるような姿勢になると思います。この姿勢が舌や顎の発達に影響するのです。舌の適切な位置は先端が上顎に少しくっついている状態で、それにより舌の筋肉や上顎が発達するとされています。ただ、お子さんが見上げる姿勢をずっと続けていると、舌が喉奥に下がってしまうので舌や顎周りの筋肉が十分に発達せず、不正咬合につながる可能性もあります。また、口が開いたままになって口呼吸の癖がつくことも。口から雑菌やインフルエンザウイルスなどが喉に直接侵入して病気の原因にもなりますから、抱っこのときの姿勢を見直していただければと思います。

Qこちらは妊婦歯科検診での情報提供を重視されているそうですね。
A
K’sデンタルクリニック 資料を使いながらわかりやすく説明をしてくれる

▲資料を使いながらわかりやすく説明をしてくれる

ええ、1歳6ヵ月の小児歯科検診では遅すぎることがありますし、生後数ヵ月のお子さんと一緒に外出して当院を受診されるのも大変でしょう。ですから当院では妊婦歯科検診で来院されたときに、「生まれた直後から始めるお口のケア」「虫歯予防で大切な酸のコントロール方法」「0歳児に適切なフッ素入り歯磨きの使用量」「抱っこのときの姿勢による不正咬合のリスク」など、出産前に知っていただきたいことをお伝えしています。ご自宅でも情報共有していただけるよう、話の内容をまとめたリーフレットもお渡ししています。もちろん、気になることがあれば検診より前に相談に来ていただくのも大歓迎です。

ドクターからのメッセージ

鎌田 洋一院長

正しい知識をもとに適切なタイミングでお口のケアを行えば、お子さんの虫歯予防は意外に楽にできるはず。チョコレートなど甘いものを食べても、その後に口の中を酸性状態にしておかなければ良いんです。出産前に正しい知識を知って虫歯や歯並びが悪化するリスクを軽減し、子育てを楽しんでいただければと思います。また、3歳くらいになると口腔筋機能のトレーニングも可能ですが、そのときにあまり頑張る必要がないよう、授乳や抱っこなどにも気をつけて舌や顎周りの筋肉を十分に発達させておきましょう。当院では「マイナス1歳児からのお口のケア」として、妊婦歯科検診で出産後の歯科ケアの情報を提供していますのでぜひご利用ください。

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