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「睡眠負債」など近年注目の
子どもにも大人にも関わる睡眠障害

睡眠総合ケアクリニック代々木

(渋谷区/代々木公園駅)

最終更新日:2023/09/19

睡眠総合ケアクリニック代々木 「睡眠負債」など近年注目の 子どもにも大人にも関わる睡眠障害 睡眠総合ケアクリニック代々木 「睡眠負債」など近年注目の 子どもにも大人にも関わる睡眠障害
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2017年の流行語大賞にもノミネートされたほど、「睡眠負債」という言葉が注目を集めている。スマートフォンのアプリでも、睡眠中のログを取って管理しようというものが人気だ。裏返せば、自分の睡眠について不満や不安を抱えている人が増えているということといえそうだ。実際に、睡眠にまつわる病気やその潜在的なリスクにはどのようなものがあるのだろうか。「睡眠総合ケアクリニック代々木」では、あらゆる睡眠障害に対し、精神科・呼吸器内科・神経内科などの見地から総合的に検査・診断・治療を行っている。睡眠障害における最近の傾向や対策について、研究や後進の育成にも力を注いでいる井上雄一理事長に聞いた。

(取材日2018年2月7日/更新日2023年9月7日)

女性や子どもにもある睡眠時無呼吸症候群、高齢者を悩ます不眠症や過眠症、寝ぼけて暴れ食べ散らかす悩みも

Q最近話題の「睡眠負債」とは、どういうものでしょうか?
A
睡眠総合ケアクリニック代々木 井上先生をはじめ、睡眠障害のスペシャリストがそろうクリニック

▲井上先生をはじめ、睡眠障害のスペシャリストがそろうクリニック

実は新しい概念ではなく、80年代に米国スタンフォード大学で提唱されたSleep Debtという言葉です。わずかな睡眠不足も日々重なっていくとつけがたまり、借金が膨らんで返せなくなるイメージです。俗にいう「寝だめ」は平日寝れなかった分を週末にたくさん寝て、睡眠の返済をしているわけです。今日15時間眠れば明日から3時間睡眠でよいのではありません。睡眠不足の常態化は生活や仕事の質を下げるだけでなく、不眠症やうつ病、高血圧症などにつながりかねません。また睡眠負債は免疫システムに影響して、がんのリスクを高めたり、認知症の原因物質が睡眠中に排出されるのを妨げ、発症リスクを高めるといった研究結果もあります。

Q睡眠の病気というと、「睡眠時無呼吸症候群」をよく聞きます。
A
睡眠総合ケアクリニック代々木 同院では睡眠時の呼吸や脈拍などを計測することも可能

▲同院では睡眠時の呼吸や脈拍などを計測することも可能

常習性いびきの延長線上で、睡眠中に繰り返し呼吸が止まるようになる病気です。国民の4~5%が該当するといわれます。中高年の男性が多いですが、女性でも閉経に向け、呼吸に必要な筋肉の保護作用がある黄体ホルモンの分泌が徐々に減っていくので、閉経される年代以降は男女差なく見られるようになります。治療法としては、睡眠中に鼻マスクやマウスピースを装着して物理的に気道を確保する方法があります。子どもに多いのは、扁桃肥大で気道が塞がれているケース。この場合は扁桃切除手術を行います。就学児童ですと、睡眠の質の低下によって集中力や学力低下につながり、気にされた親御さんがご相談におみえになります。

Qその他にも、睡眠にまつわる病気はたくさんあると聞きました。
A
睡眠総合ケアクリニック代々木 各種検査や問診で病気を特定し、適切な治療を提供する

▲各種検査や問診で病気を特定し、適切な治療を提供する

睡眠の病気や障害は、国際分類で約90種と多岐にわたります。特に訴えで多いのは、なかなか寝つけない不眠症やいくら寝ても日中に眠い過眠症、日中の眠気が強く、断続的に居眠りを繰り返すナルコレプシーなどです。他にも、夜更かしや朝寝坊など、睡眠時間帯のズレで起きる概日リズム睡眠障害や睡眠中のいびきや呼吸停止、寝ぼけ、足のぴくつきなどの異常行動などの症状で困っている患者さんも多くいます。総じて不眠症は高齢女性に多く、寝ぼけ食べやむずむず脚症候群も女性に多い症状です。普段は紳士的でも、寝ぼけて暴れる症状は65歳以上の男性に見られます。

Q睡眠は大切とわかっていても、実現できていない人が多そうです。
A
睡眠総合ケアクリニック代々木 井上先生は、医師向けだけでなく一般人向けの本も多数著してきた

▲井上先生は、医師向けだけでなく一般人向けの本も多数著してきた

日本人の睡眠時間は、この30年で1時間ほども短くなっています。睡眠をおろそかにすると健康上の弊害が大きいという知識の啓発はだいぶ進みました。ただ、ほとんどの方が、ご自分は大丈夫だと思い、不摂生を続けられているように見受けられます。24時間営業の店舗が増え、夜勤やシフトでの不規則な生活を強いられる人も増えています。社会全体が夜型化している中で難しいですが、できれば夜は11~12時には就寝し、朝6~7時に起床が本来は望ましいのです。個人差はありますが睡眠時間は7時間を目安にしたいですね。また、週末であっても寝起きのタイミングは2時間以上はずらさないのがお勧めです。

Q睡眠導入剤には不安もありますが、他にも対処法はありますか?
A
睡眠総合ケアクリニック代々木 臨床心理士によるカウンセリングを受けることができる

▲臨床心理士によるカウンセリングを受けることができる

従来の睡眠剤は筋力を弱める作用があり、高齢者などには、ふらつきや転倒リスクもありました。最近は副作用が表れにくく、依存性も形成されにくい薬も出ています。その方の状況に合わせて最適な睡眠導入剤を考えることができますので、まずは相談いただきたいですね。そのほか、認知行動療法の考えを取り入れた睡眠コントロールも行っています。臨床心理士による50分のカウンセリングを2~4週間隔で4~6回行いますが、次回カウンセリングまでに宿題で、自分の考え方や生活を見直していただきます。3~4ヵ月かけて対応していくので、生活の改善をめざすことができます。また当院では、概日リズム睡眠障害の教育入院も行っています。

ドクターからのメッセージ

井上 雄一理事長

夜間睡眠に満足していない人は、日本人の4~5人に1人といわれます。そのうち、病気といえるのは、社会生活に影響があるものと考えれば1割程度でしょう。不眠症はたいていかかりつけ医に睡眠導入剤を出してもらって服用すれば、解消は見込めるものです。ただ、それでも改善が見られずに、治療法をステップアップさせたいという方がよくみえていますね。また、薬を増やすのは、患者さんも当院としてもなるべく避けたいので、いかに薬だけに頼らずに治療効果を上げられるかに尽力しています。とは言え、不調な時に薬を減らすのも良くないことです。患者さんの状況に応じた薬の変更や調整が大切ですので、悩みがあればぜひ一度ご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

睡眠コントロールのためのカウンセリング:1回50分 7000円

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