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南 有沙 院長の独自取材記事

芦屋おく内視鏡クリニック

(芦屋市/芦屋駅)

最終更新日:2024/02/28

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック main

美しい街並みが広がる芦屋にある「一般社団法人MSO 芦屋おく内視鏡クリニック」。白を基調とし、開放感にあふれる院内はまるで高級ホテルのような印象を受ける。そんな同院で、奥久徳(おく・ひさのり)先生とともに診療するのが、南有沙(みなみ・ありさ)院長だ。2023年12月に奥久徳を継いで院長に就任。これまで関西電力病院や大阪中央病院に勤めてきた経歴を持つ。2人の子どもを育てる母でもあり、女性目線で診療を行う南院長は、「女性の検査に対する抵抗感を少しでも和らげ、病気の早期発見と早期治療を提供したい」という強い気持ちを胸に、日々診療に励む。予防医学を追求するため、絶えず努力を続ける南院長に、内視鏡検査に対する思いや診療の心がけなどを聞いた。

(取材日2020年12月8日/情報更新日2024年1月23日)

同じ女性として、女性の心と体に寄り添った診療を

医師をめざしたきっかけを教えてください。

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック1

もともと免許を持って、人助けをしたい、という思いがありました。学生の時から生物学が好きでしたし、親も医師だったので、医師という存在が身近にあり、想像もつきやすかったこともあります。医学部に進学する前は、漠然と「医学部は試験管を振ったり、研究をたくさんしたりするのかな」と思っていましたが、実際の医学は、人と人とのコミュニケーションが大切でした。私自身も人とのコミュニケーションを取ることが向いているなと思い、臨床の道へ進んだのです。消化器内科を選んだのは、全身を診察したいと思っていたからです。「おなかが痛い」「おなかを壊した」といった経験は、誰でもありますよね。そんな身近にある症状を、患者さんに近い存在として相談に乗ることができたら、という思いがあり、消化器内科を選びました。

どのような患者が多いですか。

30代から50代の、女性の方が多いですね。特に大腸内視鏡検査は、女性の中には男性医師に抵抗がある方もいらっしゃいます。また月経周期や、妊活中の悩みなどは、男性医師には相談しづらいという思いもあるでしょう。ですから同じ女性として、女性の気持ちに寄り添った診察を行うように心がけています。

関西電力病院や大阪中央病院などにお勤めだったそうですね。

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック2

はい。女性医師は妊娠や出産をきっかけに、どうしてもブランクが空いてしまいやすいため、出産後は検診に従事される方もいらっしゃいます。でも私は、これまで得た知識や経験を生かしながら、内視鏡の検査や治療をやり続けたいという思いがありました。するとちょうど2人目の子どもが生まれたところで、奥先生にお声がけいただいたのです。大きな病院とクリニックでは、いろいろと違う点もあり、日々勉強しています。一番感じるのは、患者さんとの距離が近いことですね。奥先生と相談しながら、できるだけ患者さんの希望に沿った診療を行うようにしています。

内視鏡検査への抵抗感を払拭し、病気を早期発見したい

内視鏡検査で心がけていることはありますか。

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック3

患者さんに「つらい」と思わせないような検査を行うことです。大腸検査の場合は、検査時間が長いと腸に空気が入り、患者さんが苦しくなってしまいます。そのため、スピーディーに終わらせることも重要です。しかし検査を早く終了させるために、無理に進めることは絶対にありません。大腸検査は前日から下剤を摂取し、絶食をした状態でお越しいただいています。そんな状態でいらしてくださる患者さんのために、痛みは少なくしながら、入念な検査を行うように心がけています。また胃カメラも喉を通るので、決して楽な検査ではないと思います。不安がある患者さんには、静脈麻酔を使用することで、負担の少ない検査を提供したいと思っています。

内視鏡検査でポリープが発見された場合、その場で切除することもできるのでしょうか。

大腸の場合、基本的には可能です。ただ悪性のものを疑う場合は、クリニックで切除を行うことは、患者さんのためになりません。例えば「このポリープを取ったら、2日間絶食しなければならない」という状況や、がんを疑うようなポリープであれば、処置の仕方も特殊な方法に変わってきます。きちんと状況を見極め、患者さんにとって危険がある場合は、専門の病院を紹介することも、私たちの重要な役割だと考えています。当院はさまざまな病院と連携していますので、責任を持ってご紹介させていただきます。

先生が、内視鏡検査にこだわる理由をお聞かせいただけますか。

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック4

消化器内科領域には、身近な症状が多くある分診療の範囲が広いです。胃や腸だけでなく、肝臓や胆嚢などもその領域に含まれますし、病気でいえばがんや炎症性大腸疾患、肝硬変などもそうです。そこで幅広く重要な役割を果たすのが、内視鏡検査なのです。学ぶことも多い分野ですが、早期に病気を見つけ早期の治療につなげたいという思いで取り組んでいます。以前、私と同じ世代でお子さんもいらっしゃる女性の方の検査を行った時に、がんの発見が遅れ、お亡くなりになったことがありました。今でも思い出す度に涙が出ます。がんの発見が遅れる理由は、過去に受けた内視鏡検査がつらかったことで、検査に抵抗感を感じたからという場合もありますが、それは私たち医師の責任だと思っています。取り返しのつかない状況をつくり出さないためにも、早い段階の内視鏡検査を定期的に受けてもらいたいという思いから、できるだけ痛みを感じにくい治療を提供したいのです。

あらゆる年代が気軽に受診できるクリニックをめざして

ご自身で内視鏡検査を受けて学ぶこともあるそうですね。

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック5

はい。自分が受ける前と後では、その後の検査の仕方が違ってきますね。例えば私は、自分で検査を受けた時、看護師さんが背中をさすってくれて、とても楽になったんです。ですから私が検査を行うときは、スタッフにも背中をさすったり、不安がある方には手をつないでもらうようお願いしています。また、麻酔をかけず起きている状態で検査を行う方には、声がけをするようにしています。「ここは目を開けておいたほうが楽ですよ」や、「ここで息をしたほうが楽ですよ」といったアドバイスも行いますし、「今はちょっときついところを通りますよ」と状況を説明することもあります。そういった声がけをするだけでも、緊張がだいぶほぐれるんですよ。

お仕事と育児をなさっていて、お忙しい日々だと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?

仕事がある日は毎朝とても慌ただしく、日々嵐のような時間を過ごしています(笑)。今は新型コロナウイルス感染症流行の影響で、あまり遠出もできず、旅行も行けないので、休日は2人の子どもを連れて公園に行ったりしています。室内で遊ぶ所にもなかなか連れて行くことができないので、悩ましいところですね。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

南有沙院長 芦屋おく内視鏡クリニック6

大腸内視鏡検査は、40歳を超えたら受けたほうが良いといわれています。しかしお若い方でも、例えば血便や便秘、下痢などの便通異常、おなかが張るなど、何か気になる症状があれば、早期の検査が望ましいので、ぜひ受けていただきたいですね。特に便秘は、大腸がんのリスクにもなります。当院は便秘専門の診療も行っていますので、何か気になることがあれば、ご相談いただけたらうれしいです。また検診で異常を指摘されなくても、隠れたポリープが潜んでいる場合もありますので、ぜひ定期的に受診をしていただければと思っています。院内は清潔感を重視し、モダンな内装のクリニックですが、逆にきれいすぎて入りづらい、と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも地域のかかりつけ医として、通いやすいクリニックをめざしていますので、困り事があるときは、気負わずいつでもいらしてくださいね。

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