全国のドクター9,189人の想いを取材
クリニック・病院 158,628件の情報を掲載(2024年4月30日現在)

  1. TOP
  2. 兵庫県
  3. 芦屋市
  4. 芦屋駅
  5. 一般社団法人MSO 芦屋おく内視鏡クリニック
  6. 奥 久徳 先生

奥 久徳 先生の独自取材記事

芦屋おく内視鏡クリニック

(芦屋市/芦屋駅)

最終更新日:2024/02/28

奥久徳先生 芦屋おく内視鏡クリニック main

落ち着いて上品な雰囲気が漂う芦屋にある「一般社団法人MSO 芦屋おく内視鏡クリニック」は、内視鏡検査に特化したクリニックだ。白を基調とした美しい院内は、病院独特の緊張するような雰囲気とは異なり、まるでホテルのような居心地の良さ。「日本人の死亡原因はがんが圧倒的です。しかし、早期発見することで予後が良いことが望めるがんもあります。大腸がんはその最たるもの。内視鏡検査を実施することで、大腸がんで亡くなる方をゼロにしていきたい。それが私の目標です」。爽やかな笑顔で力強くそう話してくれたのは奥久徳(おく・ひさのり)先生。その瞳の中には、磨き上げてきた技術への自信と予防医学への情熱があふれていた。

(取材日2019年1月16日)

健康な人が健康を確認しに行くクリニックづくり

とても美しいクリニックですね。

奥久徳先生 芦屋おく内視鏡クリニック1

ありがとうございます。クリニックをつくるにあたって「健康な方が自分の健康を確認するためのクリニックをつくろう」と考えました。今、すでにどこかの調子が悪くて病院に行くのではなく、内視鏡検査や治療、健康診断といった予防医学を中心にして、本当にちょっとしたことを確認しに行くための場所にしたいと考えたのです。そのためには、消毒液のにおいがするような場所ではいけないと思いました。調子が悪い時には安心につながるようなクリニックの雰囲気は、健康な時にはハードルになってしまう。そうであるなら、徹底的に居心地の良い空間にしたいと考え、造りにこだわりました。

クリニックではどのようなことができるのでしょうか?

1つは内視鏡を使った検査ですね。胃や大腸の様子を内視鏡を使用して検査します。日本の死亡原因で一番多い病気はがんで、日本人の3人に1人ががんで亡くなっているといわれています。胃がんや大腸がんは初期には無症状で、気がついたときには手遅れの場合もあります。治療を始めるのが早ければ早いほど良く、完治の可能性を飛躍的に高めることが期待できるのですが、早期発見のためには、内視鏡検査が不可欠。ぜひ受けていただきたい検査です。2つ目は便秘専門の診療。体質だと思い、便秘を放置している人は少なくありませんが、便秘は深刻な病気です。ぜひ相談してほしいですね。そして3つ目は一般内科。特定の臓器・疾患に限定せず「なんかちょっとおかしいな?」に対応しています。

内視鏡検査というと、痛みがあるのではないかと不安に思う人が多いのではないでしょうか?

奥久徳先生 芦屋おく内視鏡クリニック2

そういうイメージをお持ちの方はすごく多いと思います。内視鏡検査で苦痛を感じる原因は、検査の際に入る空気だったり、腸が引き伸ばされることが原因になっています。当院では痛みを最小限にできるよう、軸保持短縮法という方法を採用し、無理に押し込むような操作をしないように心がけています。腸は曲がりくねっていますから、内視鏡をうまく進めるには医師の内視鏡に関するある種の職人技が必要です。腸のどの部分まで見れるかも医師の技術次第です。当院は年間を通して多くの検査を実施していますので、安心してお任せいただけるのではと思っています。

気軽に相談したり受診できる医療機関でありたい

内視鏡検査に特化したクリニックをつくろうと思ったのはなぜですか?

奥久徳先生 芦屋おく内視鏡クリニック3

私は医療はもっと患者さんに寄り添えるのではないかと考えています。病院という場所は誰にとっても「あまり行きたくない場所」であり、敷居が高く感じる。聞きたいことがあっても、忙しそうな医師の様子に緊張してしまったり、「こんなことを聞いたら悪いかな?」と思ったりして相談できなかったという経験を持っている人は少なくないでしょう。さらに、いざ検査や治療に行こうと思っても時間が合わずに行くことができないままに時間が過ぎていく。そんな状態は患者さんにとっていいことではないと思います。そういった現状を考えると、私は医療はもっと身近な存在に、つまりコンビニエンス化するべきだと考えています。

「医療のコンビニ化」とは具体的にどんなことですか?

1つは気軽であるということ。コンビニに行くのに、わざわざ準備したりしませんよね。思いついた時にふらりと立ち寄れる気軽さ。そして、いろいろなものがあるということ。何か1つに特化した専門店ではなく、なんでも一通りあること。大学病院や専門病院は1つの病気について研究し、専門的な治療を行うための場所として必要です。しかし、われわれのような地域のクリニックで必要なのは、まずは患者さんが生活していく中で感じる不調に対して、対応していくことだと思っています。ですから「この症状は何科だろうか?」と考えることなく、まず気軽に「こんなことが気になるんです」と足を運べるような場所でありたいと考えています。

「医療のコンビニ化」を実現するために取り組んでいることはありますか?

奥久徳先生 芦屋おく内視鏡クリニック4

まずは時間の工夫ですね。平日の昼間に仕事をしている方々が来院しやすいよう、土曜は18時、日曜も13時まで診察と検査時間を設けました。また、月・水・金曜も18時まで診療しています。どちらもお仕事がお休みだったり、お仕事を終えて疲れている貴重な時間です。その時間に足を運んでいただくのですから、院内は気持ちの良い空間でなくてはいけないと思っています。2つ目の工夫として、検査前や検査後にリラックスして過ごしていただけるように、リクライニングチェアもご用意しています。ご夫婦やご家族、ご友人と一緒に時間を過ごしていただければと思います。3つ目の工夫として、当院は当日予約の枠を必ず残しています。突然時間が空いた、今日なら行ける、という日があれば、まずはお電話ください。可能な限り、当日予約と当日検査に対応できるように体制を整えています。

定期的に自分が健康か確認をする習慣をつけてほしい

当日予約・当日検査ができるのは、患者にとって魅力がありますね。

奥久徳先生 芦屋おく内視鏡クリニック5

検査を受けていない理由を聞くと、時間的なものが言い訳になっていることが多いのではないかと思います。例えば「1年に1回検査をしましょう」と言っても、検査をした時に1年後の予定はわからないですよね。人によっては1ヵ月後の予定だって不確定の方もいらっしゃいます。そういった方にも気軽に検査を受けてもらうことができれば、医療はもっと身近になり、病気の予防という観点から見ても意味があることだと思います。町のクリニックは、もっともっと気軽に足を運べる場所であるべきだと考えていますので、そうできるように取り組んでいきたいです。もちろん、大変な部分もありますが、自分が若く体力のある今だからこそ、できる取り組みだとも思うので、頑張っていきたいと思います。

便秘専門の診療も行っていると伺いました。

「便秘は病気ではない」と思って放置している人はたくさんいます。もしくは誤った医療情報をもとに、自己判断で下剤を服用したり、サプリメントを試したりしている人も少なくないでしょう。しかし、それでますます便秘を悪化させることはあっても、根本的な改善をすることは難しいのです。慢性化した便秘や下剤の常用で腸の働きが低下している場合、腸が正常な働きを取り戻すまでに半年以上かかることもあります。食事や生活習慣の改善、運動不足の解消などを医師の指導のもとに行うことで、下剤のいらない生活を送れる可能性が広がります。肌荒れや、イライラ、不眠の解消にもつながることも。便秘でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

最後に、読者へメッセージをいただけますか?

奥久徳先生 芦屋おく内視鏡クリニック6

皆さんにとって病院は「何かが起こってから行くところ」なのではないかと思います。ですが、普段から定期的にご自分の体調などをチェックをしたり、小さな疑問を解決するためにクリニックに足を運んでいただきたいと考えています。できれば一時的ではなく、人生をともに歩むようなかかりつけ医を持ってほしい。今は巷にさまざまな健康情報があふれている時代です。正しい医療情報を選択していくことは簡単ではありません。そんな時代だからこそ、私たち医師を上手に利用してほしいと思います。何の症状もないからと、検査を受けずにがんが進行してしまった、ということがないように、正しい知識を持って検査や治療を選択することができる。そんな医療サービスを提供できるようこれからも頑張ります。

Access