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早期発見・治療がポイント
日本人に多い非アルコール性脂肪性肝炎

ふじもとクリニック

(箕面市/桜井駅)

最終更新日:2023/07/11

ふじもとクリニック 早期発見・治療がポイント 日本人に多い非アルコール性脂肪性肝炎 ふじもとクリニック 早期発見・治療がポイント 日本人に多い非アルコール性脂肪性肝炎
  • 保険診療

一昔前まで、アルコールが原因というイメージが強かった肝臓の病気。現在はウイルス性や脂肪性の肝炎など、必ずしも飲酒を原因としない肝臓のトラブルにも注意を払う必要があるという。中でも気をつけたいのが、日本人に多いという非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)。進行すれば肝硬変や肝臓がん(肝がん)のリスクがあり、早めの受診による発見と治療が何より求められる。こうした肝臓病に対し、肝臓内科のエキスパートとして取り組んでいる一人が「ふじもとクリニック」の藤本研治院長。今回は豊富な知識や経験、専門的な医療技術を有する藤本院長の解説により、非アルコール性脂肪性肝炎の傾向と対策、大切なポイントなどにじっくりと迫ってみた。

(取材日2023年6月13日)

「物言わぬ」肝臓の異変は早めの受診が最重要。脂肪肝や肝硬変から自分を守る

Q肝臓の病気には、どのようなものがありますか?
A
ふじもとクリニック 肝臓の病気は、初期症状に気づきにくい

▲肝臓の病気は、初期症状に気づきにくい

肝臓の病気は、主に急性や慢性の肝炎、肝硬変、肝臓がん(肝がん)の3つが挙げられます。現在一番多いのはA型・B型・C型といったウイルス性肝炎で、もう一つ増加しているのが脂肪性の肝炎です。肝炎というのは肝臓の炎症のことで、慢性化すると肝細胞の線維化が進み、肝硬変という状態を引き起こします。肝臓はぎりぎりまで頑張ろうとするので、肝硬変になっても初期のうちはなかなか自覚できません。体のだるさや微熱、食欲不振などの症状が出てきた時には、かなり進行していると考えられるでしょう。やがて全身のかゆみや黄疸、腹水などが現れ、最終的には肝不全や肝臓がん(肝がん)に至るケースもあるので日頃からの注意が大切です。

Q非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)について教えてください。
A
ふじもとクリニック 日本人に多く、酒を飲まない人でも注意が必要

▲日本人に多く、酒を飲まない人でも注意が必要

少し前まで、肝臓の病気といえばお酒の飲みすぎによるアルコール性肝障害を思い浮かべる人が多かったと思います。しかし現在は、アルコールやウイルス感染を原因としない非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)にも注目する必要があります。タンパク質や脂質、糖質といったエネルギーは、消費されない分が中性脂肪に置き換わります。その脂肪が肝臓にたまると脂肪肝となり、脂肪が炎症を引き起こし、線維化が進んで肝炎や肝硬変になります。脂肪肝は生活習慣病ともいえますが、日本人は遺伝子的な理由から非アルコール性脂肪性肝炎になりやすく、また非肥満の患者さんが多いのが特徴です。お酒を飲まず、体型がスマートな人でも油断はできません。

Qどのようなタイミングで肝臓内科を受診すべきでしょうか?
A
ふじもとクリニック 早期発見、早期治療が重要となる

▲早期発見、早期治療が重要となる

40歳を過ぎれば、たいていの皆さんが定期健診や住民健診を受けられます。肝機能異常が認められた方、糖尿病や脂質異常の疑いがある方は、肝臓内科や消化器内科を必ず受診してください。肝臓に関する家族歴がある方も同様です。せっかく検査を受けて異常を指摘されたのに、そのまま放置する人が多いのは残念なことですね。大切なのは早期発見と早期治療。異常値があれば、すぐにでもご相談ください。また近年は、B型肝炎の水平感染やEBウイルスによる若い世代の肝障害も増えています。微熱や体のだるさ、食欲不振などをちょっとした風邪と勝手に自己診断せず、1週間たっても治らないようであれば必ず内科を受診してほしいと思います。

Qこちらでは画期的な検査方法が可能とお聞きしました。
A
ふじもとクリニック 先進の機器を用いて、比較的少ない負担での検査が可能

▲先進の機器を用いて、比較的少ない負担での検査が可能

肝臓の状態を詳しく確認するには専門病院での肝生検が原則ですが、基本的には入院が必要となり、腹部に針を刺すなどの侵襲を伴うことが患者さんにとっては大きなハードルでした。そこで複数の大学や医療機器メーカーの研究に私も加わって共同開発したのがエラストグラフィ機能です。これは超音波(エコー)検査に付加できる新機能で、従来のエコーでは評価できなかった肝臓組織の硬さをおなかの外から確認できる上、超音波減衰法という手法によって脂肪肝の評価も可能です。検査にかかる所要時間は、わずかに10分間程度。侵襲はなく放射線も使いませんので、非アルコール性脂肪性肝炎の診断に有用です。

Q非アルコール性脂肪性肝炎の具体的な治療法を教えてください。
A
ふじもとクリニック 規則正しい生活を心がけ、じっくりと治療に取り組むことが重要

▲規則正しい生活を心がけ、じっくりと治療に取り組むことが重要

まず必要なのは、食事指導と運動指導。カロリー制限や減量、有酸素運動などを行い、体内の脂肪を落としていくことが基本です。また、糖尿病や高血圧、脂質異常といった基礎疾患がある方は、それぞれに応じた薬による治療も併せて行っていきます。それでも改善が見られないようであればビタミンEなどの抗酸化剤を処方。酸化ストレスの軽減によって脂肪の酸化を防ぎ、肝臓の炎症を鎮めていくことをめざします。脂肪性肝炎をそのまま放置していると、やがて肝硬変や肝がんを招いてしまうリスクがあります。どんな病気にもいえることですが、主体となるのはあくまで患者さん。自覚を持って、じっくりと治療に取り組んでいくことが何より大切です。

ドクターからのメッセージ

藤本 研治院長

肝臓は昔から「沈黙の臓器」といわれています。自覚症状がないからといって決して安心はできません。ちょっと体調が思わしくないと感じた時はもちろん、健康診断で肝機能や脂肪値、血糖値に異常が見つかった場合は必ず受診してください。あと、肝炎ウイルス検査は現在ほとんどの市町村で受けられ、当院も箕面市の肝炎ウイルス検査を提供しています。若いうちにチェックしておくのが望ましいですが、生涯に1回は必ず受けていただきたいと思います。当院は北摂エリアはもちろん、兵庫県や大阪市内からも大勢の患者さんが検査や相談にお越しになります。便利な駅前にありますから、ぜひ肝臓内科受診のきっかけにしていただければ幸いです。

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