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武知 公博 院長の独自取材記事

きりんウィメンズクリニック武蔵野

(武蔵野市/三鷹駅)

最終更新日:2024/04/12

武知公博院長 きりんウィメンズクリニック武蔵野 main

三鷹駅から徒歩7分。井の頭通り沿いにある「きりんウィメンズクリニック武蔵野」は、大きなキリンの像が目印の産婦人科のクリニックだ。2022年に名前も含めてリニューアルし、武蔵野市でお産のできる医院として、地域の力になっている。2024年4月から院長を務める武知公博(たけち・きみひろ)先生は、婦人科腫瘍を専門とする医師だが、産科診療の経験も豊富。多摩地域で医師としての半生を過ごし、多摩の医療にさらに力を尽くしたいと、院長に就任した。「お産は安全が何より大事」という医療への思い、そして今後の抱負を聞いた。

(取材日2024年2月28日)

武蔵野市でお産のできる数少ないクリニック

クリニック名が印象的です。

武知公博院長 きりんウィメンズクリニック武蔵野1

この場所はもともとは地域の方が多く働く製菓会社の倉庫だったそうです。取り壊してマンションにという話もあったようですが、元のオーナーさんのお気持ちもあって、池下久弥理事長が2016年に「池下レディースチャイルドクリニック」として開院したのが始まりです。さらにより親しまれるクリニックをめざして、キリンをトレードマークに、2022年7月に院名を含めてリニューアルしました。産科では妊婦健診から普通分娩、無痛分娩、帝王切開などの産科手術まで、婦人科では月経困難症や更年期障害などの婦人科疾患の診療、がん検診やその後の精密検査にも対応しています。より高度な医療が必要な場合は、杏林大学医学部付属病院、武蔵野赤十字病院をはじめ、近隣の病院と連携して治療にあたっています。患者さんは武蔵野市を中心に、広く多摩エリアからお見えです。スタッフも徒歩や自転車で通える範囲の者が多く、まさに地域密着型のクリニックですね。

院長就任の経緯を教えてください。

もともと中学、高校の頃は小平市に住んでいましたし、医師としてもその四半世紀のキャリアのほとんどを多摩地区で送ってきました。また現在、東京産婦人科医会の理事も務めていて、多摩地区は特に関わりの深い地域です。今回院長にというお話をいただいたとき、「武蔵野市で分娩を行っているクリニックはここしかない」と聞き、多摩の産婦人科医療に少しでも尽力できればと、就任を決めました。もともとは婦人科腫瘍を専門としており、公立昭和病院で長い間その診療に携わってきました。一方で同院が地域周産期母子医療センターの指定を受けるのに尽力し、産科部門の責任者も務めていました。周産期母子医療センターは、地域の開業医の先生方から、緊急、あるいはハイリスクの患者さんを受け入れる側で、今度は逆の立場になるわけですが、搬送のタイミングやハイリスクとローリスクの判断などに経験を生かせるのではないかと思っています。

がん検診では、コルポスコピー検査も行っているそうですね。

武知公博院長 きりんウィメンズクリニック武蔵野2

がん検診は婦人科の医師であれば誰でも行えますが、やはり腫瘍を専門的に診療してきた医師の検査は背景の力が違うと思っています。例えば、子宮頸がんの検診にしても、子宮頸がんを実際に診たことのない医師より、診断や手術を含めた治療をして豊富な経験を持つ医師のほうが、患者さんはより安心できるのではないでしょうか。子宮がん検診で要検査となった場合、精密検査であるコルポスコピー検査も当院で行うことができます。対象となる方は遠慮なくご相談ください。

母親と赤ちゃんの安全を第一に考える

こちらの産科の特徴を教えてください。

武知公博院長 きりんウィメンズクリニック武蔵野3

お母さんと赤ちゃんの安全を第一に、お母さんが安心してお産を迎えられることを大切にしています。そのために医師による妊婦健診の他に、助産師がカウンセリングを行い、お母さんの話をしっかり聞いて不安や疑問の解消に努めています。またお母さんのバースプランを助産師と一緒に検討して、前向きに出産に向き合うきっかけをつくることを心がけています。出産後は原則として母児同室ですが、お母さんが「ゆっくり休みたい」と希望なさる場合には赤ちゃんをお預かりすることもできます。同じ建物内に小児科のクリニックがありますので、そちらと連携して新生児の健診を行っています。

無痛分娩にも対応なさっていますね。

近年患者さんからのニーズが高くなっていますので、それにお応えしていく必要があると考えています。当院の無痛分娩は、何より患者さんの安全を大事にし、経験豊富な麻酔科医師による硬膜外麻酔を実施しています。薬剤を本格的に投与する前に少量を投与し、問題なく麻酔が行えるか安全性を確認しながら、分娩を行っています。無痛分娩は、お母さんにとって負担を少なくお産を乗り切り、赤ちゃんとの新生活をスムーズにスタートさせるために有用な方法です。ご興味のある方はぜひご相談ください。ただ、無痛分娩にはメリットとデメリットがあるので、状況に関して事前に十分にご説明し、最終的には患者さんに選択していただいています。

入院中の食事にも力を入れているそうですね。

武知公博院長 きりんウィメンズクリニック武蔵野4

食事は当院の自慢です。「見て良し、食べて良し」の料理で、入院中はきっと満足していただけると思います。出産後にお出しするお祝い膳は、お母さんだけでなく、お父さんも一緒に召し上がっていただけるんですよ。母親学級やベビーマッサージなど診療以外のプログラムも充実しています。顔見知りのスタッフに相談したり、同じ立場のお母さん方と交流したりすることで、お母さんのメンタルの安定も期待できると思います。

クリニックの診療方針を教えてください。

常に安全に十分配慮した医療を提供することですね。当院は産科医療が中心ですから、お母さんも赤ちゃんも元気ということを大切にしています。スタッフ含め、赤ちゃんを産み育てるお母さんや、女性特有の悩みや不安を感じている患者さんに寄り添い、親身に対応していく方針が浸透していますので、これからもチームで対応していきたいと思います。近年は家族や周囲のサポートが受けられず、孤立した患者さんもおられますので、当院では1ヵ月健診の時に、お母さんのメンタル面のチェックも必ず行い、お母さんの心の問題も慎重に見守っています。

地域に親しまれる存在に

診療で大事にしていることは何ですか?

武知公博院長 きりんウィメンズクリニック武蔵野5

患者さんに満足して帰っていただくことを心がけています。少子化が進み、今1人の女性が一生の間に産む子どもの数は1人か2人になっています。そうなると、出産は人生の一大イベント。そのイベントに心から満足して、お産をして良かった、子どもを持って良かったと思っていただけるようにお手伝いをしていきたい。そのためには患者さんは診療に関してわがままであっていいと思うんですよ。産科でも婦人科でも「こんなことを言ったら変に思われる」などと遠慮せずになんでも話していただければうれしいですね。

先生が産婦人科を専門になさったきっかけは?

外科と内科、両方を組み合わせた診療ができることに惹かれました。悪性腫瘍などの手術もあれば、内科的な内服治療もある。学生の時には、婦人科がん、特に卵巣腫瘍の多様性に興味がありました。実際に医師になってからは、腫瘍の診療をしながら、産科の責任者を務めるなど、産科の仕事にも多く携わってきました。「産科医療補償制度」といって、分娩に関して重度脳性麻痺になった赤ちゃんとご家族の経済的負担を補償すると同時に、発症の原因分析を行う制度があるのですが、その原因分析の委員として報告書の作成も行っています。大切にしている仕事の一つです。

お忙しいと思いますが、ご趣味などありますか?

武知公博院長 きりんウィメンズクリニック武蔵野6

頭の老化防止のために、中国語の勉強をしています。昔から漢詩の調べが好きで、漢文は好きな科目だったのですが、今はテレビやラジオの講座で独学しています。最近は単語を2つ覚えると、3つ忘れる、という具合ですが(笑)。中国語と日本語は、共通した漢字を持つものの、同じ漢字でも意味が違ったり、熟語のニュアンスがまったく別だったり、面白いんですよ。中国人の患者さんに、中国語の発音でお名前をお呼びすると、とても喜ばれるので励みになりますね。

今後の展望をお聞かせください。

最近、安くて、おいしく、地元の人に愛される町中華が人気ですが、当院も町中華のように、地元の方に愛される親しみやすいクリニックをめざしたいですね。受診のハードルが高いと思われがちな産婦人科ですが、ざっくばらんになんでも話していただける、“町中華のおやじ”のような医師でありたいです(笑)。私が敬愛するある先生が「婦人科医は女性の健康の総合的門番」だとおっしゃっていますが、そのとおりで、この症状はどこで診てもらえばいいんだろうと悩んだら、まずご相談ください。適切な道筋をつけて、お力になりたいと思っています。

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