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痛みに配慮した日帰り手術で早期回復を図る
痔の治療

狛江外科胃腸科医院

(狛江市/狛江駅)

最終更新日:2023/09/28

狛江外科胃腸科医院 痛みに配慮した日帰り手術で早期回復を図る 痔の治療 狛江外科胃腸科医院 痛みに配慮した日帰り手術で早期回復を図る 痔の治療
  • 保険診療

排便時の出血や肛門周辺に痛みや違和感を伴う痔は、お尻に関わる疾患だけに、人にはなかなか相談しづらいもの。早期に受診したくても、気恥ずかしさからつい二の足を踏んでしまっている人も多いのではないだろうか? 痔には大きく分けて、肛門付近にイボができる「痔核(イボ痔)」、肛門の皮膚が切れる「裂肛(切れ痔)」、肛門の周囲が化膿して引き起こされる「痔ろう」の3タイプあり、痔核が痔全体の半分以上を占めるという。痔の日帰り手術を数多く手がける「狛江外科胃腸科医院」の稚田仲啓院長に、受診すべきタイミングや受診せずに放置した場合のリスク、また肛門内部にできる痔核に対する治療として知られる内痔核硬化療法に関することを中心に、痔の治療をステップ別に解説してもらった。

(取材日2023年8月29日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Qどのような症状があったら受診するべきでしょうか?
A

排便時に出血があったり、出っ張りを感じる、または排便時だけでなく座っているときに肛門付近に痛みや違和感を感じるようなら、できるだけ早く専門とする医師のもとを受診していただくことをお勧めします。痔を放っておいたからといって命に関わるものではありませんが、例えば痔核が悪化すると、肛門の外に脱出した状態で血栓ができて大きく腫れあがり、激しい痛みを伴うほか、排便時の出血量も増え、ただ立っているだけでも血液が漏れ出してしまうなど、日常生活にも支障を来してしまうことがあります。

Q内痔核硬化療法について教えてください。
A

痔の治療には主に坐剤や軟こうといった薬を用いる治療と、切除手術、内痔核硬化療法の3種類があります。内痔核硬化療法は痔核に注射をし、痔核に流れ込む血流を遮断して痔核を硬くし、縮小させることをめざすもの。肛門外部にできる外痔核や裂肛は薬を用いる治療で完治をめざせますが、内痔核は薬では症状を抑えることを図るだけにとどまることが多いのが現状。そうした理由で、完治をめざし、かつ手術に比べて患者さんの身体的負担が小さくて済むことが望める内痔核硬化療法を治療のファーストチョイスとして選択するケースが増えています。ただし潰瘍性大腸炎など一部の疾患をお持ちの方は病状悪化のリスクがあるため選択できません。

Q内痔核硬化療法を選択するメリットはどんな点にありますか?
A

切除手術では、肛門周囲の組織を大きく切除して痔核を根元から取り除くことをめざすため、下半身麻酔と4、5日から1週間の入院が必須となります。また術後も排便の際に肛門を使わなくてはならない特性上、細菌感染を防ぐ目的で傷口を完全にふさぐことをあえて避けるので、傷が治るまで強い痛みがあり、排便後に清潔を保つための処置を一定期間続ける必要があります。一方、内痔核硬化療法は必要に応じて局所麻酔を用いる治療なので、リカバリーも含めた滞在時間が2時間程度の日帰りで終えることが望めます。痔核へ注射をする際も、治療を終えた後も痛みを感じることは少なく、患部に対する特別なケアも必要がないなどのメリットがあります。

検診・治療START!ステップで紹介します

1診察。看護師が立ち会いのもと症状の確認
狛江外科胃腸科医院 診察。看護師が立ち会いのもと症状の確認

あらかじめ問診票に記入してもらい、排便時の出血や肛門の違和感など、痔の疑いのある症状について詳しくヒアリング。その内容を踏まえて患部を診察する。ベッドに横たわってもらい、肛門鏡などを使って痔の有無、状態などを目視で観察。診察の際には、必ず看護師立ち会いのもとで声をかけながら行うので、女性も安心して受診してほしいと院長。

2検査。カメラを活用して患部の確認
狛江外科胃腸科医院 検査。カメラを活用して患部の確認

血液検査、心電図、腹部超音波などの事前検査を行って健康状態を確認した後、肛門からの出血の原因が、痔以外の別の疾患であることを否定する目的で、大腸内視鏡検査を行う。

3検査結果と治療法の説明
狛江外科胃腸科医院 検査結果と治療法の説明

痔の個数や大きさなど患部の状態を詳しく説明。大腸内視鏡検査で特に異常がなく、出血の原因が痔によるものだと特定されれば、外用薬による治療、内痔核硬化療法、切除手術という3つの選択肢があることを提示し、患者の意向に沿って治療法を決定。治療法選択のおおよその目安はあるものの、苦痛の感じ方には個人差があるため、痔核のサイズが小さくても患者が苦痛に感じているようなら積極的に治療を進めるようにしているという。

4手術。痔核1個あたり5分での処置となる
狛江外科胃腸科医院 手術。痔核1個あたり5分での処置となる

事前に下剤を使用して便を出してから手術室へ。局所麻酔後、肛門内部の痔核に対して4段階に分けて薬液を注射する。所要時間は痔核1個あたり5分程度。見込まれる注射の効果の出方には個人差があり、1ヵ月ほど要する場合もあれば、早い人では注射した直後からその場で痔核が小さくなることが見込めるケースもあり得るという。

5個室のリカバリールームで休息。その後定期通院
狛江外科胃腸科医院 個室のリカバリールームで休息。その後定期通院

リカバリールームに移り、抗生物質と止血剤の点滴を受けながら1時間半ほど休息を取り帰宅。休息中はWi-Fiの使用ができるため自由に過ごせる。当日は安静にし、注射した薬液を患部に落ち着かせる目的で排便を避けるために食事はNG。空腹を感じたらゼリー飲料などの摂取は可能。翌朝からは食事可能。翌日、1週間後、1ヵ月後、3ヵ月後に通院し経過観察する。通院時はできるだけ排便を済ませてから受診することが望ましい。

ドクターからのメッセージ

稚田 仲啓院長

痔は排便時のいきみや便秘、下痢などで、肛門に負担がかかることによって引き起こされると言われています。しかしそれ以上に、人間がニ足歩行で生活し、肛門が下を向いている限り、重力による負荷がかかり続けるため、痔になってしまうことは人間の宿命とも言えるのです。その証拠に四足歩行の牛や馬が痔になることはありませんからね。トイレで強くいきまないことを心がけたり、食生活を工夫して正しい排便習慣を整えるなど、お尻に負担をかけない生活を意識することで痔は予防することも望めます。もし出血などの異常を感じたら恥ずかしがらずに早めにご相談ください。明るく相談しやすい雰囲気を心がけ、来院をお待ちしています。

稚田 仲啓院長 狛江外科胃腸科医院
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