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早期発見・早期治療で寛解をめざす
関節リウマチの治療

さいたまクリニック

(川越市/川越駅)

最終更新日:2021/10/12

さいたまクリニック 早期発見・早期治療で寛解をめざす 関節リウマチの治療 さいたまクリニック 早期発見・早期治療で寛解をめざす 関節リウマチの治療
  • 保険診療

免疫の異常によって手足などの関節に腫れや痛み、こわばりなどが生じる「関節リウマチ」。重症化すると軟骨や骨が破壊されて関節が動かせなくなる上、肺など全身症状も引き起こす疾患だ。かつては治療が難しく、寝たきりになってもおかしくないほど重度なケースも多かったものだが、近年は治療薬の進歩によって、初期段階から治療を開始できれば、症状の緩和などへの期待も大きくなってきているのだそう。埼玉医科大学病院などで関節リウマチの診断・治療に携わり、30年以上のキャリアを持つ「さいたまクリニック」院長の金潤澤先生を訪ね、リウマチの症状の特徴や検査の進め方、治療法、リウマチのリスクが高くなる要因など、さまざまな角度から話を聞いた。

(取材日2020年9月15日)

治療薬が飛躍的に進歩した関節リウマチ。症状が左右対称に出やすいといった特徴も

Q関節リウマチとはどんな病気ですか?
A
さいたまクリニック 進行すると肺や血管など全身に炎症が広がる

▲進行すると肺や血管など全身に炎症が広がる

原因不明の自己免疫疾患で、免疫異常によって関節が炎症を起こして軟骨や骨が破壊され、関節が変形した結果、指などが曲がってしまう病気です。最初に症状が出るのは手足の関節ですが、関節だけにとどまらず、進行すると炎症が肺や血管など全身に広がります。患者は主に30~50代の女性が多いですが、最近では高齢になっても活動性が高くなっているためか、80代でかかる人もいるなど幅広い年齢層で発症がみられます。関節に激しい痛みや腫れ、こわばりといった症状が出ますが、朝だけの一時的なこわばりという人もいれば、一日中こわばりが続く人もいます。逆に言うと、何の問題もなく動かせる時間帯もあります。

Qどんな症状か、具体的に教えてください。
A
さいたまクリニック 関節であればどこにでも症状が出るという「関節リウマチ」

▲関節であればどこにでも症状が出るという「関節リウマチ」

初期症状は手の指、手首などの激しい痛みです。朝起きてすぐ手がこわばるというのも特徴的な症状だと言われています。昔から医師の間で、「朝起きて30分以上手がこわばっているようなら、リウマチを疑うべき」と言われてきましたが、さらに関節の腫れや痛みといった症状が左右対称にみられる場合もリウマチの可能性が高いです。もちろん片方だけというケースもありますが、首、肩、背骨、顎など関節であればどこに症状が出てもおかしくありません。進行すると炎症が全身に広がり、最も気をつけなくてはいけないのが間質性肺炎。これは関節リウマチの症状の一つであると同時に、治療薬の副作用で発症することもありますから、注意が必要です。

Qどんな人がかかりやすいのでしょうか?
A
さいたまクリニック 規則正しい健康的な生活を心がけたい

▲規則正しい健康的な生活を心がけたい

発症年齢は20代から80代まで幅広く、女性の割合が高いほか、両親や祖父母など血縁者にリウマチ患者がいる場合は、そうでない方に比べてリウマチにかかる可能性が高いと言われています。心あたりがあれば、家族の罹患歴について一度確認してみることをお勧めします。さらにリウマチのリスク要因としては喫煙、風邪、ストレスなど諸説ありますから、愛煙家の方は禁煙を始めるなど、リウマチに関わるリスクを考慮に入れ、規則正しく健康的な生活を送ることが大切です。

Q検査や治療はどのように進めていくのでしょうか?
A
さいたまクリニック 近年は治療薬も進歩。初期で症状がおさまる患者も増えた

▲近年は治療薬も進歩。初期で症状がおさまる患者も増えた

まず重要なのが血液検査。加えてエックス線検査、エコー、MRIによる検査で炎症の有無、軟骨と骨の状態を調べます。治療は薬物療法が中心。この30年の間に治療薬が飛躍的に進歩し、初期段階で症状がおさまる患者さんも増えました。必要に応じて、リウマチで侵されて変形した関節を人工関節と入れ替える手術も行っています。手術では、変形した関節を人工関節に替えることによって、リウマチの活動性の抑制につなげていくことが期待されています。こうした治療を通して症状が消える「寛解」などになった場合でも、再発のリスクがある以上、引き続き注意深く観察していく必要があります。

Q予防のために、日常生活で気をつけることはありますか?
A
さいたまクリニック 健康維持がリウマチやその他の疾患予防にもなる

▲健康維持がリウマチやその他の疾患予防にもなる

喫煙者であれば禁煙すること、栄養が偏らないよう、バランスのとれた食生活を意識すること、そして、体を冷やさないこと。強いて挙げればこの3点でしょう。関節リウマチの発症原因がわからないため、明確な予防法はないのですが、リウマチに限らず他の疾患予防にもつながってくると思います。なお、自治体が行っている健康診断や人間ドックでも血液検査の中でリウマチ反応を調べますが、1種類のリウマチ因子だけを測定する方法となっています。健康診断の結果に関わらず、ご自身の感覚で手足の関節の痛みや腫れが気になったら、日常生活に支障が出る前に早めに専門の医療機関を受診しましょう。

ドクターからのメッセージ

金 潤澤院長

最近では、インターネットであらかじめ症状について調べ、リウマチを疑って来院される患者さんも増えてきましたね。他方、あちこちの整形外科にかかっても結局何の病気なのかわからず、当院の診断で関節リウマチが判明したという方も多くいらっしゃいます。リウマチは特に、専門の知識と経験がなくては診断が難しい疾患で、万が一誤った薬物療法を選択してしまうと、病状を悪化させてしまう危険性もあります。更年期症状とも似ているため、40、50代の女性であればリウマチが見落とされてしまうケースもあります。どこか関節の痛みが2、3週間以上続くようなら、まずはリウマチの症例経験、トレーニングを積んだ医師に受診してください。

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