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太田 隆之 院長の独自取材記事

太田内科クリニック

(名古屋市天白区/平針駅)

最終更新日:2021/10/12

太田隆之院長 太田内科クリニック main

市営地下鉄鶴舞線平針駅から徒歩10分、駅周辺の喧騒が消えてしばらくしたところで「太田内科クリニック」が見えてくる。迎えてくれた太田隆之院長は好奇心旺盛で、より困難なものを克服することに喜びを感じる人だ。セミナーや会議の案内があれば、可能な限り参加する勤勉な先生だが、どんな質問にも飄々とした柔らかい語り口でわかりやすく説明してくれる。医療につきものの難しい説明も、こんな風に話してもらえたらすんなり理解できそうだ。先生お手製の真空管アンプから流れる心地よいジャズの調べをBGMに、医療と趣味について語ってもらった。

(取材日2016年3月14日)

より困難なものを求める好奇心が知識の源に

こちらで開業されるまでの経歴を教えていただけますか。

太田隆之院長 太田内科クリニック1

愛知医科大学を卒業して2年間研修医として働いた後、大学院に行き、10年以上大学の循環器内科に勤務しました。その次に医局の人事もあり、西尾病院や犬山中央病院などいくつかの病院に勤務しました。この時はゆくゆくは開業を考えていたこともあり、一般内科を希望したんです。いろんな病院の様子を見て勉強したかったというのもありますね。また、1999年から2000年の1年間、ボストンのブリガム&ウィメンズホスピタルへカテーテルアブレーションの勉強に行っていました。

循環器をご専門にされたのは、どういったことからでしょうか?

他の臓器に比べて心臓はとても複雑なんですね。この医局に入っておけば、常に熱中していられると思ったのがきっかけではあります。当時神経とか腎臓とかはロジックで解けたのですが、心臓はどこか非科学的なところがあって、勘に頼ったりもするんです。そういう一筋縄ではいかないところが魅力的でしたね。

循環器内科での治療はどのようなものだったんでしょうか?

太田隆之院長 太田内科クリニック2

循環器内科では不整脈を専門として、不整脈治療のためのカテーテルアブレーションという治療が中心でした。足の付け根や首から細い電線を入れて心臓の中の心電図を撮ったりすると、不整脈の元がわかるんです。どこから出ているかというのがね。そこに電気を流して軽く温めると、筋肉が固まって不整脈が治るという手術なんです。そういうのをよく行ってましたね。不整脈が得意なのでホルター心電図は、検査後その日のうちに自分で解析しているのですぐに結果を出して説明できます。不整脈を健診で指摘された人は相談していただければと思います。

今までに印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか?

60過ぎくらいの男性で、坂を登るだけで息がきれてゴルフ仲間にばかにされた、という患者さんが来院されたことがあるんです。その男性の胸の音を聴診すると「トン・タ」っていう2音の後の音が分裂するんです。それで心房中隔欠損症に違いないと思い、超音波で確認したら的中してたんです。その時は循環器専門医だった経験が生かせたことに満ち足りた気持ちになりました。その患者さんには手術の目的で総合病院を紹介したんですけど、検査中に奥さんが肺がんになってしまったんです。それで自分の治療どころではなくなってしまい、ご本人は手術もしないままに……今頃どうしてるかなと思います。心房中隔欠損症というのは程度にもよるんですが、治療をしなくても心不全にならないまま問題なく生活できるケースもあるんです。

好奇心の対象は医療以外にも

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

太田隆之院長 太田内科クリニック3

待ち時間が短いクリニックですので、忙しくて時間がない方でも安心して来ていただけると思ってます。院内処方ですので、診察後に薬局へ行く必要もありませんし、トータルで30分もあればすべて終了します。ホームページ上に問診票のブランクフォームがありますので、そちらを印刷して記入して持ってきていただければ、更に診察時間の短縮になります。このクリニックは私が開業してからは7年目なんですが、その前にも他の先生がクリニックを開業されていて、長年クリニックがある場所なんです。建物自体は前のクリニックのものをそのまま使わせてもらってますから、開業時の資金を抑えることができました。ですから、当クリニックでは必要最低限の検査と投薬のみとし、患者さんの負担を最小限に抑えています。

総合内科専門医の資格もお持ちですが、どのような資格になるのでしょうか?

この資格を取るためにはそれなりに勉強しましたね。循環器や呼吸器などのサブスペシャリティの専門医というのは10年くらい真面目に医者をやっていれば取れるんですよ。それを専門にやってるわけですからね。でも総合内科専門医というのは、腎臓や肝臓といったすべての臓器をしっかり勉強する必要があります。レポートもたくさん書かねばなりませんし、なかなか大変ですね。

医療関係ではない資格もたくさんお持ちですね。

太田隆之院長 太田内科クリニック4

電気工事士を取ったのは電気系統が好きっていうのもあるし、スイッチとかコンセントとか自分で替えられますからね。蛍光灯を順次LEDに替えていこうと思っているので、その工事も自分でやろうと思ってます。気が向くとクリニックの中のスイッチも替えてるんですよ。1級小型船舶操縦士は友人がクルーザーを持っていたので、私も運転したいなと思って取っただけですね。アマチュア無線は高校時代の部活動が物理部通信班だったんですけど、ここに入ったら資格だけは取らなければいけないって言われましてね。それでその時に4級を取ったんです。その後、開業してから時間がある時にもっと出力の出る1級の資格を取りました。きっかけはそんな感じでしたけど、無線でも結構遊びましたよ。

医療の入り口として、何でも相談できる場所でありたい

子ども時代はどんなお子さんでしたか?

太田隆之院長 太田内科クリニック5

落ち着きのない子どもでしたね。いわゆるADHDで、急に話しかけられると音としては聞こえているんですが、言葉として捉えることができなくて、何度も聞き直してました。そうすると、何度も聞き返すな、と言われるんですけど、本当に聞き取ることができないんですよ。でも、忍耐強く勉強を続けることで、ここまでになりました。自分でも頑張ったと思います。ADHDで苦しんでいる子どもたちにはぜひ頑張って乗り越えてほしいと思っています。

休日はどのようにお過ごしですか?

たまにドライブに出掛ける以外は、本を読んだりテレビを観たり、コンピューターのプログラムで不整脈の研究などを今でもやっているので、プログラミングしたりしてますね。電気系統が好きで真空管アンプを作ってまして、今クリニック内にあるものは9台目なんですが、なかなかいい音を出してますよ。点滴に時間を要する人が、心地よくなって眠ってしまうような音をめざしているのですが、私もクリニックのベッドで横になっていると眠ってしまうくらいいい出来です。他にも自宅からクリニックのパソコンの電源を入れる機械を作ったりもしました。あとは名古屋は電波が弱くて、鉄筋コンクリートの建物の中だと電波時計が狂って時間が合わないんですよ。なのでインターネットのタイムサーバーから時間を取得して、モールス信号みたいに電波を出す装置を作って自宅に置いてあります。おかげで時間が合うようになりましたよ。

読者の皆さんへのメッセージをお願いします

太田隆之院長 太田内科クリニック6

自宅の近くに信頼できるクリニックを見つけて、健康面での相談がなんでもできるようにすることをお勧めします。ご近所のクチコミも参考にされるといいですよ。診察の時は医師に素直に症状を打ち明けてください。まずは、頭が痛いやお腹が痛いなどで十分です。足りない部分はこちらから質問して、必要な情報は医師が聞きだしますのでね。この辺りの患者さんたちは純朴で、診察をしていてもとてもスムーズです。そういった面はありがたいですね。

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