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胃がんリスクの減少につながる
ピロリ菌検査と内視鏡検査

金町内科クリニック

(葛飾区/金町駅)

最終更新日:2024/04/19

金町内科クリニック 胃がんリスクの減少につながる ピロリ菌検査と内視鏡検査 金町内科クリニック 胃がんリスクの減少につながる ピロリ菌検査と内視鏡検査
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「もしかして胃がんかも」と不安に思った時、まずどんな検査が頭に浮かぶだろうか。おそらく、バリウム検査を浮かべる人が少なくないだろう。しかし、バリウム検査ではエックス線撮影があるため、被ばくしてしまうことを気にする人もいるのでは。そこで、被ばくを気にせずに受けられる検査として、「ABC検診」と「内視鏡検査」がある。がんの発見だけでなく、今後胃がんになる可能性が高いかどうかのリスクについても調べることができる検査だ。胃がんはピロリ菌が大きな要因の一つであるため、ピロリ菌の除菌はがん予防にもつながるという。「ヴィナシス金町内科クリニック」の木村一史院長に詳しく聞いた。

(取材日2016年3月4日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Qピロリ菌とは何ですか?
A

ピロリ菌とは、胃がんを引き起こす毒を持つばい菌です。通常ピロリ菌は便と一緒に体外に出ますが、衛生環境が悪かった昔はピロリ菌の感染者の割合も高く、食べ物や飲み水で感染していました。しかし衛生環境の改善とともに感染者が減り、若者の感染は少なくなってきています。若い人は母子感染でのケースが多いので、お子さんがいたらお母さんも調べるといいかもしれません。ピロリ菌は感染していても症状に表れません。ですが、胃がんの要因になるピロリ菌を放置するのは危険です。一方で除菌すれば、胃がんリスクの高い人、例えば胃がんになったことがある人でさえも、リスクを減らすことが見込めます。

Qピロリ菌の検査方法と除菌方法を教えてください。
A

ピロリ菌を確認する主な検査方法には、胃の細胞を採取して検査する「迅速ウレアーゼ検査」、呼気内の二酸化炭素に含まれる炭素の同位体の数値を調べる「尿素呼気検査」、そしてピロリ菌の抗体を調べる「血液検査」があります。検査でピロリ菌が見つかったら、一次除菌として薬を7日間連続で服用して除菌を試みます。服用後は呼気検査で除菌されたかを確認します。これで一次除菌の治療は終了します。一次除菌でうまくいかなかった方は二次除菌薬を7日間服用することで、治療が終了することがほとんどです。一度除菌すれば、日本にいる限りは再感染することは少ないと考えられています。

Q保険は適用されますか?
A

「胃が痛い」などの症状がなくとも、検診で引っかかったり、胃がんや食道炎が心配であれば保険で内視鏡検査は可能です。生検も行った場合はプラスで費用が必要です。また、検査を迷っている方は、血液採取によってピロリ菌の有無と胃粘膜萎縮度を調べる「ABC検診」をお勧めします。胃がんや消化性潰瘍などのリスクを判定する「ABC検診」は保険外診療ですが、当院では2000円ほどで検査が可能ですので、お気軽にご相談ください。

検診・治療START!ステップで紹介します

1問診
金町内科クリニック 問診

「いつから調子が悪いか」「どの辺が痛むか」といった症状や、通院歴、服用歴などを確認する。内視鏡検査が必要と診断されれば、内視鏡検査を勧める。直前の食事時間次第では、問診直後に内視鏡検査を実施することも可能だという。

2鼻から挿入する経鼻内視鏡検査
金町内科クリニック 鼻から挿入する経鼻内視鏡検査

まずは鼻に麻酔をかけて10分ほど待機。その後、スコープを鼻から入れて検査開始。嘔吐反射などの苦痛も少ないため、検査中は患者もモニターを見ることができ、画面は内視鏡カメラの撮影映像あるいは自然風景から選択できる。検査時間は3~4分ほど。ピロリ菌やがんが疑われたら、胃粘膜よりピロリ菌の検査をしたり、がんが疑われれば顕微鏡検査に回す。組織検査は結果がわかるまで2週間ほどかかるという。

3ピロリ菌除菌
金町内科クリニック ピロリ菌除菌

ピロリ菌の存在が確認された場合は、除菌薬を7日間続けて服用する。薬の副作用で注意すべきはペニシリンによるアレルギーだそう。ただ同院では、ペニシリンが含まれない薬も用意があるそうだ。下痢や便秘の副作用が出る人も多少はいるが、深刻な症状になることはないという。服用最終日から約1ヵ月以上たったら、除菌されたかを確認する検査へ。

4除菌されたかの確認検査
金町内科クリニック 除菌されたかの確認検査

呼気採取からスタート。瓶に差されたストローに息を吹き込み、すぐに蓋をして封じ込める。次に錠剤を飲み、うがいをする。その後、横になったり座ったりして過ごし、再び同じ方法で呼気を採取。検査前後の呼気中のある数値を比較し、ピロリ菌が除菌されたかを判定する。除菌されていない場合は、二次除菌薬をまた、1週間服用する。

5経過観察
金町内科クリニック 経過観察

二次除菌まで行えばほとんどの場合治療が終了になるという。しかし、除菌で胃がんのリスクを減らすことが見込めるとは言え、可能性がゼロになるわけではない。よって定期的に内視鏡カメラで胃の状態を経過観察することが大切。内視鏡検査を受ける頻度は胃の荒れ具合によって異なるが、半年から2年に一度。20代前半の人で、胃のダメージが少ない人は除菌を行えば、検査は必要ないと判断する場合もあるそうだ。

ドクターからのメッセージ

木村 一史院長

胃の病気はバリウム検査で発見するものと考えている人が多いようですが、バリウム検査で見つかるような胃がんは進行したものが多く、ほとんど外科的治療になります。胃がんのバリウム検診が有用だったのは日本人のほとんどがピロリ感染をしていた50年ぐらい前のことです。バリウム検査でもピロリ感染がわかることもあるのですが、それを見つけることが難しいケースが多いようです。ピロリ感染を治療することにより胃がんのリスクを減らすことを図り、経鼻内視鏡で早期で胃がんを見つける。胃がんに関してはこれが大切です。

木村 一史院長 金町内科クリニック

自由診療費用の目安

自由診療とは

ABC検診/2000円

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