五味義法院長の独自取材記事

五味デンタルクリニック

(相模原市中央区／相模原駅)

最終更新日：2024/05/01

相模原駅からバスに乗り、最寄りのバス停から徒歩2分ほどの場所にあるのが、「五味デンタルクリニック」。院内は、明るい白を基調とする内装で統一されており、清潔感にあふれるたたずまいである。院長を務めるのは、笑顔を絶やすことなく朗らかな表情で和やかに語る五味義法先生。鶴見大学歯学部卒業後、大学病院や基幹病院などで幅広く研鑽を積んだ。2015年の開業後は、訪問歯科診療のニーズが高い相模原市において、そのニーズに全力で応えたいという強い意志で日々の診療に取り組む五味院長に、同クリニックの診療の特色や今後の展望などについて話を聞いた。

（取材日2024年1月19日）

訪問歯科診療など、地域のニーズに幅広く対応
患者の悩みを解決することを念頭に、真摯に向き合う
これからも患者の笑顔につながる診療を

訪問歯科診療など、地域のニーズに幅広く対応

初めに、クリニックのコンセプトについてお聞かせください。

最近は、専門性に特化するクリニックが増えているように感じます。当院では、それとは異なり予防歯科をメインとした一般歯科、矯正歯科、審美歯科やインプラント治療など、幅広い診療内容に対応していることが特徴です。そのため患者さんの年齢層や治療内容も多岐にわたります。地域のかかりつけ医を目標に掲げる当院のミッションは、あらゆるご相談に対応すること。私の専門分野は歯科口腔外科なので、親知らずの抜歯やインプラント治療などの外科的手術に関しても、大きな病院を紹介することなく可能な限り当院で処置を行える点が強みです。また歯科医師の妻は、東京都内で矯正歯科クリニックの院長を務めているのですが、当院でも矯正歯科医師として月2回診療を行っています。矯正は"タイミング"が大事になるため、治療していて時期をみて矯正をお勧めすることもあります。時間的にも経済的にも効率のいいご提案をさせていただくことに務めています。

続いて、こちらならではの特徴についてお伺いします。

当院の患者さんの約半数は、メンテナンスを目的とされる方です。一般的に、時間やコストを要してようやく治療が終わったと思った矢先に、詳しい説明もなしに次はメンテナンスのための通院を継続するように言われたとしたら、その瞬間にクリニックへの不信感を抱く方もいるでしょう。当院ではそうした状況を回避するために、治療終了の少し手前のタイミングで患者さんにメンテナンスの重要性を丁寧にご説明するように心がけています。定期的に通う患者さんの場合、治療が必要になってもそれはとても小規模なものであることが多く、治療回数も金銭的な負担も小さくとどめることが望めます。そういったメリットをご紹介することで、納得して継続的に通院してもらえるよう努めています。

ほかにも特徴があれば、教えてください。

相模原市は、政令指定都市で人口が多い地域です。一方で高齢者も比較的多く、訪問歯科診療のニーズが高い傾向にあります。そのため当院では、近隣の訪問看護ステーションと連携し、訪問歯科診療を行っています。また長く通われる患者さんが多いことも、特徴の一つです。無理に自由診療を勧めずに、できるだけ保険診療内で対応する方針であることに共感してくれているのではないかと思います。このようなさまざまな取り組みから、患者さんに信頼できる歯科クリニックだと思っていただけけるよう、これからも努力を続けます。

患者の悩みを解決することを念頭に、真摯に向き合う

勤務医から開業医へ転向した背景について、お聞かせください。

私はもともと、外科手術の症例数が多い病院に勤務し、親知らずの抜歯、顎変形症や悪性腫瘍の外科手術などに従事していました。そのまま大学の医局に残り、「歯科口腔外科の分野を極めたい」という気持ちはなかったわけではありません。しかし、歯科医師として生活する一方、実家が代々お寺なので、将来的には歯科医師と住職を両立することも考えていました。直接的なきっかけは、住職の祖父が旅立ったことです。私は当時20代後半でしたが、歯科医師と住職を両立するには、勤務医よりも自分の裁量で歯科医療に携わることのできる開業医というスタイルのほうが自分に適していると考えるようになりました。その意思を固めてから、都筑区の歯科クリニックで一般診療を学び、31歳の時に開業したという訳です。

勤務医時代の経験で、今の治療に生かされることはありますか。

口腔外科を専門にしていた勤務医時代は、高齢の患者さんや高血圧症、糖尿病や骨粗しょう症などの基礎疾患をお持ちの方の治療も担当していました。そこで、服薬しているお薬の内容によっては、口腔環境を整えることが疾患の状態悪化を回避することにつながり得ることを学びました。当時の経験が役立つのは、当院で類似する場面に接した際でしょうね。「糖尿病の方は歯周病の進行を抑えるため、お口の中を清潔に保つよう意識しましょう」、「このお薬を飲んでいる場合は、定期的に歯のお掃除に来てもらったほうがいいかもしれませんね」といったように、患者さんに応じてアドバイスをさせていただいています。今の自分があるのも、ひとえに大学病院や基幹病院で難易度の高い症例に携わらせていただき、数多くの貴重な経験を重ねる機会に恵まれたおかげだと考えています。これまでのご縁に、大きな感謝しかありません。

院長が診察を行う際に、心がけていることはどのようなことでしょうか。

患者さんの中には、クリニックというだけで緊張される方がいらっしゃいます。ですので不安や緊張感を強くお持ちの患者さんには、あえて治療の早い段階で、「痛みの原因はこれで、痛みを取り除くことをめざすにはこの治療が適切です」とはっきりと申し上げるようにしています。また、歯科医師として大切なことは、患者さんの「痛い」や「怖い」という感情に配慮し、その気持ちを軽減することだと考えます。そこで少しでも患者さんの気持ちを和らげられるよう、日々工夫をしながら治療にあたるようにしています。当院では、痛みや腫れで困っている患者さんに対して、その苦痛を解決せぬまま薬を処方するだけでその日の診察を終了するといった対応は行いません。いかなるケースにおいても、「患者さんの悩みを軽減する」治療を徹底しています。

これからも患者の笑顔につながる診療を

地域住民から、どのようなクリニックとして認知されたいですか。

「五味デンタルクリニックに相談すれば、とりあえず何とかしてくれるだろう」。地域住民の方から、そのように思ってもらえることが目標ですね。当院は、休診日の火曜以外は毎日診療を行っていて、どんな症状であってもお断りせずに、まずご相談に乗るよう努めています。そして来院が難しい患者さんには訪問歯科診療を提案させていただくこともあります。当院での診療のほか、地域活動としては、総合病院や連携する特別養護老人ホームの看護師さん、介護福祉士さんに向けた歯科勉強会なども実施しています。開業から約10年になる現在、患者さんとのコミュニケーションがいかに大切であるかを日々実感しています。朗らかな接し方、明確な物言い、気持ちに寄り添う会話など、どのような対応が患者さんの安心につながるのかを考え、皆さんにご満足いただけるような診療をめざしています。

今後の展望を教えてください。

開業当時からの私の目標は、「地域に密着した医療人」に徹することです。先に申し上げたように、この地域の訪問歯科診療のニーズはとても高く、当院が訪問歯科診療を行っていることの認知は広がってまいりました。これからそのニーズはさらに高まってくると思われます。そのため当面の課題は、体制を強化すること。今後は内容や訪問頻度などの質的向上をめざし、これまで以上に地域医療に貢献したいですね。長年訪問歯科診療に携わってきた当院だからこそ、その難しさ、やりがいを知り得たスタッフがそろっているのが強みです。訪問歯科診療に関するお悩みがあれば何でもご相談ください。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

お口の中の悩みを抱えている場合は、気軽な気持ちでご相談ください。ご事情をよく理解しないまま「当院では対応できません」とお断りすることはないので、その点はご安心いただければと思います。当院では、私を含めてスタッフ全員が話好きのメンバーばかり。患者さんにとって、何でも話しやすい環境をご用意しています。またスタッフ一同、患者さんの表情などにも十分に配慮し、治療後は笑顔で帰宅していただけるよう高い意識を持って従事しております。今後も、引き続き真摯な姿勢で地域貢献すべく精進してまいります。