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西 貞利 院長の独自取材記事

にし歯科クリニック

(札幌市白石区/菊水駅)

最終更新日:2021/10/15

西貞利院長 にし歯科クリニック main

地下鉄東西線の菊水駅から徒歩約10分、スーパーマーケットの2階にあるのが「にし歯科クリニック」だ。2006年11月に院長として同院を率いる西貞利先生が開業した。西院長は北海道大学歯学部を卒業後、複数の歯科医院で研鑽したのちに開業。開業以来、ひたすら患者に寄り添って痛みの少ない治療をめざし、患者目線を大切に診療を続けてきたという西院長。「私は説明が苦手なんですよ」と低姿勢で話すが、とにかく患者には治療内容を納得してもらえるように、丁寧に治療法を提示し、理解を促そうと努めてきた真摯な姿勢がうかがえる。地域密着の診療を続けて約15年。西院長がずっと大切にしてきた同院の治療理念から、休日の過ごし方まで、話を聞いた。

(取材日2021年9月8日)

スーパーマーケット併設で通いやすいクリニックとして

もともと先生はなぜ歯科医師をめざされたのですか?

西貞利院長 にし歯科クリニック1

私の母が病気がちだったため、小学生の時から漠然と「病気の人を治せたらいいな」と思っていました。医学の道へ進もうと決めたのは高校時代です。仲の良い同級生の親が外科の医師だったため、よくその同級生の家に遊びに行っていろいろな話を聞いているうちに、将来は医師を選択しようと思うようになりました。そこから歯科を選んだのは、縁があって。ちなみにその高校時代の同級生とも、年に数回は会う関係が今も続いています。

勤務医を経て開業されましたが、勤務医時代とのギャップはありましたか?

開業して改めて、いろいろなことすべてに対する責任が自分にあること、決断がとても重要であることを日々感じています。勤務医時代とはやはり意識や心持ちが変わってきますね。でも責任が重い分、勤務医時代以上に、患者さんに喜んでもらえたり感謝されたりしたことがダイレクトに伝わってくるので、非常にやりがいを感じますよ。

白石区に開業を決めた理由やこのエリアの主な患者層について教えてください。

西貞利院長 にし歯科クリニック2

もともと札幌市内で開業する物件を探していた中で、妻も私も地元に近いため、このエリアに決めました。以前、帯広で歯科医院に勤務していたときから、いずれはこちらに戻ってくることを考えていたところ、ちょうど良い物件に出会うことができたのです。このエリアの患者さんは、学生など若い方よりも、子どもか高齢者で二極化している印象があります。当院は開業時にチラシを配ったくらいで積極的に広告はしていませんが、スーパーマーケットに併設しているということで、自然と当院の認知度も高まっていったと思います。ファミリーで通ってくださることも多くて、ありがたいですね。

こちらにはどのようなスタッフさんがいますか?

皆さんベテランで経験豊富なスタッフばかりです。私が細かく指示をしなくても、次に私が何をしたいのかを察知して、率先して動いてくれるスタッフばかりです。治療中にふと見ると、もう次の準備ができているという感じです。意図をくみ取って動いてくれるので、私はとても楽をさせてもらっています。

患者の不安や恐怖心に徹底的に寄り添って治療

患者さんの主訴はどのようなものが多いですか?

西貞利院長 にし歯科クリニック3

患者さんの大半が、虫歯や歯周病、歯が抜けたことによる「痛み」を訴えていらっしゃいますね。ただ、「歯科医院=痛くて怖い」というイメージがあり、恐怖心の強い患者さんは、来院された時はすでに重症化しているケースもあります。すると、本来救えるはずの歯も、救えなくなってしまいます。また、個人的な話ですが、私は母が極度の歯科恐怖症で、口腔内がぼろぼろの状態になっていても通院したくないというレベルでした。そこで、日々診療を積み重ねていくうちに、そのように恐怖心が強い患者さんでも、もっと早い段階から治療ができればと思い、当院では痛みの少ない治療をとても重視しています。

痛みの少ない治療とは、具体的にはどのような方法ですか?

麻酔の際に表面麻酔を使い、麻酔の針を刺したことに気づかないくらいの状態をめざしています。また、麻酔液を人肌に温めてから注射して、体が痛みを感じ取りにくくするよう配慮しています。さらに非常に細い注射針を使用し、コンピューターで注射のスピードを自動制御して、痛みを感じにくくさせる工夫もしています。また、一度痛いと感じたら、以降も患者さんは痛みに敏感になってしまうので、麻酔直後に治療を始めることはせず、麻酔の状態を確認してから治療に入ります。治療である以上、完全に無痛というのは難しいのですが、痛みの少ない治療を極力心がけていますので、痛みが出てから来院したり、歯科医院に恐怖心を感じたりする方こそ、ぜひ普段から定期的にお越しいただきたいですね。

歯科医院に恐怖感がある患者さんに対して、ほかに心がけていることはありますか?

西貞利院長 にし歯科クリニック4

まず治療の前に、患者さんの話をよく聞くことですね。そして話の中で得られた情報から、患者さんが今の状態に至った経緯や原因をできるだけ丁寧に説明するようにしています。治療について、患者さん本人が納得することが大切ですよね。私が歯科医師としてどう考えて診断したかを伝え、どこまで理解されているかも確認しながら、情報を共有するようにしています。治療法を提示する際も、どうしてそうするのか、できるだけありのまま伝えることを意識しているので、私が説明が苦手で、回りくどくなったり、話が長くなったりしてしまうことも。でも患者さんには真摯に向き合って、丁寧な治療を心がけています。

患者さんとのコミュニケーションをとても大切にされているのですね。

特に「痛い」「怖い」という強い恐怖心を持っている患者さんに対しては、積極的に会話をしています。話しやすい空気感をつくって、できるだけリラックスしていただくことで、その後の治療にも頑張って臨んでもらえるようになると思っています。これはスタッフとも共有し大切にしていることです。また治療後、最後に私も患者さんの表情や雰囲気を見たいので、必ずお声がけしています。その日の治療の振り返りと、次はこう治療を進めていこうといった話をします。本来、治療後のお声がけは非効率で、院内の回転も悪くなるかもしれません。でも患者さんには、痛くてつらい治療だったとネガティブな印象だけを残したくないと思っているからです。時間がかかっても、次も通院していただき、しっかり治してもらえるように努めています。

症状がない段階から定期的に検診を受けてもらいたい

普段休日はどのように過ごされていますか? 趣味などはありますか?

西貞利院長 にし歯科クリニック5

趣味はスポーツですね。学生時代は野球をやっていました。スキーやバスケットボールも好きです。開業以来ずっと、札幌歯科医師会の野球部に入部していますし、毎冬スキーも楽しんでいます。振り返ってみれば、子どもの頃から、外を走り回るのが好きでした。正直なところ、人と話すのが得意ではなく、特に初対面の人とはうまく話せないこともあり、社交性があるほうではなかったのですが、体を動かすことは好きだったんです。新型コロナウイルス感染拡大以降は、なかなか外出できていませんが、食べ歩きも好きです。今は休日はだいたい家族サービスですね。

お子さんがいらっしゃるとのことですが、ゆくゆく後を継いでもらいたいと思われますか?

子どもが2人いますが、当院を継承してほしいとは思っていません。もし同業者として歯科医師の道を選んでも、私の後を継ぐより、別の場所で開業したほうが、やりがいなどが感じられると考えているからです。歯科医師として開業しましたが、最も充実していると思える瞬間は、患者さんが笑顔で帰っていくときです。だから子どもたちにも新たに自分でつくりあげていってもらいたいと思います。

最後に読者にメッセージをお願いします。

西貞利院長 にし歯科クリニック6

当院では診療の度に定期検診の重要性をお伝えしているからか、とてもありがたいことに、定期的に来ていただける患者さんが多くいます。でも、通常は痛みが出るまで歯科医院を受診することはない方が大半だと思います。いざ治療する際に、もう少し早い段階で治療できればと思うことも多くあります。進行してからのリカバリーは患者さんにとっても負担がかかります。ぜひ、早期発見や早期治療をめざして、症状がなくても定期的に受診していただければうれしいです。

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