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40代からの定期的な検査で
緑内障の早期発見・治療をめざす

かつた眼科クリニック

(尼崎市/尼崎駅)

最終更新日:2024/05/15

かつた眼科クリニック 40代からの定期的な検査で 緑内障の早期発見・治療をめざす かつた眼科クリニック 40代からの定期的な検査で 緑内障の早期発見・治療をめざす
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緑内障は、現在のところ中高年の失明原因の1位になっている病気だ。初期段階ではほとんど自覚症状がなく、気づいた時にはかなり進行しているケースが多い。しかも、かつては高齢者の病気と考えられていたが、「最近は、若い人の発症も増えています」と注意を促すのは、緑内障の治療に注力する「かつた眼科クリニック」の勝田英人院長。視力を失うリスクがあるなど怖い病気ではあるが、「できるだけ早期の段階で病気を見つけ、適した治療を受けることで、病気の進行抑制がめざせます」と、早期発見の重要性を強調する。緑内障の特徴や早期発見のために心がけたいこと、実際の検査・治療の進め方などについて、勝田院長にわかりやすく解説してもらった。

(取材日2024年4月24日)

緑内障の早期発見のために、症状がなくても定期的に検査を受けてほしい

Q緑内障とはどのような病気ですか?
A
かつた眼科クリニック 緑内障は視力を失う恐れもある病気であり、早期発見が大切と語る

▲緑内障は視力を失う恐れもある病気であり、早期発見が大切と語る

眼球と視神経のつなぎ目の部分が弱くなり、視野の一部が欠けてしまう病気です。初期段階では、ほとんど自覚症状がなく、気づかないうちに進行して次第に欠損部分が多くなり、最終的には失明のリスクもあります。また、欠けてしまった視野を元に戻すことができない病気でもあります。かつては、高齢者に多い病気とされていましたが、最近は検査の進化などにより若い人に見つかることもあり、中には20代、30代の患者さんもおられます。急激に進行する病気ではないので、高齢の患者さんも若いうちから病気が始まったのではないかと考えられています。家族に緑内障の方がおられる場合や強度の近視の方は発症リスクが高いので要注意です。

Q自覚症状がないと見つけにくいですね。
A
かつた眼科クリニック 定期的に眼科への受診を推奨している

▲定期的に眼科への受診を推奨している

私たちの目は左右で補い合っているため、視野の欠けを実感するのは困難です。目には盲点と呼ばれる見えない部分がありますが、両方の目で補っているため、盲点の存在に気づくことがほとんどないのと同じです。また、視野が上下左右から狭まってくるのではなく、視界のどこかに見えない部分ができます。見えない部分があるため、例えば、本を読んでいると、活字が飛んでいると感じたりすることもあります。実際は活字が飛んでいるわけではなく、その字がたまたま見えない部分と重なったことで起こる現象ですね。このように視野の異常に気づくのは非常にまれなケースで、多くの場合、異常に気づいた時には病気が相当進行していると考えられます。

Q皆さん、どうやって緑内障に気づくのですか?
A
かつた眼科クリニック 視力検査、眼圧検査、視野検査など検査機器を取りそろえる

▲視力検査、眼圧検査、視野検査など検査機器を取りそろえる

多くの場合、人間ドックなどで眼底検査を受けて、緑内障が疑われるとして受診されます。コンタクトレンズの定期検診や、結膜炎、ものもらいなど一般的な症状で受診され、診察や検査の結果、緑内障が見つかる場合も多くあります。また、一般的に緑内障は眼圧が高い人に見られる病気だと思われていますが、眼圧が高いからといって緑内障が見つかるケースは多くなく、実際はほとんどの方は眼圧が低いタイプの緑内障です。急激に眼圧が上昇する急性の緑内障もありますが、非常にまれなケースですね。当院では、視力検査、眼圧検査、視野検査、初期の緑内障の発見に有用とされる網膜の断面図を確認するOCT検査を行って診断します。

Q緑内障と診断された場合、どのような治療を行いますか?
A
かつた眼科クリニック 患者の症状や適性に合わせて治療方法を提案

▲患者の症状や適性に合わせて治療方法を提案

治療の選択肢は、目薬による点眼療法、レーザーを使った治療、手術の3種類です。緑内障は眼圧が上がると状態が悪化するため、いずれも眼圧を下げて病気の進行を抑えることを目的とする治療です。目薬は数種類あり、病気の進行度や患者さんとの適性を考えて使い分けます。レーザーでは眼球内の水を排出する部分の詰まりをきれいにするための治療を行い、眼圧を下げることをめざします。副作用の心配が少なく、一定期間作用の持続が期待できるので、目薬のように毎日点眼する手間や、点眼を忘れてしまう心配がないのがメリットです。健康保険も適用できます。こうした治療が適さない場合は、手術を検討しますが、現在のところ入院が必要です。

Q早期発見のためにはやはり定期的な受診が必要ですね。
A
かつた眼科クリニック 緑内障は早期発見・早期治療が大切

▲緑内障は早期発見・早期治療が大切

緑内障と同様に年齢を重ねると患者さんが増える白内障は、たとえ進行しても手術を受けることで見え方の改善が期待できます。しかし、緑内障で欠けてしまった視野については、現在のところ、取り戻すための方法がありません。病気の特性や治療の選択肢を考えると、できるだけ早期に発見して、適した治療を行うことが大切なので、たとえ症状がなくても、定期的に眼科を受診する習慣を定着させていただきたいですね。最近は、早い段階で緑内障が見つかる方が増えており、50代で見つかった場合は、病気が結構進んでいることも多いのが現状です。普段眼科を受診することのない方は、40歳を過ぎたら一度は検診を受けていただくことをお勧めします。

ドクターからのメッセージ

勝田 英人院長

緑内障は初期症状がほとんどなく、気づかないうちに進行して、最終的には視力を失ってしまうリスクもある怖い病気です。しかも、失った視野を取り戻すための治療は現在のところはありません。入院して手術を受けても、期待できるのは病気の進行、悪化を抑えることのみです。最近は緑内障と診断される若い方が多くなり、またより精密な検査により、初期でも病気を発見につなげられるようになりました。身内に緑内障の方がおられるなど不安要素がある方はもちろん、目の状態に問題がなく、リスク因子もないという方も、一定の年齢を超えたら一度は検査を受けてください。それがこの怖い病気の被害を食い止めるための最も適切な方法だと考えます。

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