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權藤 健二郎 院長の独自取材記事

ごんどう小児科クリニック

(福岡市東区/千早駅)

最終更新日:2024/06/05

權藤健二郎院長 ごんどう小児科クリニック main

福岡市の「東の副都心」として大規模な開発が進む千早地区。千早駅近くに立ち並ぶマンションの一階にある医療ゾーンに2013年「ごんどう小児科クリニック」は開院した。院長の權藤健二郎先生は、長く大学病院や福岡市立こども病院で、小児神経科を専門とする臨床に携わってきた経験豊富なドクター。子どもの体から心の発達まで幅広い診療に対応している。「安心」の詰まった地域のかかりつけ医でありたいといつも笑顔で迎えてくれる權藤院長に、クリニックの特徴や予防接種の重要性、小児科診療への思いについて語ってもらった。

(取材日2021年1月16日)

地域の子どもたちを見守るクリニックをめざして

この地域で開院された理由やエリアの特徴を教えてください。

權藤健二郎院長 ごんどう小児科クリニック1

マンション建設が進む中で子どもの人口が増え、小児科の需要も高い場所になるだろうと考えました。小さなお子さんが発熱や咳、鼻水、おなかを壊した、といった感染症で受診されることがほとんどです。受診するかどうかを判断するポイントは、発熱だけではなく活気があるかどうかが重要です。目がうつろだったり、飲んだり、食べたりがうまくできていない、夜眠れず昼間元気がないと感じたら小児科を受診してください。近くの3つの保育園の園医として、年2回の内科健診を通して地域の子どもたちの健康も見守っています。

診療で大切にされていることは何ですか?

お子さんは診察室に入ってきた瞬間が一番落ち着いていますから、その時の顔色や様子を見逃さないようにしています。熱があれば顔が赤かったり、脱水や低血糖の時は青白くなったり、そのどちらでもないけれど普通の顔色ではなかったり。子どもの場合、言葉で伝えることが難しいですから、診察を大事にしています。治療方針は、まずよくある病気から考えながら、保護者のお話を聞き、重篤な病気が隠れていないかどうか、その両面を考え合わせて絞っていきます。

診察室の椅子の配置に特徴を感じましたが、こだわりはありますか?

權藤健二郎院長 ごんどう小児科クリニック2

保護者からの情報は重要ですので、十分に話を聞けているかどうかを気にしています。私の正面には親御さんに座ってもらい、その右隣がお子さんの席。三者がちょうど三角形に膝を突き合わせる感じになるでしょうか。子ども用の椅子のほうが立派に見えるのか、喜んでよじ登って座る姿が見られますよ。話せるようになっているお子さんには、名前を聞くことをきっかけにコミュニケーションを取るようにしています。リラックスして話していただける雰囲気を大切にしようと思っています。予約制にしているのもその一環で、ゆっくりと診療に時間を取ることができます。「受診しようかな」と思う前に電話をして、空き時間帯を確認してください。24時間インターネットで予約を受けつけています。

子どもの心と体の発達をサポート

先生は小児神経科が専門と伺いました。

權藤健二郎院長 ごんどう小児科クリニック3

九州大学卒業後に大学病院の小児科へ入り、福岡市立こども病院では小児神経科部長として、発達や知的な障害、てんかんなどを診てきました。子どもが大きくなる過程で行動に心配なことがある時に、最初の相談先となれるかかりつけ医でありたいと思います。ここで心理テストや知能テスト、脳波検査ができるわけではありませんが、専門機関や二次病院への橋渡しをしています。

早期に相談することが大切なのでしょうか。

子どもの発達に関していえば、「早期発見」だけがキーワードではありません。例えば自閉症や多動に関しては、お子さんの状況を早く理解してあげるという意味で、早く相談していただくのは良いことなのですが、それで問題がすべて解決するわけではありません。その後の育児、教育をどうするかはもっと大きな問題です。程度が軽ければ、特別に受診する必要もないわけですが、程度を見極めることは難しいことだと思います。けんかやかんしゃくで友達とうまく接することができないなど、学校生活で困ることが出てくるようであれば、相談していただきたいと思います。また子育ての心配を自分でも気づかないうちに一人で抱え込んで、話を聞くうちに涙ぐむお母さんもいます。本人やご家族のつらさが重なる前に相談に来てほしいと思います。寄り添う存在でありたいと思います。

患者さんとの忘れられない出会いはありますか?

權藤健二郎院長 ごんどう小児科クリニック4

例えば、睡眠中の行動の相談で両親に連れられて来院したお子さんについて話を聞くうちに、私がずっと前に担当した難病のお子さんのご兄弟がその親御さんだった、というような出会いですね。「実家で相談したところ、『ごんどう小児科クリニック』で診てもらったらどうか」と勧められた、といったケース。患者さん側が私の診療をどう思っているのかを知る機会はなかなかないのですが、何十年も過ぎていても覚えていて、その関係のある方が来院されたりすることはとてもありがたく、感激します。小児科医をやっていて良かったと思う瞬間です。

いつでも相談できる居心地の良い場所でありたい

設備やスタッフの体制についても教えてください。

權藤健二郎院長 ごんどう小児科クリニック5

靴のまま院内に入れるようにしています。段差をなくしていますからベビーカーや抱っこのままでもスムーズな動線になっています。障害がある子もない子も同じように受診できる環境づくりをめざしています。また感染待合室を設けていて、発疹や水疱の症状がある場合はそちらから入ってもらっています。スタッフは受付と看護師の4人体制。電話予約の時にある程度の症状はお尋ねしますが、院内で問診票を書いてもらった後に看護師が熱の経緯など丁寧に聞き取って診療につなげます。少しでも元気が出るようにとの願いを込めて黄色やオレンジのビタミンカラーの椅子を待合室には置いています。現在はウイルス対策として換気や紫外線照射、ドアノブの定期的な消毒などいつでも安心して来院いただける環境づくりをしています。

ワクチン接種と乳児健診の時間帯を一般の診療時間と分けているのですね。

感染症の患者さんと分けて、予防接種や健診をゆっくり行うためです。「予防」は発病してから治療を行う通常の医療より、ワンランク上の最高の医療ではないかと私は考えます。本人が病気にかかるリスクを減らすためだけでなく、みんなで病気を防ぐためにも重要です。副作用や接種スケジュールの相談にも応じています。ワクチンはなるだけ接種したくないと考える家族もおられますが、ご心配の内容を伺った上で、基本的には接種を勧めています。お子さんは怖くて痛い注射に耐えるので、接種後は「頑張ったね」と大いに褒めてあげてください。乳幼児健診は従来からの10ヵ月健診に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で集団健診から個別健診となった4ヵ月、18ヵ月健診も行っています。

視力検査の機械を導入されたとか。

權藤健二郎院長 ごんどう小児科クリニック6

乳児健診で弱視や斜視などの異常を検出しにくいことが問題だったので、昨年10月から視力測定器を導入し、10ヵ月健診と18ヵ月健診ですべてのお子さんで検査しています。目の瞳孔を自動的に測定して近視、遠視、乱視、斜視があるかどうかのスクリーニングができます。機械の光を見つめてくれるだけで数秒で検査ができますから、生後6ヵ月頃から測定可能です。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

体調や発育発達に関して悩みや不安、困っていることがあればまずは相談してください。お子さんやご家族とじっくりと関わり、安心していただけるクリニックをめざしています。元気がなかったお子さんが生き生きとした表情を取り戻し、笑顔で園や学校へ通っている姿にやりがいを感じています。長年福岡市立こども病院で診ていた患者さんが「大学生になりました」と開院後にわざわざ訪ねて来てくれた時には、言葉にできない喜びがありました。これからもご家族の皆さんと一緒に、地域の子どもたちの健やかな成長をサポートできる「安心」の詰まったクリニックでありたいです。

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