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加藤 秀幸 院長の独自取材記事

打越かとうクリニック

(名古屋市千種区/一社駅)

最終更新日:2024/01/11

加藤秀幸院長 打越かとうクリニック main

名古屋市営地下鉄東山線一社駅を出て東山通沿いに西へ進むと、「打越かとうクリニック」が見えてくる。白とこげ茶を基調とした院内は、大きな窓から明るい光が差し込み、全体的に明るく落ち着いた雰囲気だ。「患者がストレスなく移動できるように」という考えから、診察室やリハビリテーション室だけでなく、待合室や廊下、トイレに至るまで、十分なスペースが取られている。「町のかかりつけ医として、何でも聞いてほしい」と言う加藤秀幸院長のもとには、小学生から高齢者まで、さまざまな患者がやってくる。中には家族の体調に関する相談をする患者もいるそうだ。加藤院長は、勤務医時代に培った経験を生かし「地域全体を見守る総合的な医療の提供」をめざしていると話す。開院の経緯、診療に対する想いを聞いた。

(取材日2016年6月9日)

勤務医時代の経験を生かし、総合的な診療をめざす

開院のきっかけについて教えてください。

加藤秀幸院長 打越かとうクリニック1

「地域で完結できる医療を提供したい」と考えたのがきっかけですね。例えば高齢者の場合、症状に応じて専門のクリニックを渡り歩いたり、月に数回総合病院で検査を受けたりすることは珍しくないと思います。この場合、各症状を専門の医師に診察してもらえる反面、移動や時間などの負担は避けられません。それより、1つのクリニックで複数の症状をケアできるほうが患者さんにとって負担は少ないですよね。高齢者に限らず、患者さんが訴える症状に何でも対応できる、頼れる町のかかりつけ医になりたい、そんな想いで開院しました。

標榜科目の多さに驚きました。これには理由があるのでしょうか?

開院するにあたり、「どんなことでも相談してください」という意味合いをこめて、標榜科目を絞り込まないようにしました。僕は30年以上、勤務医として外科を中心に、さまざまな経験を積んできました。外科の医師の仕事は手術だけでなく、患者さんの全身管理や救急の処置など、幅広いのです。医師になった当初は主に消化器のがんの手術に取り組んでいましたが、外科を通して、整形外科や皮膚科、泌尿器科などの経験も多く積みました。この経験から、自然と「総合的な診療」をめざすようになったのだと思います。開院前に勤めていた病院では内科も担当していたため、外科・内科双方の観点が身についたことも大きいですね。総合的な診療に取り組む医師の多くは内科の医師ですが、僕は外科にも対処できる。これが当院の特徴の一つといえます。標榜している診療科目の知識・経験は専門の医師に引けをとらないくらい身につけていると自負しています。

勤務医時代の多くの経験が、現在の診療に生かされているのですね。

勤務医時代の経験といえば、当時、いろいろな診療科目の経験を積み、勉強していく中で、「労働衛生」に注目しました。働く人の健康を維持するための取り組み、と考えれば労働衛生は医療の一部といえると思い勉強しました。この勤務医時代に学んださまざまなことが、今の総合的な診療を行う上で大きな力になっています。

開院にあたり、こだわったポイントはありますか?

加藤秀幸院長 打越かとうクリニック2

患者さんにリラックスして過ごしてもらえるよう、またストレスなく移動できるように、ゆとりのある空間づくりを意識しました。当院はビルの2階に位置しているため、患者さんにご不便をかけているところもありますから、院内はゆとりのある空間を提供したいと考えたんです。院内は十分スペースをとり、患者さんが車いすや松葉づえを利用していてもスムーズに行き来することができます。患者さんだけでなく、診療中は僕を含めスタッフみんなが動き回るので、その点でも広さの確保は重要だと考えました。

スタッフとも連携し、クリニック全体で患者を診る

患者さんの診察において、心がけていることは何でしょうか?

加藤秀幸院長 打越かとうクリニック3

患者さんとの会話に重きを置いて診療にあたっています。自分の症状を的確に、順序立てて話せる患者さんはほとんどいません。中には、口にしづらい悩みを抱えている患者さんもいます。ですので、まずは患者さんの話にじっくり耳を傾けることが大切だと考えています。時間もかかり簡単なことではありませんが、会話の中から病状の背景因子が見えてくることもあるので欠かせません。僕に限らず、看護師も患者さんとの会話を大切にしてくれていますね。例えば、採血など患者さんが緊張してしまう場面でも、看護師から「いつもはどちらの腕で採血していますか?」と声をかけられたら、患者さんも自然と会話ができて緊張がほぐれやすくなりますよね。そういった心配りも診療において大切だと考えています。

皆さんが気にかけてくれると感じて、安心する患者さんもいるのではないかと思います。

そう思ってもらえていたらうれしいですね。あと、患者さんとのコミュニケーションはもちろんですが、スタッフ間のコミュニケーションも大切にしています。看護師も受付スタッフも、それぞれの立場から患者さんの様子をしっかり見てくれています。スタッフたちの気づきを逃さないためにも、患者さんに関することは些細なことであっても僕に伝えるようにとお願いしています。先日もスタッフから「リハビリ室のソファーに手すりがないため、患者さんが立ちあがるときつらそうだ」と相談され、リハビリ室に新たに手すりを設置しました。患者さんにも好評の様子ですし、僕だけでは気づけなかったかもしれません。こういった相談は僕としてもうれしい限りですね。

スタッフ間のやりとりも、より良い診療環境づくりにおいて重要なのですね。

加藤秀幸院長 打越かとうクリニック4

患者さんの症状を診るのは医師である僕の役割ですが、処置をする看護師、受付スタッフも患者さんに気を配っています。スタッフ全体で患者さんを診る、という気持ちをみんなが共有しているんです。これはスタッフが自発的に考え、行動しているからこそできているのだと思います。信頼のおけるスタッフとともに患者さんを診られるのは僕にとってもありがたいことです。

包括的な診療だけでなく、専門的な診療にも対応

今後、力を入れていきたいことは?

加藤秀幸院長 打越かとうクリニック5

「町のかかりつけ医」としての役割を、在宅医療も含めより深めていきたいと考えています。日々の勉強や研修の継続はもちろん、患者さんの要望があれば定期的に専門家に来ていただいて、外来をお願いしたいとも考えています。また、メタボリックシンドロームに対する働きかけも積極的に行っていきたいですね。また、働き盛りといわれる40~50代は、健康管理を後回しにしがちという印象があります。しかし定年後の人生をより良いものにするためには、今のうちから治療や体調管理をしっかりすることが重要。その意識を患者さんにも持ってもらいたいですし、こちらもサポートしていきたいと考えています。また忙しくて定期的にクリニックに来られない患者さんのため、無理のない範囲での通院などの相談・提案もしています。

日々ご多忙かと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか?

なかなか切り替えは難しいですが、休日はしっかり休んでリフレッシュすることを心がけています。自転車が好きで、ロードバイク、オフロードバイク、折り畳み自転車を1台ずつ持っています。折り畳み自転車を車に積んで京都や浜松といった遠方に出かけることもありますよ。車を停めて、町を自転車でゆっくり観光するのは気持ちが良いですね。気持ちいい上に運動不足解消にもなりますし、趣味と実益が伴っていると思います(笑)。あと、最近は行けていないんですが、海釣りも好きです。船で沖に出るまでがとても気持ちいいですし、釣るのもワクワクして楽しいです。旬の魚を楽しめるのもいいですよね。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

加藤秀幸院長 打越かとうクリニック6

気軽に、何でも相談してください、とお伝えしたいですね。これまで、患者さん一人ひとりに合った治療の提供をめざして、日々歩んできました。その中で、医師同士のつながりも多く得ることができました。これによって専門家への紹介が必要になったとき、この症状だからこの病院へ、という一辺倒なことはせず、患者さんに合った専門家の紹介もできます。かかりつけ医を入口にして、臨機応変に患者さんに合った、納得してもらえる治療を提供したいと考えています。もちろん、自分のことだけでなく、家族の体調についても相談いただければできる限りお答えします。気兼ねなくご相談いただき、安心してもらえたらうれしいですね。

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