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ひばりの森歯科

(東久留米市/東久留米駅)

最終更新日:2021/10/12

ひばりの森歯科 全身の健康を守る訪問歯科診療 医科・介護とも連携 ひばりの森歯科 全身の健康を守る訪問歯科診療 医科・介護とも連携
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病気や事故、加齢などが原因で、歯科医院への通院が困難な人は少なくない。そんな人に院内と同じように治療を提供するのが、訪問歯科診療の役割だ。その守備範囲は非常に広く、患者の状態に合わせて虫歯の治療や口腔ケアはもちろん、高齢者の肺炎予防や窒息事故の予防に欠かせない内視鏡を用いた嚥下機能の検査も実施。ケアマネジャーや栄養士とも連携を取りながら、一人ひとりの患者の暮らしを支えている。「家から出なくなり、話す機会が減ると、次は嚥下機能が弱くなってしまう。月に数回でも訪問歯科診療で人の出入りがあることも刺激になりますし、訪問の際は話を弾ませて活性化してもらえるようにということも心がけています」という院長・篠田宏文先生に、訪問歯科診療の流れや特徴について詳しく聞いた。

(取材日2016年10月19日)

虫歯治療から口腔ケア、嚥下機能の検査まで、すべて自宅で受けられる

Qどんな人が対象になりますか?
A
ひばりの森歯科 原則週1回の往診日を設定。地域の居宅や施設へ訪問を行う

▲原則週1回の往診日を設定。地域の居宅や施設へ訪問を行う

一言で言うと「歯科医院に来られない患者さん」です。寝たきりだったり、認知症だったり、脳梗塞の後遺症があったりと原因はさまざまですが、小さな虫歯や入れ歯の調整などはもちろん、口腔ケアや嚥下機能の検査などの需要があります。家から出る機会がなくなると、歯を磨く習慣もなくなってしまいますよね。その結果、虫歯や歯槽膿漏、肺炎のリスクが高まるという二重苦、三重苦になっている人も少なくありません。そうならないように口腔内の管理をしてあげることが、まず訪問診療の役割ですね。人と話す機会が減ることで口腔の筋力が弱り、嚥下(飲み込み)機能にも影響してきますので、訪問の際は話が弾むように工夫しています。

Q「嚥下機能の検査」とはどういうものなのでしょう?
A
ひばりの森歯科 嚥下内視鏡で検査を行うことで現状について詳細な判定が可能

▲嚥下内視鏡で検査を行うことで現状について詳細な判定が可能

飲み込みの問題の有無をみるもので、嚥下内視鏡で検査します。脳血管障害などの病気や老化が原因で食べ物の飲み込みが困難になることを「嚥下障害」と言い、症状次第では誤嚥性肺炎になったり、飲み込みきれない食べ物が気管に詰まり窒息というリスクも出てきます。そこで嚥下機能を正しく評価し、今の食べ方で安全かどうかを判定するために実施するものです。病気などが原因で嚥下障害が出ている場合は、ゼリーから流動食、おかゆ、常食と徐々に戻していくことがリハビリの目標にもなります。また、ご高齢の方の場合は、嚥下機能の衰えに合わせて逆に食べ物を変えると、むせや誤嚥性肺炎などの防止に役立ちます。訪問診療でも検査が可能です。

Qクリニック内での検査・診療との違いはありますか?
A
ひばりの森歯科 クリニックでの治療と同様の治療が自宅でも受けられる

▲クリニックでの治療と同様の治療が自宅でも受けられる

患者さんが座っているのかベッドに寝たままなのかといった姿勢にはじまり、照明の明るさや吸引設備の充実度などの違いはあるので、麻痺のために喉への垂れ込みがひどいなどのケースでは、ガーゼを頻繁に換えながら治療を行ったりといった差はありますね。「歯科医院に行けないから、歯科治療は受けられない」と思っている人は多いですが、在宅でも検査はできますし、削る、詰めるなど一般的な治療も一通り可能です。麻痺はあるけれど頭ははっきりしているような患者さんの場合、治療ができた時の満足度はとても高いので、力になってあげられる部分と思っています。

Q訪問歯科診療はどういう流れで行われるのでしょう?
A
ひばりの森歯科 訪問診療の際に使用するポータブルな機材

▲訪問診療の際に使用するポータブルな機材

依頼があれば、まずどういう状況で外来の受診が難しいのかをお聞きし、ご家族やケアマネジャーさん、主治医の内科の先生たちともよく話して、状況を確認することからはじめます。患者さんは病気後のリハビリ段階でこれから元気になっていくところなのか、それともご高齢で寝たきりなのかといった状況が違えば、何をゴールとして、どこまで治療を行うべきかも当然変わってきますからね。例えば、認知症が進んで口を開けてもらうのも難しいような場合では、治療というよりは現状維持を目標に、口腔内の環境を悪化させないためのケアが中心になります。個人・施設は問わず、依頼があればどちらへも行っています。

Q実際の治療やケアはどのように進められますか?
A
ひばりの森歯科 クリニックという「箱」に収まらない治療のあり方をめざしている

▲クリニックという「箱」に収まらない治療のあり方をめざしている

施設のスタッフさんはもちろん地域の訪問看護師、ケアマネジャー、理学療法士、臨床栄養士といった、訪問医療に携わる人たちとの協力は欠かせません。例えば、嚥下機能の衰えから重症肺炎になってしまい、点滴治療を経てやっと退院してきたような高齢の方に、「はい、ご飯食べてリハビリしましょう」といっても無理な話。同じ症状を繰り返させないためには、嚥下機能と栄養の両方から食事を考えたり、無理のないリハビリプランを組んだりと、各分野の専門性を持ち寄って考えていく必要があります。そうやって、一人ひとりの患者さんのケアを円滑に進めていくのも、われわれの仕事の大事な部分だと思います。

ドクターからのメッセージ

篠田 宏文院長

「削る」「詰める」などの歯科治療は、クリニックでないと受けられないというイメージが強いですが、訪問診療でも一通りの治療を行うことができます。口の中をきれいな状態にしておくことは全身の健康にも直結し、また適切な治療を受けることが自信につながることも少なくないので、必要ならばぜひ利用してほしいですね。また、口腔ケアは終末期の患者さんの尊厳に関わることもあり、とても重要です。お看取りの近い患者さんにも最期まで寄り添っていく気持ちで日々の診療に臨んでいます。医科・歯科・介護などが連携した地域包括ケアシステムはまだまだ完成されているとは言えませんが、訪問診療を通じて輪を広げていきたいですね。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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