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矢野 淳也 院長の独自取材記事

ときわ歯科医院

(今治市/今治駅)

最終更新日:2022/02/28

矢野淳也院長 ときわ歯科医院 main

今治市の中心地にもほど近い、常盤通りを一本裏通りに入った位置にある「ときわ歯科医院」。2012年に開業した同院の院長を務める矢野淳也先生は、地域の人々の、物を食べることの「当たり前」を守り続ける歯科医師として、多くの患者と日々向き合い続けている。歯が生えたばかりの乳幼児から、歯科医院へ来ることが難しくなった高齢者への訪問診療まで、地域のかかりつけ医として多彩な治療を行う矢野先生。その中でも自身が特に力を入れている咬合・補綴についての取り組みや想い、また歯科医師としてのやりがいなど、多岐にわたって話を聞かせてもらった。

(取材日2021年11月18日)

工学部からの転身を経て、地域に貢献する歯科医師に

先生が歯科医師を志された経緯を教えてください。

矢野淳也院長 ときわ歯科医院1

実は私が歯科医師を志したのは大学生の頃なんです。当初まったく別の大学で工学部に進学していたんですが、大学を受け直して歯学部に入学しました。工学部でいろいろ勉強していたんですが、研究内容があまり自身に合わなかったといいますか。将来的に地元に帰って働きたい、地域の方に貢献できる仕事に就きたい、という思いもあったので、大学在学中に一念発起して工学部を中退して、徳島大学の歯学部に入学し直した、という形です。それから同学卒業後にすぐ愛媛に戻り、最初は大学病院で、その後は中四国にある開業医の先生のもとで研鑽を積ませていただきました。

開業のいきさつについても伺ってよろしいでしょうか。

以前から「いつかは地域の人々に貢献する仕事をしたい」と思っていたこともあり、最終的に開業医となる将来を目標としていましたね。それもあって、あちこちの開業医の先生のもとで経験を積んでいたのですが、実の父が体調を崩して亡くなりまして。1人になった母のこともあり、なるべく家族の近くで暮らしたほうがいいな、という思いから、そのタイミングで地元・今治での開業に至りました。オープンが2012年でしたので、2022年の9月に、おかげさまでちょうど10周年を迎える形ともなります。

先生が専門・得意とする分野についてもお聞かせください。

矢野淳也院長 ときわ歯科医院2

当院は施設としてはかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の分野に入ります。歯科治療全般に対応していますが、中でも咬合・補綴治療といった噛み合わせやかぶせ物の回復のための治療、入れ歯治療などは力を入れて対応しています。各地の開業医の先生にお世話になっていた頃、歯がなくなったことで物が食べられなくなった、話すことができなくなった患者さんを診る機会があったことで、その方面の治療により力を入れていきたいと思うようになりました。それと、実は私自身も歯に悪い所があるんですよね。自分が、思うように物が噛めなくてつらかったり、治療を受けた経験もありますから。そんな自身の経験や感じたことも踏まえて、なるべく多くの患者さんのお役に立ちたいな、と思っていますね。

人生の最後まで、おいしい物を食べてもらいたいから

施設の設備や特徴などについて教えてください。

矢野淳也院長 ときわ歯科医院3

エックス線や感染対策器具など、歯科医院にある設備は一通りそろえているのですが、噛み合わせの機能を検査するための設備に関しては力を入れています。患者さんが持っている噛む機能を可視化するために検査で数値化したり、ご高齢の患者さんは筋力も落ちている場合がありますので、そういった部分も検査できるようになっていますね。加齢に伴う口腔機能の衰え・オーラルフレイルも今少しずつ問題になってきていますので、それが気になる、という方にはいつでも対応できるようにしています。皆さんにはいつまでも食事をおいしく食べて、楽しく充実した生活を送っていただきたいと思っていますから。

地域の方への訪問診療にも力を入れて行っていると伺いました。

クリニックまで出向くことができない患者さんや、施設に入っている患者さんからも、ご要望があれば私が訪問して診療を行うようにしています。動けなくなるとどうしても、ちょっとした口の中のケアすらも難しくなってしまったり、介護中の口腔ケアをどうすればいいかわからない、という相談をご家族の方から受けたりすることもあります。歳をとって寝たきりになってしまっても、人間が感じる「おいしい物を食べる喜び」って、最後まで残るものだと思うんです。ひと口でもふた口でも好きな物を食べて、元気になっていただく。そういった面でのお手伝いも、私たちでできればと思っていますよ。

患者さんと接する時に意識していることはありますか?

矢野淳也院長 ときわ歯科医院4

患者さんのお話にまず傾聴して、それぞれの方に適した選択肢を提案するようにしています。当院には訪問診療が必要なご高齢の方から、下は生まれて数ヵ月の子どもの歯が生えてきたので見てほしいという親御さんがいらっしゃることもあるんです。本当に幅広い世代の患者さんが来られるので、私をはじめ、当院のスタッフ全体で一人ひとりに合わせた治療の提案ができるよう、患者さんの声に耳を傾けて、納得いただけるまで話し合った上で治療に入るようにしていますね。きちんと患者さんの声を拾い上げるため、時には歯科医師以外のスタッフの力を借りたり、治療室に案内する前段階で、待合室とは別のカウンセリングルームを活用することもあります。環境の変化で、歯科医師相手では話しにくかったことをお話しいただけるようになる方もいらっしゃいますから。

食事をするという当たり前を守る歯科医院をめざして

日々の診療の中で、先生がやりがいを感じることはなんでしょう。

矢野淳也院長 ときわ歯科医院5

何よりも患者さんの笑顔です。当初来院されてお困りになっていたことが解消されて、来て良かったと笑顔でおっしゃられると、たいへんやりがいを感じます。例えばお口元にコンプレックスをお持ちで来院された方がきれいに治り、自分で鏡を見て心からすてきな笑顔になられたり、痛みや噛み合わせの悪さから食事などに困っていた方が、食べたかった物が食べられるようになったとうれしそうに話されたときは、本当に良かったと思えますね。

先生のお休みの日の過ごし方や、趣味などについてもお聞かせいただけますか?

お恥ずかしながらこれといった趣味はなくて、仕事が趣味みたいなところもあるんですが。休日仕事を離れた時は、妻の実家の猫と戯れて癒やされていますね。猫からしたら、きっと私のことは散歩係や食事係としか思っていないのかもしれませんが。新型コロナウイルスが流行する前は、妻と一緒に旅行に行って、その土地のおいしい物や温泉に入ることを楽しんだりしていましたよ。これまでいろんな所に行きましたが、中でも富士山近辺への旅行は好きでしたね。同じ富士山でも、場所や時間によって見える景色がまったく変わってくるんです。それが非常に魅力的で、旅の醍醐味だな、と思いますね。

最後に、読者や地域の方へのメッセージをお願いします。

矢野淳也院長 ときわ歯科医院6

まだまだ地元で開業して日は浅いのですが、歯科医療という形を通じて、クリニック全体でこの地域の皆さんへ貢献できるよう、日々より良くなるようにと考えて診療に励んでいます。物が食べられる、ということは当たり前のことのように感じがちですが、噛む機能を失って初めてその大事さに気づいた、という方もきっと多いのではないでしょうか。そういった皆さんの当たり前を守るためのサポートができればと考えていますので、不安なことがあればなんでも気軽にご相談いただければと思います。一旦落ち着いた後も、少しでもお口の中の健康を維持するために定期的なメンテナンスは大切です。トラブルがあった時だけではなく、日ごろから自身のお口への意識を持って来てくださると、とてもうれしいです。

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