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HPVワクチンで
子宮頸がんの予防を図ろう

あやこレディースクリニック

(大阪市東成区/玉造駅)

最終更新日:2023/07/14

あやこレディースクリニック HPVワクチンで 子宮頸がんの予防を図ろう あやこレディースクリニック HPVワクチンで 子宮頸がんの予防を図ろう
  • 保険診療

2023年4月より子宮頸がんの9価ワクチンが公費負担となり、接種対象年齢の女の子がいる家庭から注目を集めている。ヒトパピローマウイルス(HPV)感染がほとんどの原因を占める子宮頸がんは20~40代の若い世代で増加中だが、9価ワクチンは特に高リスクとされるHPV型にもっとも幅広く対応しており、その効果に期待が寄せられている。「命を守るためご自身でしっかりと考え、接種を検討していただきたい」と呼びかけるのが、「あやこレディースクリニック」の金雅子院長。ワクチン接種の上で2年に1回の定期検診を受けることで、子宮頸がんのリスクを大きく低下させることができると話す金院長に、子宮頸がんに関する基本知識やワクチン、定期検診の重要性などについて教えてもらった。

(取材日2023年7月6日)

自己負担なしの公費接種が始まった9価HPVワクチン。子宮頸がん予防のため接種を検討しよう

Q子宮がんにはどのような種類がありますか?
A
あやこレディースクリニック ワクチン接種と定期検診がとても重要だと話す金院長

▲ワクチン接種と定期検診がとても重要だと話す金院長

子宮がんには、子宮内膜にできる子宮体がんと、子宮の入り口部分である頸部にできる子宮頸がんの2種類があります。子宮体がんは女性ホルモンであるエストロゲンの長期的な刺激が主な原因で、40~60代の方に多く見られる病気です。一方の子宮頸がんの原因のほとんどは性交渉により感染するヒトパピローマウイルス(HPV)によるもので、20代ではがんになる前の状態である前がん病変で見つかることが多いですね。医学の進歩により肺がん・胃がん・大腸がんなどの罹患率や死亡率が少しずつ減少している中、残念ながら子宮頸がんは20~30代の若い世代で増加しており、ワクチン接種と定期検診がとても重要です。

Q子宮頸がんの初期症状はありますか?
A
あやこレディースクリニック 初期の場合はほぼ自覚症状がなく、検診で判明することが多い

▲初期の場合はほぼ自覚症状がなく、検診で判明することが多い

子宮頸がんの前がん病変から初期の場合、ほぼ自覚症状はありません。強いて言えば性交渉後に出血があって子宮頸がんが見つかるケースもありますが、ほとんどの場合、検診によって判明します。進行がんになると多量の出血を伴ったり、子宮頸部が腫瘍に置き換わるため、おりもののにおいが強くなったり、腫瘍が尿管を圧迫し排尿が困難になったりとさまざまな症状が出てきます。子育て世代のお母さんが亡くなるケースが多い子宮頸がんは「マザーキラー」とも呼ばれているんですよ。

Q子宮頸がんワクチンについて教えてください。
A
あやこレディースクリニック HPVワクチンの接種で子宮頸がんの発症率軽減を図る

▲HPVワクチンの接種で子宮頸がんの発症率軽減を図る

HPVワクチンは子宮頸がんの前がん病変と子宮頸がんそのものの予防にもつながるとされており、高い有用性が期待できます。HPVワクチンが自己負担なしの公費で受けられる定期接種対象者は、小学校6年生から高校1年生相当の女子で、定期接種の機会を逃した1997年度から2006年度生まれの女性は2025年3月までキャッチアップ接種として公費対象となっています。2023年4月からは子宮頸がん発生に関係するとされるHPVの中でも特にハイリスクな7種類に対応する9価ワクチンの公費接種が可能となっています。初めての性交渉前の接種はより有用とされ、「小学生だからまだ早い」ということはありません。

Q子宮頸がんワクチンに副反応はありますか?
A
あやこレディースクリニック ワクチン接種後、院内で30分程様子を見るなど、安全性にも配慮

▲ワクチン接種後、院内で30分程様子を見るなど、安全性にも配慮

筋肉注射のため接種部位の痛みを訴える方はいますが、翌日まで続くことは少なく、当院では発熱する方も少ないという印象です。緊張やストレスにより血圧低下や脈拍が乱れる血管迷走神経反射が起こる可能性はないとは言えませんので、接種後30分程度は院内で様子を見ていただいています。国内では副反応を危惧して接種率が低下した過去がありますが、今は安全性に配慮して実施されています。ただしワクチン接種は任意でありご自身の意思が最も大切です。接種後、万が一重い副反応を疑う症状が出た場合は大阪大学医学部附属病院など専門医療機関へ送る体制は整っていますのでご安心ください。

Q子宮頸がん検診についても教えてください。
A
あやこレディースクリニック 2年に1度の定期健診を行い、早期発見することが重要

▲2年に1度の定期健診を行い、早期発見することが重要

HPVワクチン接種率がまだ十分とは言えない国内の状況では、20歳を過ぎたら2年に1回は子宮頸がん検診を受けることが重要と考えます。検診は内診台に上がり経腟的に専用器具を挿入し、子宮頸部から擦り取った細胞を病理検査します。がんになる前の子宮頸部異形成が見つかれば、精密検査をしつつ軽度または中等度までの方は3か月~半年に一度の細胞診実施など、フォローアップしていきます。2~3年ほどたつとHPVが自然に排出されて治癒していることもあり、治療は不要なんです。このような特性からも定期検診での早期発見は非常に大切なことがおわかりいただけると思います。

ドクターからのメッセージ

金 雅子院長

ワクチン接種は任意ですが、子宮頸がんワクチンは非常に有用であること、発見が遅れれば命を失う可能性もあるがんの予防につながることから、当院ではHPVワクチン接種の啓発に力を入れています。女性の命を守るためにもしっかりとご自身で考えて接種を検討していただきたいと考えています。そして定期検診もとても重要です。先進諸国と比べ、日本では子宮頸がん検診率がとても低いです。早期発見さえできれば負担の少ない手術で治療できるがんであり、HPVワクチン接種で発症リスクの軽減が図れる病気です。ワクチン接種と定期検診でしっかり予防しましょう。

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