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小出 正文 院長の独自取材記事

常滑いきいきクリニック

(常滑市/常滑駅)

最終更新日:2023/02/09

小出正文院長 常滑いきいきクリニック main

常滑駅から徒歩10分ほどの場所にある「常滑いきいきクリニック」。赤いハートを支えるクリニックのシンボルマークを配した大きな看板が目印だ。隣接するドラッグストア、スーパーマーケットと駐車場を共有しており、車でも来院しやすい。小出正文院長は、豊富な臨床経験と研究実績を生かし、科学的根拠に基づく医療をベースに、患者の体質に適合した治療を実践。専門の循環器内科のみならず、かかりつけ医としてさまざまな訴えに耳を傾けてきた。患者に穏やかに接しながらも、スタッフとともに鋭い観察眼でわずかな体調変化を捉える。今回は、故郷の地域医療にかける思いやクリニックがめざす方向性など、じっくり語ってもらった。

(取材日2022年10月6日)

パーソナライズドメディスン(個別化医療)を実践

研究生活や病院勤務を経て、開業を決意されたきっかけをお聞かせください。

小出正文院長 常滑いきいきクリニック1

医師になり、約10年の病院勤務を経てアメリカへ渡り、研究に従事していました。帰国後20年ほど再び勤務医を務めた後、2011年に開業しました。自分が良いと思える治療を地域の患者さんに提供したい、また同時に、治療の裏づけとなる研究も続けたいとの思いがあり、この両方を思う存分できる環境を求めていたのです。日本循環器学会循環器専門医としての臨床経験と長年の研究成果を生かし、地域の皆さんの病気予防、健康維持に貢献していきたいと考え、開業を決意しました。

この建物は開業時に建てられたのですか。

開業の際に建てた建物で、1階が診療フロア、2階に実験室を設けています。待合室から見える庭の景色が四季の移り変わりを感じさせてくれるんです。新型コロナウイルス感染症の流行下になってから待合室を拡張し、大型空気清浄機を導入するなど、衛生的な環境維持に努めています。隣接するドラッグストア、スーパーマーケットと駐車場を共有していますので、車で来院され、ついでに買い物を済まされる患者さんも多いですね。循環器内科関連の医療機器としては、強めの負荷をかけて心臓の機能を調べる装置や、超音波検査装置などをそろえています。2階の実験室では、病気の原因や本質に迫る詳細な検査、仮説を実証する実験などの研究を行っています。

治療と研究を両立されているのですね。

小出正文院長 常滑いきいきクリニック2

私の診療のベースとなっているのは、エビデンスベースドメディスン(科学的根拠に基づく医療)です。病気の原因や本質を理解し、そこから治療法を導き出そうとしています。ただし、この方法のみですべての患者さんに合った治療ができるわけではなく、場合によっては体質的な要素も加味して適合する治療を考える必要があります。これがパーソナライズドメディスン(個別化医療)であり、私がポリシーとしているところです。このような病気の性質、個々の体質や遺伝の影響などを深く探ろうと、今でも時間をつくって研究を続けています。また、医療は日々進化していますので、新しい知識を吸収し、治療に生かしていきたいと考えています。

循環器内科の他、在宅診療やアレルギー疾患にも対応

診療において特に意識されていることはありますか。

小出正文院長 常滑いきいきクリニック3

患者さんの体つきや顔色、歩く動作などをよく観察するようにしています。注意して見ていると、パーキンソン病やALSなど、ご自身も気づいていない病気の兆候を発見することもあります。スタッフも患者さんの様子をよく見てくれていますね。また、病気によって話すことが困難になり、ご自身の症状をうまく伝えられない方、高齢により痛みや体調の変化を感じにくくなる方もいます。聴診などの基本的な診察をおろそかにせず、丁寧な診療によりわずかな変化も見逃さないよう努めています。心臓に持病があって長年通われている患者さんの中には、病状が徐々に悪化し、適切な段階で弁の交換手術や冠動脈のバイパス手術、カテーテルアブレーション治療(不整脈の電気的焼灼)などが必要になる場合も考えられます。そういった場合は、安心して手術を受けていただけるよう、勤務医時代の同僚医師などとの連携を通じて信頼できる専門医療機関にご紹介します。

在宅診療にも対応されていますね。

慢性疾患や難病の患者さんで、病院での治療を終えてご自宅に戻られた方に対して在宅診療を行っています。外来診療終了後に、看護師とともにご自宅を訪問しています。過去に当院に通われていた患者さんが中心ですが、治療を受けられていた病院から紹介を受けるケースもあります。病気を治すための治療というよりは、できる限り苦痛を取り除く治療など、穏やかに過ごしていただくための治療が多いですね。訪問看護師やリハビリテーションスタッフなど、さまざまな職種の医療者と密に連携し、患者さんやご家族を支えていければと考えています。

アレルギー疾患、特に花粉症の治療にも力を入れていらっしゃると伺いました。

小出正文院長 常滑いきいきクリニック4

専門の循環器内科に限らず、かかりつけ医として幅広い診療に対応していますが、花粉症に悩んでいらっしゃる方は本当に多いですね。近年は、低年齢化しているように感じます。お勧めは舌下免疫療法で、舌下でアレルゲンを内服することによりブロッキング抗体をつくる治療法です。常滑市では、子ども医療費の助成により中学生まで助成の対象となるため、症状があれば早めに治療を受けられると良いでしょう。また、花粉症とともに果物アレルギーや、ハウスダスト・ダニアレルギーがある方も多くいらっしゃいます。その他、アトピー性皮膚炎や喘息などの治療にも対応していますので、ご相談ください。

スタッフとの連携により患者の立場に立った診療を提供

診療を続けてこられる中で、スタッフの皆さんの力も大きかったと思います。

小出正文院長 常滑いきいきクリニック5

クリニックというのは医師だけでは成り立たず、周囲を固めるスタッフとの連携があって初めて患者さんをしっかり診ていくことができます。当院には優秀なスタッフがそろっており、いつも助けられているんです。循環器内科を専門としていますので、患者さんの中には、院内で突然体調を崩す方もいます。救急車を呼び、到着までに適切な処置をして、準備を整えなければなりません。スタッフの迅速な行動により、無事に患者さんを送り出すことができるのです。通常の診療においては、私の前では遠慮して話しにくいことを受付スタッフや看護師に漏らす方も多く、そうした声も共有して診療に生かしています。また、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種や発熱者専用の外来設置の際も、地域の皆さんの健康を守らなければとの使命感から一致団結して乗り越えてきました。これからも、クリニック一丸となって患者さんお一人お一人に向き合っていきたいですね。

今後のクリニックの方向性についてお聞かせください。

今、少しずつ進めているのが、災害時にも稼働できる環境の整備です。災害が起こり、停電になるとクリニックの機能が停止してしまうため、自家発電や蓄電池などの設備を備え、医療を継続できる体制を整えなければなりません。スタッフと協力し、非常時の対応に関するプログラムづくりにも着手しています。この付近は東海地震の被害想定区域なので、いつ起こるかわからない災害に備え、早期に体制を整えたいと考えています。また、新型コロナウイルス感染症の流行を機により安心して受診できる環境づくりに力を注いできましたが、これもさらに前進させたいですね。医療のデジタル化に関しても、高齢の方には敬遠される向きもありますが、世の中の動きを上手に取り入れ、患者さんのメリットになるものは活用していく必要があります。加えて、地域に根差したクリニックとして、何らかの形で健康に役立つ情報を発信していきたいとも考えています。

最後に、読者へメッセージをいただけますか。

小出正文院長 常滑いきいきクリニック6

循環器疾患がある方については、病気と長く付き合いながらいかに快適に過ごせるかという点を常に意識しています。ちょっとした体調変化も見逃さないよう丁寧な診療を心がけていますので、安心して通っていただければと思います。また、働き盛りの世代で、健康診断で異常を指摘されて来院される方もいます。治療をしばらく続けて検査の数値が正常値に近づいてくると、安心されるのは良いのですが、多忙な日々の中で治療の優先順位が下がってしまいがちです。無理を続けていると重篤な状態に至る可能性もあるため、常にご自身の体調に目を向け、健康維持に努めていただきたいと思います。また当院は、地域のかかりつけ医として一般内科やアレルギー疾患など幅広く対応しています。専門医療機関と連携しつつ適切な医療提供に努めていますので、気になることがあればまずはご相談ください。

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